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番外
安楽椅子は安楽なのかという問題
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「あら、ユリウス。貴方、まだ起きていたのね」
込み上げて来る欠伸を押し殺しながら、扉を押し開く。古めかしい鉄と曇り硝子で出来た扉はとても重たくて、逆らうようにギシギシと音を立てた。
本来ここには衛士がいて、私の為に扉を開けてくれていたのだけれど。ここ一年ほど、王族の居住区に関しては、少しずつ警護の数を減らすようにしている。その代わり、王城自体の出入りに関しては以前より厳しくなっている筈。つまり、どこにいても誰に命を狙われるか分からなかった時代が過ぎて、重点的な警備が敷けるようになったということだ。
私に関して言えば、少しくつろいだ格好で歩き回れる範囲が増えたのはありがたい。
それに、私が椅子の上に乗せられている間、それを目撃する使用人の数が減っていることもありがたい。
(いい加減、気にしているのは私ぐらいなものだけど……)
髪は後ろに梳き流したまま、どちらかというと質素な白い部屋着姿のままで、溜息をつきながら歩み寄ると、その先にいた人物が振り返った。薄く射し込んだ朝の光を受けて、長い影を引きずったユリウスは、宗教画のよう──それもどちらかというと悪魔の降臨とか、魔物の主とか、そんな画題が付きそうな方向性のオーラを発していた。
朝から爽やかさというものが皆無だ。
「お早うございます」
まるで笑っていない目。ゆったりと弧を描いているのが、かえって嘲りのように感じられる口元。
いつも通り、ろくに知らない人が見れば極悪人の相としか思えない宰相閣下だわ、と思いながら、私は傍らの机に山と積まれた書類を眺めやった。
「……朝まで仕事?」
「合間に休憩は入れました」
「相変わらずね……」
明らかに、結婚式の予定を強引に詰め込んだために生まれた弊害だ。自業自得と思って、彼の仕事量が増えても、見て見ぬ振りをして通していたのだけれど……私は、眉を顰めてユリウスの顔を見た。
陽気な顔とはとても言えないけれど、普段と大して違いはない。どこにも疲労の陰は窺えず、目の下には隈も見えない。
「貴方がたまに超人的なのは知っているけれど、こんな生活をしていても変わりないなんて……ひょっとして、本当に鋼鉄で出来ているの?」
「鋼鉄?」
彼は冷ややかに眉をそびやかし、
「陛下は、私のクッション性に些か疑問をお持ちですかな?」
「なんでもかんでも椅子としてのスペックに換算してみるのはどうかと思うわよ、宰相」
「それより重要な尺度がこの世に存在すると?」
するわよ、と反射的に返そうとして、私はぴたりと口を閉じた。
(不毛……朝からあまりにも不毛……)
「それよりも、健康上の問題よ。貴方、私には早く寝ろとうるさい癖に」
「陛下には健やかに大きくなって頂き、健やかな椅子の主になって頂く必要がありましたので」
「いかに私が健やかでも、椅子(宰相)に座っている時点で不健全感しかしないわ……いや、そうじゃなくて、貴方の夜更かしの話よ」
「ご心配なく、自分の限界は弁えております」
「本当にそうかしら」
この国の立て直しにも、超人的な働きを見せていた男だ。それでいて、自分の超人ぶりを基準にせず、私や部下たちはきっちり休ませていた。
そんな人が側にいてくれたことを有難いと思いつつ、消せない不安も込み上げて来る。
「自分のことだって、完全に把握しきれないのが人というものでしょう。年齢的に言っても、貴方の方が先に死ぬとしても、私が座っているときに突然死とかされたら嫌だわ」
「陛下に座って頂いている最中に死亡……それは、思い描く限り最高の死に様ですな」
「止めて……!!」
あまりに嫌すぎて、絞め殺される鶏、いや兎? みたいな声が出た。
「トラウマ過ぎて、その後の一生、椅子というものに座れなくなるわ」
「……素晴らしい」
「!!!」
私は息を呑んだ。
間違えた。完全に対処を間違えてしまった。
さっきまで、冥者の死気を食らって生きているような見た目だった宰相が、今や爛々と目を輝かせている。藍色の目が、そんなはずはないのだけれど黄金色に燃えているような錯覚を感じてしまう。
宰相としては最大限の情熱が篭っていると分かる表情で、私をじっと見据えると、
「一生陛下の心の傷となって焼き付き、他の椅子に心を移すことも封じられるわけですな。それはもはや、椅子としての生涯を成就させたと言っても過言ではなく」
「椅子としての一生の満足のために、人としての生涯を棒に振らないで頂戴」
「まあそちらは余興というか、どうでも良いかと」
「どうでも良くないわよ?!」
ねっとりじっとりとした視線に絡め取られて、そこから視線を逸らすことも出来ず、私は叫んだ。
本当に、この椅子は扱いが難し過ぎる。頭が痛い。
(一体どうしろと……どうしたら、もう少しまともな方向に誘導できるの?)
「……ユリウス。私は健康的な椅子が欲しいのよ」
私は額を押さえながら言った。
「ほう? 陛下は椅子が欲しい、と」
「そこだけ抜き出さないで頂戴! 健康的な椅子が欲しいの」
「どうぞもう一回、復唱を」
「私は健康的な椅子が欲しいのよ!」
私は自棄になって言った。
「陛下。私は陛下に全てをお捧げしております」
「貴方それ、言いたいだけでしょう。そうじゃなくて、私の椅子ならば健康でいなさいと言っているの」
「陛下の椅子に対する深い愛を感じますな」
「貴方、ちょっと浮かれてるわね」
私の声音に呆れの色が混じった。
だが、いつまでも振り回されてはいられない。主君として、私はピシリとした命令口調を叩き付けた。
「いい加減、都合のいい部分だけ選んで聞いていないで、私の言うことを聞いて頂戴。今はとにかく忙しいのは分かるけど、きちんと休んで、私を心配させないように」
「陛下のお望みの通りに。しかし陛下、私を休ませたいのであれば、私の上に座って頂くのが一番確実です」
「…………貴方は何を言っているの?」
「そう警戒なさらず。冷静にお考え下さい。陛下が私の上に座っている間、私は何があろうと陛下のご意志を優先いたします」
「……そうだったかしら?」
あやふやに、口の中で呟く。
これは、椅子になる為ならば、どんな詭弁も辞さない男だ。どんなことを言われてもひとまず疑ってかかる必要がある。
でも、実際のところをよく考えてみると、私の椅子になっている間、宰相はほとんど働いていない。私が働けと言わなければ指一本動かさない。それほど全てに椅子を優先させる男だ。
(ユリウスを休ませる為にその上に座る? ……ひょっとして、現実的な手段としてそれは有りなの?)
少し冷静になる時間が与えられれば、「無し」という答えが導き出せたのだけれど。
「陛下。貴方の忠実なる椅子に、稀なる安息をお与え下さい」
悪魔のような男(椅子)はそう言った。
「……いや、おかしいわよね?」
冷静になったときにはすでに手遅れ、という経験は何度めか。多分、十の桁には行っていると思う。
その後、頭を抱えて悔やむことも。
「どうなさいましたか、陛下。兎耳がくったりと垂れておりますが」
「元々ついてないわよ?! 貴方には何の幻覚が見えているの?」
私の居室の安楽椅子を占領し、悠然と座っている男。その上に座らされている私。割と残念なことに、よくある光景なのだけれど。
「貴方を休ませたいのであれば、寝室に行って寝ろと命じるべきだったわよね? 何故またもや貴方の口車に乗って、貴方を椅子にしてしまったのかしら」
「しかし、陛下。十時間の睡眠を取るよりも、陛下を三十分お乗せしている方が、私の体力は回復いたします」
「そんなはずはないでしょう。常識的に考えてみても」
……常識的に考えてみても、非常識な男だったわ。
しかし、そんな、世の理を覆すような現象が起きるわけが……などと私が考えていると、宰相が微塵の揺らぎもない声で言った。
「これが安楽椅子というものです、陛下」
「貴方が安楽な椅子ということね、それは良かったわ……」
私は少しも安楽でない気がするのだけれど、そのことを論じ合うつもりはもはやない。
込み上げて来る欠伸を押し殺しながら、扉を押し開く。古めかしい鉄と曇り硝子で出来た扉はとても重たくて、逆らうようにギシギシと音を立てた。
本来ここには衛士がいて、私の為に扉を開けてくれていたのだけれど。ここ一年ほど、王族の居住区に関しては、少しずつ警護の数を減らすようにしている。その代わり、王城自体の出入りに関しては以前より厳しくなっている筈。つまり、どこにいても誰に命を狙われるか分からなかった時代が過ぎて、重点的な警備が敷けるようになったということだ。
私に関して言えば、少しくつろいだ格好で歩き回れる範囲が増えたのはありがたい。
それに、私が椅子の上に乗せられている間、それを目撃する使用人の数が減っていることもありがたい。
(いい加減、気にしているのは私ぐらいなものだけど……)
髪は後ろに梳き流したまま、どちらかというと質素な白い部屋着姿のままで、溜息をつきながら歩み寄ると、その先にいた人物が振り返った。薄く射し込んだ朝の光を受けて、長い影を引きずったユリウスは、宗教画のよう──それもどちらかというと悪魔の降臨とか、魔物の主とか、そんな画題が付きそうな方向性のオーラを発していた。
朝から爽やかさというものが皆無だ。
「お早うございます」
まるで笑っていない目。ゆったりと弧を描いているのが、かえって嘲りのように感じられる口元。
いつも通り、ろくに知らない人が見れば極悪人の相としか思えない宰相閣下だわ、と思いながら、私は傍らの机に山と積まれた書類を眺めやった。
「……朝まで仕事?」
「合間に休憩は入れました」
「相変わらずね……」
明らかに、結婚式の予定を強引に詰め込んだために生まれた弊害だ。自業自得と思って、彼の仕事量が増えても、見て見ぬ振りをして通していたのだけれど……私は、眉を顰めてユリウスの顔を見た。
陽気な顔とはとても言えないけれど、普段と大して違いはない。どこにも疲労の陰は窺えず、目の下には隈も見えない。
「貴方がたまに超人的なのは知っているけれど、こんな生活をしていても変わりないなんて……ひょっとして、本当に鋼鉄で出来ているの?」
「鋼鉄?」
彼は冷ややかに眉をそびやかし、
「陛下は、私のクッション性に些か疑問をお持ちですかな?」
「なんでもかんでも椅子としてのスペックに換算してみるのはどうかと思うわよ、宰相」
「それより重要な尺度がこの世に存在すると?」
するわよ、と反射的に返そうとして、私はぴたりと口を閉じた。
(不毛……朝からあまりにも不毛……)
「それよりも、健康上の問題よ。貴方、私には早く寝ろとうるさい癖に」
「陛下には健やかに大きくなって頂き、健やかな椅子の主になって頂く必要がありましたので」
「いかに私が健やかでも、椅子(宰相)に座っている時点で不健全感しかしないわ……いや、そうじゃなくて、貴方の夜更かしの話よ」
「ご心配なく、自分の限界は弁えております」
「本当にそうかしら」
この国の立て直しにも、超人的な働きを見せていた男だ。それでいて、自分の超人ぶりを基準にせず、私や部下たちはきっちり休ませていた。
そんな人が側にいてくれたことを有難いと思いつつ、消せない不安も込み上げて来る。
「自分のことだって、完全に把握しきれないのが人というものでしょう。年齢的に言っても、貴方の方が先に死ぬとしても、私が座っているときに突然死とかされたら嫌だわ」
「陛下に座って頂いている最中に死亡……それは、思い描く限り最高の死に様ですな」
「止めて……!!」
あまりに嫌すぎて、絞め殺される鶏、いや兎? みたいな声が出た。
「トラウマ過ぎて、その後の一生、椅子というものに座れなくなるわ」
「……素晴らしい」
「!!!」
私は息を呑んだ。
間違えた。完全に対処を間違えてしまった。
さっきまで、冥者の死気を食らって生きているような見た目だった宰相が、今や爛々と目を輝かせている。藍色の目が、そんなはずはないのだけれど黄金色に燃えているような錯覚を感じてしまう。
宰相としては最大限の情熱が篭っていると分かる表情で、私をじっと見据えると、
「一生陛下の心の傷となって焼き付き、他の椅子に心を移すことも封じられるわけですな。それはもはや、椅子としての生涯を成就させたと言っても過言ではなく」
「椅子としての一生の満足のために、人としての生涯を棒に振らないで頂戴」
「まあそちらは余興というか、どうでも良いかと」
「どうでも良くないわよ?!」
ねっとりじっとりとした視線に絡め取られて、そこから視線を逸らすことも出来ず、私は叫んだ。
本当に、この椅子は扱いが難し過ぎる。頭が痛い。
(一体どうしろと……どうしたら、もう少しまともな方向に誘導できるの?)
「……ユリウス。私は健康的な椅子が欲しいのよ」
私は額を押さえながら言った。
「ほう? 陛下は椅子が欲しい、と」
「そこだけ抜き出さないで頂戴! 健康的な椅子が欲しいの」
「どうぞもう一回、復唱を」
「私は健康的な椅子が欲しいのよ!」
私は自棄になって言った。
「陛下。私は陛下に全てをお捧げしております」
「貴方それ、言いたいだけでしょう。そうじゃなくて、私の椅子ならば健康でいなさいと言っているの」
「陛下の椅子に対する深い愛を感じますな」
「貴方、ちょっと浮かれてるわね」
私の声音に呆れの色が混じった。
だが、いつまでも振り回されてはいられない。主君として、私はピシリとした命令口調を叩き付けた。
「いい加減、都合のいい部分だけ選んで聞いていないで、私の言うことを聞いて頂戴。今はとにかく忙しいのは分かるけど、きちんと休んで、私を心配させないように」
「陛下のお望みの通りに。しかし陛下、私を休ませたいのであれば、私の上に座って頂くのが一番確実です」
「…………貴方は何を言っているの?」
「そう警戒なさらず。冷静にお考え下さい。陛下が私の上に座っている間、私は何があろうと陛下のご意志を優先いたします」
「……そうだったかしら?」
あやふやに、口の中で呟く。
これは、椅子になる為ならば、どんな詭弁も辞さない男だ。どんなことを言われてもひとまず疑ってかかる必要がある。
でも、実際のところをよく考えてみると、私の椅子になっている間、宰相はほとんど働いていない。私が働けと言わなければ指一本動かさない。それほど全てに椅子を優先させる男だ。
(ユリウスを休ませる為にその上に座る? ……ひょっとして、現実的な手段としてそれは有りなの?)
少し冷静になる時間が与えられれば、「無し」という答えが導き出せたのだけれど。
「陛下。貴方の忠実なる椅子に、稀なる安息をお与え下さい」
悪魔のような男(椅子)はそう言った。
「……いや、おかしいわよね?」
冷静になったときにはすでに手遅れ、という経験は何度めか。多分、十の桁には行っていると思う。
その後、頭を抱えて悔やむことも。
「どうなさいましたか、陛下。兎耳がくったりと垂れておりますが」
「元々ついてないわよ?! 貴方には何の幻覚が見えているの?」
私の居室の安楽椅子を占領し、悠然と座っている男。その上に座らされている私。割と残念なことに、よくある光景なのだけれど。
「貴方を休ませたいのであれば、寝室に行って寝ろと命じるべきだったわよね? 何故またもや貴方の口車に乗って、貴方を椅子にしてしまったのかしら」
「しかし、陛下。十時間の睡眠を取るよりも、陛下を三十分お乗せしている方が、私の体力は回復いたします」
「そんなはずはないでしょう。常識的に考えてみても」
……常識的に考えてみても、非常識な男だったわ。
しかし、そんな、世の理を覆すような現象が起きるわけが……などと私が考えていると、宰相が微塵の揺らぎもない声で言った。
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