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番外
王城用相談箱 〜回答とその帰結〜
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王城とは、国の威容を顕すものであり、権威の誇示であり、司令塔でもある。
だがその一方で、それ自体が小さな世界の縮図でもある。人々はその中で暮らし、働き、食べては眠る。そんな人々のために、「何でもお気軽に相談して下さい『目安箱』」が設置されてはや十年。
どんなささやかな悩みでもきっちり答えてくれる。具体的に解決に導いてくれることも多いとあって、目立たぬ存在ながら、悩める子羊たちの心の拠りどころとなっていた。今日もまた、こうしてお悩み相談が寄せられている……
──────
「相談者:『チェンバーメイドになりたい』さん
最近、困っているんです。
仕事中に貴族の男の人から声を掛けられて、「僕が君の椅子になってあげよう。光栄だろう?」って言われるんです。
よく知らない人だし、身分を考えれば逆らえないし、こちらが逆らえないことを分かっていて言ってくるみたいな態度が透けて見えて嫌です。何より仕事中に迷惑です。
一緒に働いてる子たちは、「玉の輿じゃない! うらやまし~」とか言うんですけど。他人事だからそう言ってられるけど、いざ自分の身に降り掛かったら、全く心底一ミリたりとも羨ましくないですよね? 椅子になったからって、何も将来の約束には繋がらないじゃないですか。
椅子=結婚、みたいな風潮になってますけど、あれは女王陛下と宰相閣下だからこそ成り立つ構図なんで。私たちみたいな一般庶民からしたら、「椅子になったから何なの?」って感じですよね。私はそれよりも、もっと確実な関係が欲しいんです。具体的に言うと、あと三年働いたら地元に帰って堅実な職に就いてる幼馴染と結婚したいです。いいですよね幼馴染って!
だから、自分に酔ってる貴族様に邪魔されてる場合じゃないんです! どうにかならないでしょうか?」
「回答者:『名は明かせないけど誠実に答えるわ』さん
相談有難う。まずは報告だけれど、何とかなりそうよ。
椅子問題に関しての専門家、もとい当事者……とにかく、権威に当たる人物が周囲にいるので、「こんな悪影響が出ているわ、なんとかしなさい」と話を振っておいたのだけれど。
その数時間後には、「椅子に関わる諸問題を解決するための専門家チーム」が結成されたわ。こう書いてみて思うけれど、そんな専門家がいるものかしらね……それも多人数……
とにかく、今頃、貴方のところにも風の噂に乗って届いているかもしれないけど、「身分の差を笠に着て椅子を強要するような悪徳貴族」は一掃されたそうよ。一掃、というのは社交界から数年締め出されたレベルなのか、悪徳労働施設での強制労働か、はたまた国外追放なのか、私にもまだ判然としていないからこれから調べるつもりだけれど、とにかくもう、貴方を悩ますことはないそうだから安心して頂戴。
「椅子になったからって、何も将来の約束には繋がらない」と、常識的な見方ができる貴方はとても貴重な存在だと思うわ。特に、諸悪の根源が国の上層に居る今となっては。
推薦状を書いておいたから、その気があったら女官長の元へ面接を受けに行って頂戴。貴方が納得のいく条件で楽しく働けるように願っているわ。」
──────
「相談者:『椅子って憧れます』さん
こんにちは。聞いて下さい! 私、最近、彼氏ができたんです!
彼氏っていうか、ちょっと前までただの幼馴染だったんですけど、数週間前、想いが通じて恋人同士になったんです。同じ職場で働く子に報告したら、「幼馴染ー!」って、滅茶苦茶羨ましがられました。
なのに、彼氏の態度がちょっとおかしいんです。多分、「理想の椅子になるための集中講座:その五」に行って帰ってきた辺りだったかな? 私が「椅子って素敵♡」って言っていたから、講座を受けに行ってくれてたんです。だってほら、毎日お城で女王陛下と宰相閣下を見てたら。あんなの、女の子なら誰でも憧れるじゃないですか。あんな風に椅子にかしずかれてみたい~!って。
とにかく、彼氏が言うんですよ。『俺には真の椅子になる覚悟が足りなかった……!』『ごめん、俺じゃ理想の椅子にはなれない』って。
そんなことないと思うんですけど。私は彼氏が立派な椅子だと思うし、そう言ってるんですけど、彼氏がどうにも絶望しちゃってて。
私、どうしたらいいんでしょう?」
「回答者:『ちょっと宰相をシメてくるわ』さん
……相談してくれて有難う。
……そうね、私もこの状況はいささかおかしいと思っていたわ。
やたら講座とか開催して、怪しい新興宗教のようなやり口で椅子を広めて回っていて、ある程度広まると今度は「そんなものは真の椅子ではない」と締め付けに走る。椅子になるための認定試験とやらも、今では軒並み難易度が上がっているらしいと聞いたわ。
「一体、何がしたいの?」と黒幕……悪の根源に聞いてみたのだけれど。「初期は、周知の度合いを引き上げることが目的でございました。ある程度広まった以上、今度は『椅子とは誰にでもなれるものではない』という事実を叩き込むのが肝要でございましょう」という返事が返ってきたわ。「この世に至高の椅子はただ一つ、陛下が所有なさっている、そう諸国民に理解させるべき」とも。
『こいつは絶対にシメるべき』と思ったわ。
あの男は椅子としての自尊(したくてたまらない)心がやたら高いのよ。この間も、専門家チームを作って悪徳椅子を取り締まっていたけれど、椅子の風紀の乱れなんか本当はどうでもいい、ただ自分こそがこの世で一番の椅子なのだと主張したいだけなのね。
心から忠告するけれど、貴方も彼氏も、椅子のことはいったん忘れるべきだと思うわ。見た目に騙されては駄目だと…………………見た目? 椅子の見た目? 椅子の見た目って騙されるようなものだったかしら……宰相の椅子になってる姿って、むしろ禍々しさしか感じないのだけれど。心がきれいな人なら騙されて洗脳される……?
とにかく、諸悪の根源をシメてくるわ。あ、ちょうどそこに、というか貴方っていつも背後に
……
(この文書はここで途切れている)」
※二番目の回答は後日書き直されて、改めて掲示されました。
だがその一方で、それ自体が小さな世界の縮図でもある。人々はその中で暮らし、働き、食べては眠る。そんな人々のために、「何でもお気軽に相談して下さい『目安箱』」が設置されてはや十年。
どんなささやかな悩みでもきっちり答えてくれる。具体的に解決に導いてくれることも多いとあって、目立たぬ存在ながら、悩める子羊たちの心の拠りどころとなっていた。今日もまた、こうしてお悩み相談が寄せられている……
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「相談者:『チェンバーメイドになりたい』さん
最近、困っているんです。
仕事中に貴族の男の人から声を掛けられて、「僕が君の椅子になってあげよう。光栄だろう?」って言われるんです。
よく知らない人だし、身分を考えれば逆らえないし、こちらが逆らえないことを分かっていて言ってくるみたいな態度が透けて見えて嫌です。何より仕事中に迷惑です。
一緒に働いてる子たちは、「玉の輿じゃない! うらやまし~」とか言うんですけど。他人事だからそう言ってられるけど、いざ自分の身に降り掛かったら、全く心底一ミリたりとも羨ましくないですよね? 椅子になったからって、何も将来の約束には繋がらないじゃないですか。
椅子=結婚、みたいな風潮になってますけど、あれは女王陛下と宰相閣下だからこそ成り立つ構図なんで。私たちみたいな一般庶民からしたら、「椅子になったから何なの?」って感じですよね。私はそれよりも、もっと確実な関係が欲しいんです。具体的に言うと、あと三年働いたら地元に帰って堅実な職に就いてる幼馴染と結婚したいです。いいですよね幼馴染って!
だから、自分に酔ってる貴族様に邪魔されてる場合じゃないんです! どうにかならないでしょうか?」
「回答者:『名は明かせないけど誠実に答えるわ』さん
相談有難う。まずは報告だけれど、何とかなりそうよ。
椅子問題に関しての専門家、もとい当事者……とにかく、権威に当たる人物が周囲にいるので、「こんな悪影響が出ているわ、なんとかしなさい」と話を振っておいたのだけれど。
その数時間後には、「椅子に関わる諸問題を解決するための専門家チーム」が結成されたわ。こう書いてみて思うけれど、そんな専門家がいるものかしらね……それも多人数……
とにかく、今頃、貴方のところにも風の噂に乗って届いているかもしれないけど、「身分の差を笠に着て椅子を強要するような悪徳貴族」は一掃されたそうよ。一掃、というのは社交界から数年締め出されたレベルなのか、悪徳労働施設での強制労働か、はたまた国外追放なのか、私にもまだ判然としていないからこれから調べるつもりだけれど、とにかくもう、貴方を悩ますことはないそうだから安心して頂戴。
「椅子になったからって、何も将来の約束には繋がらない」と、常識的な見方ができる貴方はとても貴重な存在だと思うわ。特に、諸悪の根源が国の上層に居る今となっては。
推薦状を書いておいたから、その気があったら女官長の元へ面接を受けに行って頂戴。貴方が納得のいく条件で楽しく働けるように願っているわ。」
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「相談者:『椅子って憧れます』さん
こんにちは。聞いて下さい! 私、最近、彼氏ができたんです!
彼氏っていうか、ちょっと前までただの幼馴染だったんですけど、数週間前、想いが通じて恋人同士になったんです。同じ職場で働く子に報告したら、「幼馴染ー!」って、滅茶苦茶羨ましがられました。
なのに、彼氏の態度がちょっとおかしいんです。多分、「理想の椅子になるための集中講座:その五」に行って帰ってきた辺りだったかな? 私が「椅子って素敵♡」って言っていたから、講座を受けに行ってくれてたんです。だってほら、毎日お城で女王陛下と宰相閣下を見てたら。あんなの、女の子なら誰でも憧れるじゃないですか。あんな風に椅子にかしずかれてみたい~!って。
とにかく、彼氏が言うんですよ。『俺には真の椅子になる覚悟が足りなかった……!』『ごめん、俺じゃ理想の椅子にはなれない』って。
そんなことないと思うんですけど。私は彼氏が立派な椅子だと思うし、そう言ってるんですけど、彼氏がどうにも絶望しちゃってて。
私、どうしたらいいんでしょう?」
「回答者:『ちょっと宰相をシメてくるわ』さん
……相談してくれて有難う。
……そうね、私もこの状況はいささかおかしいと思っていたわ。
やたら講座とか開催して、怪しい新興宗教のようなやり口で椅子を広めて回っていて、ある程度広まると今度は「そんなものは真の椅子ではない」と締め付けに走る。椅子になるための認定試験とやらも、今では軒並み難易度が上がっているらしいと聞いたわ。
「一体、何がしたいの?」と黒幕……悪の根源に聞いてみたのだけれど。「初期は、周知の度合いを引き上げることが目的でございました。ある程度広まった以上、今度は『椅子とは誰にでもなれるものではない』という事実を叩き込むのが肝要でございましょう」という返事が返ってきたわ。「この世に至高の椅子はただ一つ、陛下が所有なさっている、そう諸国民に理解させるべき」とも。
『こいつは絶対にシメるべき』と思ったわ。
あの男は椅子としての自尊(したくてたまらない)心がやたら高いのよ。この間も、専門家チームを作って悪徳椅子を取り締まっていたけれど、椅子の風紀の乱れなんか本当はどうでもいい、ただ自分こそがこの世で一番の椅子なのだと主張したいだけなのね。
心から忠告するけれど、貴方も彼氏も、椅子のことはいったん忘れるべきだと思うわ。見た目に騙されては駄目だと…………………見た目? 椅子の見た目? 椅子の見た目って騙されるようなものだったかしら……宰相の椅子になってる姿って、むしろ禍々しさしか感じないのだけれど。心がきれいな人なら騙されて洗脳される……?
とにかく、諸悪の根源をシメてくるわ。あ、ちょうどそこに、というか貴方っていつも背後に
……
(この文書はここで途切れている)」
※二番目の回答は後日書き直されて、改めて掲示されました。
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