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真実と想い
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楓さんとの初デートが終わると、いよいよ帰国する日が近づいて来た。それでも私達の日常は何も変わりなく、私の不安も消えないままだった。
(あっという間だった)
昨日、楓さんに連れて行ってもらったお店で買った両親や職場に持って行くお土産をスーツケースに詰めながら考える。
結局、楓さんが離婚届を送ってきた真意について、未だ聞けないでいた。
楓さんは「契約結婚の目的を達成したから」と言っていた。でも、契約結婚の目的である楓さんの縁談の回避は三年前に達成していた。それなのに今になって「目的を達成したから」離婚したいと言っていた。本当にそんな理由で離婚したいのだろうか。
まだ何かあるんじゃないか。私の為でもなんでもない、楓さん自身が離婚したい本当の理由が。
お土産を仕舞うと、今度は洗濯して畳んだ洋服を手に取る。
(染みにならなくて良かった……)
デートの時に楓さんに買ってもらい、アイスキャンディーを垂らしてしまったワンピースの染みは、帰宅してすぐ洗濯機で洗うと、跡形も無く消えていた。日本から持参した洋服の圧縮袋にワンピースを入れると、形崩れをしないように中に新聞を詰めたパンプスと一緒にスーツケースに仕舞うと蓋をする。
こっちに来て、会話が増えて、デートをして、少しずつ距離が近づいた気がしていた。
それでも、離婚をしたい理由を話す気は無いようで、離婚届や離婚の話になると話題を逸らそうとする。それ以外の事は、答えてくれるのに……。
どうやら、私達の間には、今もまだ大きな溝があるようだった。
スーツケースを部屋の隅に置いた時、部屋のインターフォンが鳴った。
「はい」
マンションの玄関に繋がるモニターには、オフィスカジュアルの格好をしたブロンドヘアの女性が映っていたのだった。
「ジェニファー?」
「そうよ! 会いたかったわ、コハル! 」
熱烈なジェニファーに「あ、ありがとう……」とたじたじになる。とりあえず、ジェニファーを中に通すと、部屋まで来てもらう。
「カエデってば、良い部屋に住んでいるのね。セキュリティもしっかりしているし。パパってば、うちは普通の家なのに、カエデにばかり良い部屋を勧めるのね」
ジェニファーは関心した様に玄関を見渡しながら可愛らしく頬を膨らませたので、私は小さく苦笑したのだった。
「そうなんだ……。それで今日はどうしたの?」
「今日ね。パパの手伝いでカエデも裁判に行ってるの。良かったら、一緒に行かない?」
「裁判って、法廷って事? 行っていいの?」
「大丈夫、大丈夫。傍聴もオッケーの裁判だから。私も事務所用の記録係と見学で傍聴するから。通訳もするし」
「でも勝手に外出したら、楓さんが心配するかもしれないし……」
「それも大丈夫よ! カエデも良いって言ってくれたし、パパも後押ししてくれたし」
「そこまで言うなら……」
勧められるまま支度をすると、ジェニファーと一緒に外に出たのだった。
(あっという間だった)
昨日、楓さんに連れて行ってもらったお店で買った両親や職場に持って行くお土産をスーツケースに詰めながら考える。
結局、楓さんが離婚届を送ってきた真意について、未だ聞けないでいた。
楓さんは「契約結婚の目的を達成したから」と言っていた。でも、契約結婚の目的である楓さんの縁談の回避は三年前に達成していた。それなのに今になって「目的を達成したから」離婚したいと言っていた。本当にそんな理由で離婚したいのだろうか。
まだ何かあるんじゃないか。私の為でもなんでもない、楓さん自身が離婚したい本当の理由が。
お土産を仕舞うと、今度は洗濯して畳んだ洋服を手に取る。
(染みにならなくて良かった……)
デートの時に楓さんに買ってもらい、アイスキャンディーを垂らしてしまったワンピースの染みは、帰宅してすぐ洗濯機で洗うと、跡形も無く消えていた。日本から持参した洋服の圧縮袋にワンピースを入れると、形崩れをしないように中に新聞を詰めたパンプスと一緒にスーツケースに仕舞うと蓋をする。
こっちに来て、会話が増えて、デートをして、少しずつ距離が近づいた気がしていた。
それでも、離婚をしたい理由を話す気は無いようで、離婚届や離婚の話になると話題を逸らそうとする。それ以外の事は、答えてくれるのに……。
どうやら、私達の間には、今もまだ大きな溝があるようだった。
スーツケースを部屋の隅に置いた時、部屋のインターフォンが鳴った。
「はい」
マンションの玄関に繋がるモニターには、オフィスカジュアルの格好をしたブロンドヘアの女性が映っていたのだった。
「ジェニファー?」
「そうよ! 会いたかったわ、コハル! 」
熱烈なジェニファーに「あ、ありがとう……」とたじたじになる。とりあえず、ジェニファーを中に通すと、部屋まで来てもらう。
「カエデってば、良い部屋に住んでいるのね。セキュリティもしっかりしているし。パパってば、うちは普通の家なのに、カエデにばかり良い部屋を勧めるのね」
ジェニファーは関心した様に玄関を見渡しながら可愛らしく頬を膨らませたので、私は小さく苦笑したのだった。
「そうなんだ……。それで今日はどうしたの?」
「今日ね。パパの手伝いでカエデも裁判に行ってるの。良かったら、一緒に行かない?」
「裁判って、法廷って事? 行っていいの?」
「大丈夫、大丈夫。傍聴もオッケーの裁判だから。私も事務所用の記録係と見学で傍聴するから。通訳もするし」
「でも勝手に外出したら、楓さんが心配するかもしれないし……」
「それも大丈夫よ! カエデも良いって言ってくれたし、パパも後押ししてくれたし」
「そこまで言うなら……」
勧められるまま支度をすると、ジェニファーと一緒に外に出たのだった。
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