良くある異世界で幼女は今日も頑張る!

凪 冬夜

文字の大きさ
13 / 51
ウェールズ王国

マサオミ

しおりを挟む

俺はマサオミ、依頼を受ければ何でもやるまぁなんでも屋だ。
今回の依頼は落とし人の拉致。
高額依頼だったから引き受けた。
俺には母親が居て、病気の為の薬にかなり金が掛かる。
本当の母親では無いが、俺にとっては世界で一番大切な人だ。
俺はパレードに合わウェールズ王国へ向かった。
屋根からパレードを見下ろすと小さな少女がニッコリ笑って手を振っていた。

「おいおい、あんな幼子を攫うのかよ…。」
しかし、依頼だから仕方ない。
俺はサッと少女の背後に降り立つと気を失わせ担いだ。
屋根伝いに移動して直ぐに森に入った。

「騎士団も名ばかりだな?こんなに簡単に攫わせるなんてな。」
まぁ、俺には有難いがな。
暫く森を走ると落とし人の少女は目を覚ました。
全く不思議な少女だと第一印象で思った。
攫われたと言うのにかなり落ち着いているし、ちょっと物騒な事も言っていたが…いつでも逃げられるが逃げたら俺が怒られるから逃げないと言う少女。
笑いが堪えられなかった、直ぐに連れて行くつもりだったが俺は何故だか野営をする事にした。
もう少しこの少女と一緒に居たいと思ってしまったのだ。
しかし、野営の予定も無かったから食料も無い。
俺は森に入って狩りをしてくる事にした。
逃げちゃうかもよ?と言う少女に逃げないんだろ?と言えばニッコリ笑っていた。
なんだろうか?この胸の辺りがほっこり暖かくなる感じは。
俺は直ぐにボアを狩ると少女の元へ戻った。
ちゃんと木の根に座り待っていた少女に頬が緩んだのは秘密だ。
しかし、こんなチビが落とし人様だとはな。
俺は肉を何やら弄っている少女を後ろから見ていた。
あいつら、コイツをどうするつもりだ?

「出来た!これを焼いて…あっ!」
石に躓いて転びそうになった少女を慌てて助けた。

「大丈夫か?危ないからちゃんと足元みろ。」

「ありがとう!」
ニッコリ笑う少女に俺も口元を緩めた。
まぁ、マスクで見えないがな。
少女を助けた手を見つめてハッとする。
俺が助けた?依頼のターゲットを?
不思議に思いながらも肉を焼き始めた。
少女はお腹が空いたのか火に近付こうとするのを危ないと注意したり、ウロウロ興味を引かれるままに動き回る少女を止めたり忙しかった。

「お前、もうちょっとジッとしてられないのかよ。」

「だって!見た事ない物がいっぱいあるんだもん!それに私はお前じゃなくてサクラ!」
小さな胸を精一杯はって得意気に言うサクラを可愛いと思ってしまった。
サクラは知らぬ間に敵を懐柔していた…ここにまたサクラの保護者が誕生したのだった。

「肉が焼けたぞ、飯にしよう。」

「わーい!」
一緒に木の根に並んで座って肉にかぶりつくサクラ、俺も1口食べて固まった。

「美味い…。」

「でしょ?お肉も新鮮だし、塩と胡椒だけでこんなに美味しくなるのよ。」
モグモグと頬を膨らませる程頬張るサクラは小動物の様だった。

「ほら、頬っぺに肉汁が付いてる。」
拭ってやると二ヘラと笑ってお礼を言うサクラ。
この依頼…バックれたら駄目か?
暫くゆっくりした後、またサクラを抱いて移動したあと、日も暮れて来た所でまた野営する事にした。
こうして夜は更けて行った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

今更……助けてくれと……言われても……

#Daki-Makura
ファンタジー
出奔した息子から手紙が届いた…… 今更……助けてくれと……言われても……

異世界に行った、そのあとで。

神宮寺あおい@1/23先視の王女の謀発売
恋愛
新海なつめ三十五歳。 ある日見ず知らずの女子高校生の異世界転移に巻き込まれ、気づけばトルス国へ。 当然彼らが求めているのは聖女である女子高校生だけ。 おまけのような状態で現れたなつめに対しての扱いは散々な中、宰相の協力によって職と居場所を手に入れる。 いたって普通に過ごしていたら、いつのまにか聖女である女子高校生だけでなく王太子や高位貴族の子息たちがこぞって悩み相談をしにくるように。 『私はカウンセラーでも保健室の先生でもありません!』 そう思いつつも生来のお人好しの性格からみんなの悩みごとの相談にのっているうちに、いつの間にか年下の美丈夫に好かれるようになる。 そして、気づけば異世界で求婚されるという本人大混乱の事態に!

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。

蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。 これで、貴方も私も自由です。 ……だから、もういいですよね? 私も、自由にして……。 5年後。 私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、 親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、 今日も幸せに子育てをしています。 だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。 私のことは忘れて……。 これは、すれ違いの末に離れ離れになった夫婦の物語。 再会したとき、二人が選ぶのは「離婚」か、それとも「再構築」か。 妻を一途に想い続ける夫と、 その想いを一ミリも知らない妻。 ――攻防戦の幕が、いま上がる。

どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~

涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

婚約破棄された芋女ですが、北で砂糖を作ったら王国が甘くなりました

ふわふわ
恋愛
「芋女に王妃の座は似合わぬ」 王都の舞踏会でそう告げられ、婚約破棄された公爵令嬢シュガー・ビート。 甘味は南国からの超高級輸入品。蜂蜜も高価。生乳は腐り、硬いパンしかない世界。 王都で“スイーツの出せるカフェ”など不可能――それが常識だった。 傷心のまま北の領地へ戻った彼女は、そこで気づく。 寒冷で乾燥した気候。天然冷蔵庫のような環境。 そして、てんさいという「甘くなる根菜」の可能性。 転生前の化学知識を武器に、てんさい糖の精製に挑むシュガー。 やがて白砂糖の製造に成功し、さらに自作の膨張剤で“ふわふわのパンケーキ”を生み出す。 硬いパンしかなかった世界に、ふわふわ革命。 安価で安定供給できる北糖は王国経済を塗り替え、 かつて彼女を追放した王都は、今やその甘味なしでは立ち行かなくなる。 「王妃にはなりませんわ。私は甘味の設計者ですもの」 王冠よりも自由を選び、 “北のお菓子の国”を築き上げた令嬢の、爽快経済ざまぁ恋愛譚。 甘さは、諦めなかった者の味。

処理中です...