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 学校の倉庫で、自分から足を開いて先輩に身体の奥を見られている。夢の中じゃなければ絶対に有りえない恥ずかしい状況に、けれど私は心のどこかでまだ目を覚まさないよう願っていた。

 先輩の二本の指が突起を包む皮を左右に開いて、ぷくりと膨らんだそれを剥き出しにする。自分でも存在に気付かなかった器官が何ていう名前なのか知ったのは、ほんの数分前。

「……そういえば、名前まだ聞いてなかった。なんていうの?」
「ぁ、明里です、明里未央……」

 未央、と。先輩が唇の動きだけで名前を呼ぶ。恋人になってから名前を教えるなんて、完全に順番がおかしい。まだデートすらしていないのに、こんな風に潤んだ粘膜をさらけ出して、好きに触られているのも。

「未央のクリ、小さいね。まあ触られてる内に育つかもしれないけど」

 充血し始めた突起の先っぽに、体温の低い指先が触れる。滑らないようぴったりと皮膚を押し当てて、くにくにと柔らかく力を込められると途端に腰が跳ね上がった。

「んッ……♡ っあ、だめ、ぇ」
「次に駄目って言ったらやめるよ」

 淡々とした声に牽制されると、それ以上拒む言葉が出なくなる。脅すような乱暴な響きじゃないのに、魔法みたいに思考を戒められて、言うことを聞かないとと考えてしまう不思議な声。

「ご、ごめんなさい……っ、んんっ、き、気持ちいいです……♡」

 内腿が勝手にびくびくと震える。くすぐるような微細な動きで円を描く指が、つんと硬くなった突起を不意に指の腹で挟み込んだ。濡れて滑りそうになる芯を逃げられないよう固定して、こりこりと押し揉むように転がす。

「あ、ぅぁッ♡」

 神経を直接弄られているみたいだった。今まで知らなかった気持ちのいい痺れがじんじん広がって、蕩けた声が止まらない。

「教える必要ないくらい感じてるじゃん、本当にこういうことしてないの?」
「し、してな……ぁっ、いです……、こんなの、知らな……っ♡」
「じゃあ、生まれつきやらしいんだ」

 冷えた指摘が心に爪を立てるのと同じタイミングで先端をぐりと抉られて、足先がぎゅうっと丸まった。

「あ”ッ……」

 一瞬、意識が飛ぶかと思った。ぎりぎり痛みに届かない快感が駆け抜けて、押し寄せる波に攫われそうになる。突然のことについて行けずに目を見開いたまま身を震わせると、赤みを帯びたそこに軽く息を吹きかけられて。

「んん、んッ」
「痛かった? ごめんね、少しやりすぎたかも」

 その刺激ですら感じすぎてしまうほど過敏になった突起に、先輩が視線を注ぐ。主張の少ない整った顔を寄せて、包皮を割り開くように充血した雌芯を矯つ眇めつ見ると、唇を薄く開いた。

「あとは、気持ちいいことだけしてあげようね」

 赤い粘膜から舌先が覗く。さっき、初めてのキスをした時みたいに。それが何を意味しているのか気付いた瞬間、心を掠めたのは本能的な恐怖だった。
 だって、指だけでもこんなに気持ち良くなってしまったのに、これ以上はおかしくなるかもしれない。わかっていても、期待する気持ちはもっと大きかった。口腔に触れた先輩の舌。熱くて、柔らかくて、ぬるぬるして。あれが突起に触れたらと思うと身体の奥が熱を帯びて、広げられた入り口から蜜が溢れるのがわかった。きっと、先輩も気付いている。人差し指が、からかうように泥濘をすくったから。

「あ……ッ」

 やがて湿った吐息すらかかるほど口元が近付いて舌が差し出された時、私は思わず瞼を閉じた。
 濡れた質量が先端を掠める感触に微細な波が背中を走って、中が無意識に締まる。あ、と思う間もなく、小さな突起は粘膜に包まれた。
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