絶対神の異世界チートハーレム無双!?

guju

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「これは酷いもんだな」

ゼロは奴隷達を見回りながら、小さく呟く。

盗賊たちに誘拐されて売られたものが殆どの性奴隷では、輸送時や保管時の手間を省くために、薬漬けにしてしまうことが多い。

それに、依存性の発生により、まともに生きていくことが不可能になりやがて死ぬ為、万一逃げ出したとしても口封じの手間が省けるからだ。

「あぅ……あぁ……」

口を半開きにし、唾液を垂れ流しながら呻き声をあげるものが殆ど。
どうやら、この世界に流通している薬はほとんど同じ種類のようだ。

「碌な奴隷がいない」
「あ……そ」
「ん? どうかしたか 」
「いえ、なんでも」

ルーシェは心の中で、そっちかと突っ込んだ。
酷いとは、扱いのことかと思ったが、質のことだったのだ。

「いや、案外そうでも無いかもな」

ゼロはその場に立ち止まる。
この奴隷屋で奴隷を見て、初めて立ち止まった。

「こいつの詳細は? 」

先程から距離を少し開けて後ろからついてきていた、おそらく職員にゼロは訊ねる。

「彼女は、リル。傷だらけだった所、その容姿から盗賊達が捕獲しこちらに売り流してきたと……。怪我の様子から薬漬けにされておらず、性奴隷の中ではかなり高価なものです」
「そうか、こいつは話せるのか? 」
「えぇ、お話ください」

ゼロはルリという名の魔族に声をかける。
彼女の手は小刻みに震えており、恐怖を感じている。

「な、なんで……しょうか」
「お前、何が出来る? 」
「私……は、魔物使い。魔物と……話せます」

ほうと、目を尖らせる。
見たところ、既に完治しているのか怪我は見当たらない。

容姿故に、値段を釣りあがると踏んだ奴隷屋が治療したのだろう。

「ルーシェ、魔物使いは魔物と話せるのか? 」
「いえ、聞いたことないですけぇ凄い逸材かと」
「そうか……リルと言ったな? 料理は出来るか? 」
「でき……ます」

ゼロは、パチンと指を鳴らす。

「決めた、こいつを買う」
「了解致しました。では、エントランスでお待ちください」

後ろにいた人物が丁重に頭を下げた。
ゼロは、その男の横を通り抜け来た道を引きかえす。
ルーシェはゼロの後ろからついて部屋から退室した。




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