いつかまたおなじ空のしたで

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朝起きるとレヴィと目が合った。昨日の事を考えながら眠った私は今日は寝覚めがいい、レヴィに思い切り抱きついておはようをした。レヴィもにこにこだ。
トリスはといえばすでに支度を終えて食堂でお茶を飲んでいた。
「おはようー」
機嫌がいい2人を見てトリスも上機嫌なようだ。
どすどすとロドリーさんが起きてきて「おはやいですなはいー」なんて言っている。
ここの店主はおやじさんで、奥さんと娘さんが給仕をしていた。
「辺境な町なもんでね!朝なんてこんなもんだよ!」
奥さんが大皿のサラダに炒め物とスープ、それとパンをドカドカともってくる。
え!??こんなに?
昨日の夕飯はなんかかしこまった料理でたような気がしますけど、、なんて思ったけど、食べたら美味しいから!これはこの量終わるよ!
「はぁ、、ごちそうさま、、」
「はいよ!おそまつさま!」
食べ切った私たちをみて奥さんも嬉しそうだ。
「おばさん、犬の毛皮とか売りたいんだけど、道具屋さんてあるかな?」
私がきくと
「そういうのはロドリーのだんなにきいとくれな!」
言われてしまった、確かにそうだ。
「ロドリーさん、いいお店ありますか?」
「もちろんですはいー、後でご一緒しましょう!」
ありがたい。
「よろしくおねがいしますね」
トリスもつけくわえる。
「ありがとう!それじゃあ後で!」
部屋で売る物を選別して食堂におりるとロドリーさんはすでに待っていた。
「お待たせしました」
トリスが優雅に謝罪する、私たちも慌てて「お待たせしました!」なんて言う。
「いえいえ、このくらいしかご恩返しは出来ませんからはい」
ロドリーさんは変わらない。こんなんでほんとうにやりての商人なんだろうか?なんて疑ってしまう。
小さな町といってもここは割と賑やかだった。もうすぐ先が魔族領だという事もあってか人がたまっているんだろうと思う。
ほどなくロドリーさんご贔屓の道具屋についた。
カランカラン。ドアに付けられたベルが店内に来客を伝える。
「いらっしゃい!」
店主と思しき初老の男がこちらに目を向けて言った。
「こんにちはー」
ロドリーさんがカウンターに向かって言うと、それを見て初老の男の表情が柔らかくなった。
「ロドリーさん、いらっしゃい!お速いおつきですなー」
1日早い計算らしい。やっぱり店主だった男はこちらに目を向けて尋ねてくる。
「そちらは?」
「素材をお持ちだそうで、買い取りをお願いできますか?」
ロドリーさんが通訳してくれた。
「これです」
レヴィが売り物として選り分けた物をポーチから出す。
カウンターに出したのはイノシシと犬の毛皮、あと牙だ。
「ほうほう!これはファングボアとシルバーウルフ!なかなかのもんじゃないか!」
ロドリーさんが「さすがですはいー」なんて付け加えて言う。
は?イノシシと犬じゃ?
「えっと、イノシシと犬の素材ですけど、、?」
ファングボアって魔獣じゃない?そんなのいなかったはずだけど、、。
前の街の道具屋でだってイノシシと犬だって言ってたし。
「いやいや違いますよ!?この牙、内側にスジがありますでしょう?これはファングボアの牙です。毛皮も間違いありませんよ?はいー」
え、、、
「こちらの毛皮も、毛が白い部分が多いでしょう?これは冬毛に変わりかけたシルバーウルフの特徴ですよ!はいはいー!」
なんてこと、、街の道具屋はそういう事知らなくて、私たちがイノシシと犬って言ったからそれで買い取りをしたんだ、、。
「んー、、これほどだと、、買い取りはこのくらいになるな!」
カウンターに出された銀貨を見て私たちはちょっと目眩がした気がした。
剥ぎ取りに失敗した毛皮も片方がちょっと欠けた牙もある、、路銀の足しにくらいに思っていた買い取り額は、、前の街の3倍だった。
がっくりと肩を落とす私に店主が言う。
「まあまあ、嬢ちゃん!これだけの腕なんだから剥ぎ取りが上手になれば、、、そうだな、5割り増しの値段になるよ!」
まじか。私は座り込んでしまった。
後から聞いた話では、トリスとレヴィはそんな私を見ている事しか出来なかったらしい。
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