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しおりを挟むこの剣を持ったまま抱きつかれ続けるのはさすがに危ない。
「はいはい、自慢の我が弟子よ、離れるがよい」
はっ!となって離れて鼻をかむアリア。
観ていた2人に感想を聞いてみよう。
「2人は観ててどうだった?」
マキナはへたり込んだみたいでレヴィにベンチに座らされていた。
「うんうん!かっこよかった!」
レヴィは上機嫌。
「わ、私は、、副隊長が本気なのは初めて観たので、、ただただ圧倒されました、、、」
「え?アリアは本気じゃないよ?ねぇ?アリア」
「あははは!手合わせですからね!それに剣もこれじゃあちょっともう、、刃こぼれどころか板になっちゃいますよー、、あははは」
「うんうん!」
レヴィは分かってるさすがだ。
「アリア、私の剣はまだまだ頑張れるけど?」
言うとみんなに剣を見せる私。
「え、、、、」
固まるアリア。
「えっ?師匠?これって、なんで?」
私もそうだった。
アレスをめった打ちしていた時は剣が板みたいになった。
これを脱出するにはたぶん3年は掛かる。
それを私は知っている。
だからアリアはまだまだ強くなる事も知っている。
今私の目の前で落ち込んでいるアリアは私並みに強くなる!
「師匠、、私、だめ?がんばったけど、これ以上はだめかな?、、」
「ねぇアリア、アリアは私のあげた剣を振れるようになってから、何年目?」
えっ、て目をあげるアリア。
「えっとぉ、最初の間合いのやつを木剣で出来るようになるまでが1年半くらいで、、」
「うん」
「貰った剣は重たかったから、筋トレとかしながらやってー、、」
「うんうん!」
レヴィも友達の成長が楽しくて仕方がないみたい。
「あの剣でちゃんと間合いが計れるようになったのは隊に入った時だから、2年ちょっと前くらいかな」
「その時にキメラと戦ったんだよね?」
「うん、、でも油断しちゃって、この通りだよー、、うー、、」
項垂れるアリア。
「秘密を教えよう!」
ギャン!
アリアが私の横に座る。
「アリア、私はね、3年経っても剣が板になったよ?」
「え、、、、」
目をまん丸にするアリア。
「つまり」
「つまり?」
アリアがごくりと息をのむ。
「つまり!アリアの方が成長がはやい!」
「ええー!!」
「うんうん」
「師匠が、、そうだったんだ、、、」
「だから、これからもがんばろう?」
「うん!私!昇進します!!」
「わ、私も!がんばります!」
マキナもやる気だ。
「みんながんばろー!」
私に抱きつきながらレヴィも叫ぶ。
「それじゃあ、副隊長さんは隊長さんとスケジュールよろしくね!」
「!」
びくっとなるアリア。
「マキナ!隊長のところいくよ!」
「はい!」
ぱたぱた、、、、。
行ってしまった。
また置いてけぼりだ。
私達が詰め所から出るのに迷子になったのは言うまでもなく、人がいたら道をきいて迷って道を聞いて、詰め所を出る頃には夕方になってしまっていた。
素材を売るのは明日にしよう。
くたくたで宿に帰り着くとすでにアリアが待っていた。
「おばさん!帰って来たからごはんお願い!」
「あいよ!2人共遅かったね?買い物かい?」
なんて言われた。
迷子でしたなんて言えない。
レヴィと2人で顔を見合わせるとなんだか面白くなってきた。
「あははは!」
「ふふふっ!」
「?」ってなるアリアそっちのけでごはんが来るまで笑っていた。
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