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しおりを挟むおじさんがダッシュで私に斬りかかる。
それを合図にみんなが間合いを合わせて動く。
「っ!」
しまった!捨ててない!フェイントだ!
「レヴィ!避けて!」
「えっ?!」
「そりゃよ!」
レヴィは急には止まれない。
「ぐっ!」
ロングソードの柄を溝落ちにくらう。
1人減らす作戦か!
おじさんはそのまま剣を弾くと頭突きからの2段蹴り、そして後ろ回し蹴りでレヴィを壁にぶち当てる。
ガラガラと崩れる瓦礫にうずまるレヴィ。
「なんだよ!くそぅ!」
私は剣を出して杖をしまいながら叫ぶ。
「俺の背中を見ておいてその程度ってか?」
ぴくりとレヴィの指が動く。
よかった、一応無事だ。
「よくもレヴィをおー!」
ひとつ捨てて斬りかかる。
おじさんもおんなしだ。
ギギン!
「は!こうなるってわからねぇかな?!」
おじさんは八相に切り替えて流すついでに私の腕に3撃入れてくる。
これは避けれない!
血しぶきがあがって「どさ」っと芝生に落ちる私の左腕。
「うっ!」
「わりぃわりぃ!あんまり遅いもんだからよ?当てちまったぜ!はははは!」
またカラカラ笑う。
「ウゥェイィ!」
バックステップで逃げるおじさん。
でも届いてる。
すっと胸に傷が付いて血が滲んで滴る。
「、、やるじゃねえか、、。その調子で頼むぜー!?」
またひとつ捨ててくるおじさん。
私は捨てずに突きからの斬り上げでいく。
セオリー通り。おじさんは八相からの真っ向斬り下ろしだ。
けど私のほうが速い。
ギギン!
うそ!?
流された?
また血しぶきが上がる。
「くっ、、、!」
くそう、右の手もぷらんぷらんだ。
左腕はそろそろ再生が終わるけどまだ剣は握れない。
「ここまでか?あっけねぇもんだなあ?」
私はかろうじて「持っている」剣を向けようとしたけど、その前におじさんの斬撃が飛んできた。
「おりゃあ!」
「きゃあっ!」
やばいやっぱり強い。
おじさんが構え直す。来るのは8連撃だ。だけど分かっててもかわせない、後ろの瓦礫にはレヴィがうまっているんだから。
「うあーっ!!」
8連撃を受けながらおじさんに向かって走る!
でもがしっ!と首を掴まれた。
「姉ちゃんよぉ。もっと色々あんだろうがよぉ。その牙は飾りか??」
ちらっと、おじさんが首筋を見せる仕草をしたように感じた。
「ん?おしまいかぁ?」
私の耳に口を近づけてくる。
そして。
「今だ」
ぽそりと呟いた。
私は「はっ!」となっておじさんの首筋に齧り付いた。
「ぐああっ!!」
齧り付いたら離さない!
「くそう!よせ!やめろおー!!」
ごくごくとおじさんの血をすう私。
すごい速さで腕も体も回復していく。
私はほんとうに頭悪い!こういう事だったんだ!
血を吸われてぐったりしているおじさんの口をこじ開けると、私は自分の手首を噛みちぎって血を飲ませた。
「うぐっ!」ってうめいて倒れてもがくおじさん。
バンパイヤの血は他の生き物をバンパイヤに出来る。
このまま庭でバンパイヤになればお日様に焼かれておしまいだけど、、。
私はおじさんをずるずる引っ張って屋敷に運ぶとレヴィを瓦礫の下から救い出す。
気絶してるだけっぽい。よかった。
レヴィをお姫様抱っこで運んでベッドに寝かせる。寝かせてから気がついたけど、思いの軽傷だ。おじさんの手加減だろう。
まだ起きないレヴィに毛布をかけてからおじさんのところに向かう。
おじさんはもう起きていて、私が目に入ると親指を立てて見せる。
えっ??
「上手くいったな!」
「はあ、やっぱりね、、、」
がっくりと肩を落とす私におじさんはにっこり笑った。
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