いつかまたおなじ空のしたで

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急いで、でも静かに着替えをする私達。
フルプレートは飾られていた場所に戻してスフィのメイド服は暖炉で燃やして証拠隠滅だ。
それからスフィには私の指輪を貸して姿を変えてもらう。
しばらく馬車は使えないから歩きになるけど我慢してもらおう。
街の門辺りでは兵士達が慌ただしくしていた。
私達は通行証を見せてさっさと街を出た。
「長旅になるけど、がんばってね」
「うん。新天地なんて楽しみ！」
スフィは健気だ、おじさんが心配でたまらないだろうに。
野営の時にスフィは壁も屋根もない場所で寝た事がないらしく私達の作ったベッドにびっくりしていた。街道を歩いて進む道中、しばらく昼間眠たそうにしていたのは慣れないベッドで寝付けなかったためらしい。おじさんの石の「管理」（持って歩くだけだけど）を任せたらちょっと安心できたみたいで眠れるようになったと後で教えてくれた。
野営が何日も続くといつもおなしごはんなのに飽きて来たみたいでスフィ自らごはん当番を申し出てきた。
逆に「毎回同じメニューで飽きないの？」って笑われたけど「ううん」って首を振る私とレヴィにちょっと呆れた様子だった。
「楽しく食べたらなんでも美味しい」ってレヴィが言ったら「あー確かに！」って目をまん丸にしていた。
復興中のランジー領都をスルーして、ラシバル達の町に着く頃には私とレヴィも見様見真似で色々なメニューが作れる様になっていた。
「よっすー！」
今日の門番はラシバルだった。
「やっほー！」
レヴィはほんと遠慮ないな。
「師匠、また野宿か？」
私の首筋あたりに顔を近づけてラシバルが言う。
「え？どうして？」
質問に質問で返しちゃったけど、ラシバルはひどかった。
「くさい！あはははっ！」
これにはスフィも含めて3人でグーを作ってぶっ飛ばす！のポーズをした。
ラシバルは頭を抱えて「やめて！」をするけどすぐにまた笑う。
そりゃあ何日もお風呂はおろか水あびすらしていない。臭くって当たり前だ。
「あははは！」
ぺん。ぺん。ぺん。
「いて！いて！あははは！」
「あーもー！お風呂ある宿！すぐ行くよー！」
「はーい！」
「うん！」
ラシバルに鼻をつまむ仕草をされながら、私達も笑いながら宿に走った。