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多少の責任を感じないでもない。ほんのちょびっとだけな!
「あ、ちょっ、兄さんズルい! ディーは俺が抱っこする!」
「いや、やめろや愚兄。自分で歩けるっての!」
あ、素が出てしまった!
「はっはっは、大丈夫。お兄ちゃんは鍛えているからな! ディーは羽のように軽いぞ~?」
「そういうことじゃないっての! 恥ずかしいこと言うな!」
「それにな? お兄ちゃんは今。この場からさっさとディーをうちに連れ帰りたい。後で怒られてあげるから、大人しくしてくれ。愚弟よ、周囲の警戒を怠るな」
「チッ……仕方ないな。よし、邪魔した連中を思う存分ボコることにしよう」
「……はぁ、もう……それじゃあ、さっさと帰る」
「ふふっ、ディーは拗ねた顔も可愛いなぁ。馬車でおやつ食べようね? なにがいい? プリンもあるよ? 馬鹿共の相手は疲れたでしょう?」
「ディー、お兄ちゃんはビスケット持ってるぞ? あ~んしてあげよう」
「要らんわ」
全く、この……妹を溺愛する生物共は! シスコン一号。または愚兄その一こと、長兄。シスコン二号。または愚兄その二こと、次兄。
わたしの身体が少々弱いばかりに……
小さい頃は、身体を動かすのが好きな長兄に引っ張り回されてちょい瀕死になり掛け、無駄に好奇心旺盛だった次兄にそこらの薬草(量を間違うと毒になるやつ)を食わされてちょい死に掛け……愚兄共の言い分は各々、「身体鍛えれば元気なると思った」、「あの葉っぱ、食べれば元気になるって図鑑に書かれてたのに」とのこと。
一応、わたしのことを思っての行動だったそうだが……まあ、両親や親族達にブチ切れ説教をしこたま食らったらしい。「妹はもっと大切に、優しく扱いなさい!」と。
その結果。過保護且つ、めっちゃどアホなシスコンになってしまった。多少の責任を感じないでもない。ほんのちょびっとだけな!
コイツら、未だに独身だし……
「ビスケットは却下です。まずは、温かいお茶でお身体を温めて喉を潤すべきです」
「そうだねぇ? 君はよく気が利くなぁ。どう? 俺と結婚したら、洩れなくディーが義妹として付いて来るけど」
「……それは、なかなか魅力的なお誘いですね」
「え? なにそれ? 愚兄その二! いつから? いつからそういう関係?」
「え~? 内緒♡ディーも、彼女がお義姉さんになったら嬉しい?」
「や、そこはわたしの意見など関係無いところだろうに?」
「いや、ディーと相性の悪い女は家に入れられないからな」
「だよね~? だってほら? ディー、出戻る気満々でしょ?」
「それは……少し申し訳ないと、思っている」
「気にするな。さあ、帰るぞ」
と、我が家の馬車へ乗せられた。
こうして、わたしは我が家所有の別荘で快適に三年間を過ごした。結婚相手とは、顔を合わせた覚えがないな? なんでも、結婚相手はわたしの翻訳した児童書(騎士の冒険譚)の大ファンだとか。
是非会いたいという手紙が来てたらしい。まあ、わたしは一度も目にしてないのだが。愚兄共が妨害していたのかもしれん。知らんがな? そういう事情を一切無視して、我が家は外国への移住に無事成功。
そして、シスコン二号こと愚兄その二は……わたしの侍女を口説き落として結婚しやがった! おめでとう!
まあ、それはめでたいのだが……
「なぜ、君はわたしの侍女を続けている?」
「? え? 旦那様より、お嬢様の方が大事だからですが」
しれっと真顔で返されてしまった。これでいいのか? 愚兄その二?
ちなみに愚兄その一は、まだお嫁さん募集中だ。とりあえず、自分が気になった女性に妹を可愛がることを強要するのはやめさせたいところだ。
だから、女性達から敬遠されてることにいい加減気付け!
――おしまい――
✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧
読んでくださり、ありがとうございました。
めっちゃ影の薄い旦那。(((*≧艸≦)ププッ
白い結婚系での冷遇はよう見る話ですし、病弱故に目を付けられて……というのも、見たことあるのですが。ぶっちゃけ、病弱で冷遇受けたら死ぬぞ? と、思います。
書いてる奴もまあまあのもやしなので、物語的な酷い冷遇や嫌がらせ受けたら、多分一週間くらいで死ねる自信がありますよ? 身体弱いと、食事を何度か抜いただけで諸に体調に影響出ますし。(੭ ᐕ))?
健康な人でも身体が弱るのに、病弱なら絶対耐えられんだろ、と。なので、冷遇は殺人未遂だとハッキリ訴える主人公ちゃんが浮かびました。( ・`д・´)
例の如く、他サイトではヒューマンジャンルの話です。一応、恋愛してる人達はいる……よ? ということで。(;´∀`)ゞ
おまけ1。
侍女「ああ、お嬢様の元旦那様とその恋人がどうなったか、ですか? そうですね……恋人の方は、一瞬だけお嬢様方のご兄妹になられましたよ」( ◜◡◝ )
「どういう意味かというと、まず恋人の方をお嬢様ご一家の養子にされて貴族籍にお入れしました。その後、養子にした恋人の方へ爵位を継承。そして、お嬢様ご一家が貴族籍を抜ける……と。こうして、お嬢様ご一家は無事爵位継承を終え、平民として母国から現在在住の国へ移住されました」( ◜◡◝ )
「元旦那様と恋人の方は、貴族当主同士でご結婚されたらしいですわ。まあ、お嬢様ご一家を他国へ流出させた原因として、相当肩身の狭い思いをされているらしいですが。自業自得ですわね」( ◜◡◝ )
「お嬢様は、ご興味が無いのでなにも知らないと思いますわ。いつも、お好きな作家さんの作品や翻訳のお仕事のことで瞳をきらきらさせていらっしゃいますもの。大変お可愛らしいですわ」(*´艸`*)
おまけ2。
ディステル「うん? わたしの口調が男っぽい理由? 愚兄共の影響と……そうだな。あれだ。小さい頃は、今よりも体力が無くてな。長く喋っていると息が切れたんだ。だから、端的に話すのが癖になっているのだろう」ꉂ(ˊᗜˋ*)
ディステル……ドイツ語でアザミのこと。
アザミの花言葉……独立、報復、厳格、高潔、わたしに触れないで、安心、満足などなど。
ディステルの名前を決めてから気付いた。前回短編の主人公と愛称が同じ……まあ、あっちのディー(ディアナローズ)とこっちのディー(ディステル)は別人です。(*ノω・*)テヘ
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