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警邏隊員レットの場合。
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「ちょっと、そこのあなた達」
「なんだよお嬢ちゃん」
メリーベルに答えたのは、軽薄男その一。しかし、メリーベルが用があるのはこの男達ではないのだ。
「あなたではありません。そこの令嬢の方です。あなた、恥ずかしいとは思わないんですか?」
「え?」
いきなり年下の、貴族と思しき可愛らしい少女に話を振られ、きょとんとする令嬢。
「大体、このような、見るからに甲斐性が無さそうで、飲む、打つ、買うの三拍子を実行してそうな、軽佻浮薄でクズ臭漂う男性を頼ろうなどとは、目がおかしいのではありませんか? それとも、弱いのは頭の方でしょうか? どうせ、そちらの方二人にはあなた方の助けになるつもりなど端からなくて、不埒な目的に決まっていますよ」
ビシッと胸を張って令嬢へ言ったメリーベルへ、
「なんだと、このガキっ!?」
クズ(仮定)男二人が怒り出す。
「五月蝿いですね。わたしは今、そこの令嬢へ、不埒男共へ付いて行く危険性を説いている最中です。邪魔しないでください」
メリーベルの言葉へ更に激昂する男。
「言わせておけばっ!?」
と、男は拳を振るおうとした。
「ケイト。黙らせて」
「はい」
メリーベルの命令で、ケイトは拾った小石をスカーフに包んで用意した即席の鈍器を男達の頭へと振るった。ガツン! ゴツン! と、鈍い音が二回。そして男二人がバタンと地面へ倒れ、
「キャーっ!?」
令嬢の悲鳴が上がった。
「やはりクズではありませんか。いいですか、あなた達は、この二人へ外国へ売り飛ばされていたかもしれないんですよ? 全く・・・」
メリーベルが呆れながら親切に教えてあげると、貴族令嬢とその侍女は抱き合って泣き出した。そこへ、
「警邏隊参上!」
レットが駆け付けた。
※※※※※※※※※※※※※※※
警邏隊詰め所の取り調べ室にて。
「というワケです」
「はぁ・・・まあ、事情はわかったっす」
レットは、未だに泣きじゃくっていて取り調べにならないどこぞの元貴族令嬢に変わり、淀みなく説明をする小さな少女を見下ろす。
「お嬢さんは、フォリン子爵令嬢メリーベル。で、そちらさんがフォリン家侍女のケイトさんっすね」
「フォリン、元子爵でしょう」
毅然と答えるメリーベル。
「わたしも、本日よりメリーベル様個人に雇われている侍女となります」
そして、淡々と答えるケイト。
「? どういうことっすか?」
首を傾げたレットへ、
「フォリン家にはもう、ケイトのお給料が払えなくなるので、今日からわたしが個人的にケイトを雇うことにしました」
メリーベルが胸を張る。
「・・・メリーベル嬢は確か、十歳っすよね?」
末恐ろしいと思いつつ、
「はい。先月で十歳になりました。子供が侍女を雇用するのはいけませんか?」
レットはつんと澄まして答える妖精のような小さなレディを見下ろした。
所謂、天才と称される類の少女を。
メリーベルの言う通り、ケイトが倒した男二人は隣国の女衒だった。あの、元貴族令嬢を隣国へ連れて行って売り飛ばす予定だったという。そういう風に話が付いていたらしい。
「悪くはないっすけど、なぜ彼らが外国へ彼女らを売り飛ばすと思ったっすか?」
「隣国の訛りがありましたから。それに……」
「それに、なんすか?」
「父が後ろ暗いことをしていましたので、そんな気配がしたような気がしました」
「成る程、直感っすねー」
レットはメリーベルに頷いた。
「まあ、連中は本当にクズ野郎共だったんで、メリーベル嬢とケイトさんにお咎めは無しっすけど、やり過ぎには気を付けるっすよ? 彼らがもし死んでいた場合、過剰防衛もいいとこっす。そうなった場合、メリーベル嬢は修道院へ、ケイトさんは刑務所行きだったかもしれないっすからね」
「ご忠告に感謝致します。レットさん」
メリーベルは、レットへ頭を下げた。
「なんだよお嬢ちゃん」
メリーベルに答えたのは、軽薄男その一。しかし、メリーベルが用があるのはこの男達ではないのだ。
「あなたではありません。そこの令嬢の方です。あなた、恥ずかしいとは思わないんですか?」
「え?」
いきなり年下の、貴族と思しき可愛らしい少女に話を振られ、きょとんとする令嬢。
「大体、このような、見るからに甲斐性が無さそうで、飲む、打つ、買うの三拍子を実行してそうな、軽佻浮薄でクズ臭漂う男性を頼ろうなどとは、目がおかしいのではありませんか? それとも、弱いのは頭の方でしょうか? どうせ、そちらの方二人にはあなた方の助けになるつもりなど端からなくて、不埒な目的に決まっていますよ」
ビシッと胸を張って令嬢へ言ったメリーベルへ、
「なんだと、このガキっ!?」
クズ(仮定)男二人が怒り出す。
「五月蝿いですね。わたしは今、そこの令嬢へ、不埒男共へ付いて行く危険性を説いている最中です。邪魔しないでください」
メリーベルの言葉へ更に激昂する男。
「言わせておけばっ!?」
と、男は拳を振るおうとした。
「ケイト。黙らせて」
「はい」
メリーベルの命令で、ケイトは拾った小石をスカーフに包んで用意した即席の鈍器を男達の頭へと振るった。ガツン! ゴツン! と、鈍い音が二回。そして男二人がバタンと地面へ倒れ、
「キャーっ!?」
令嬢の悲鳴が上がった。
「やはりクズではありませんか。いいですか、あなた達は、この二人へ外国へ売り飛ばされていたかもしれないんですよ? 全く・・・」
メリーベルが呆れながら親切に教えてあげると、貴族令嬢とその侍女は抱き合って泣き出した。そこへ、
「警邏隊参上!」
レットが駆け付けた。
※※※※※※※※※※※※※※※
警邏隊詰め所の取り調べ室にて。
「というワケです」
「はぁ・・・まあ、事情はわかったっす」
レットは、未だに泣きじゃくっていて取り調べにならないどこぞの元貴族令嬢に変わり、淀みなく説明をする小さな少女を見下ろす。
「お嬢さんは、フォリン子爵令嬢メリーベル。で、そちらさんがフォリン家侍女のケイトさんっすね」
「フォリン、元子爵でしょう」
毅然と答えるメリーベル。
「わたしも、本日よりメリーベル様個人に雇われている侍女となります」
そして、淡々と答えるケイト。
「? どういうことっすか?」
首を傾げたレットへ、
「フォリン家にはもう、ケイトのお給料が払えなくなるので、今日からわたしが個人的にケイトを雇うことにしました」
メリーベルが胸を張る。
「・・・メリーベル嬢は確か、十歳っすよね?」
末恐ろしいと思いつつ、
「はい。先月で十歳になりました。子供が侍女を雇用するのはいけませんか?」
レットはつんと澄まして答える妖精のような小さなレディを見下ろした。
所謂、天才と称される類の少女を。
メリーベルの言う通り、ケイトが倒した男二人は隣国の女衒だった。あの、元貴族令嬢を隣国へ連れて行って売り飛ばす予定だったという。そういう風に話が付いていたらしい。
「悪くはないっすけど、なぜ彼らが外国へ彼女らを売り飛ばすと思ったっすか?」
「隣国の訛りがありましたから。それに……」
「それに、なんすか?」
「父が後ろ暗いことをしていましたので、そんな気配がしたような気がしました」
「成る程、直感っすねー」
レットはメリーベルに頷いた。
「まあ、連中は本当にクズ野郎共だったんで、メリーベル嬢とケイトさんにお咎めは無しっすけど、やり過ぎには気を付けるっすよ? 彼らがもし死んでいた場合、過剰防衛もいいとこっす。そうなった場合、メリーベル嬢は修道院へ、ケイトさんは刑務所行きだったかもしれないっすからね」
「ご忠告に感謝致します。レットさん」
メリーベルは、レットへ頭を下げた。
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