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if……新しい扉が開いちゃったっ!? ver3
しおりを挟む学園へ登校すると・・・
「今まで、大変申し訳ありませんでした!」
お前誰だよ? と言いたくなるくらいの殊勝な態度で、片膝を着いてわたしに謝って来たクソガキ。
「これまで俺があなたへして来たことの仕打ちは、この程度の謝罪で許されるとは思っておりません。つきましては、あなたの気が済むまで俺のことを口汚く罵って、罵倒の限りを尽くして、キツく詰ってください!」
「・・・は?」
「無論、その程度では怒りが収まらないというのでしたら……こ、これで俺のことを気が晴れるまで存分に打ち据えてくださいっ!」
と、両手で恭しく差し出したのは鞭だった。
いや、マジなに言ってんのコイツ?
謝罪とか言う名目で、自分の被虐的嗜好を満たそうとしてんじゃないの?
「・・・」
わたしの沈黙をどう取ったのか、
「あ、そ、その、鞭を扱うのが苦手だというのでしたら、教鞭や定規なども用意していますので……」
もじもじと恥ずかしそうに頬を染め、
「ハッ! そ、それとも……ベルトとか、肌に疵痕が残り易いようなものをご所望ですかっ!?」
ハッとした顔で、カチャカチャと自分のベルトに手を掛けようとするクソガキ。
「やめろやっ、このド変態がっ!?」
と、思わず全力で怒鳴ってしまったわたしに、キラキラとした嬉しそうな顔を向けるクソガキ……いや、変態野郎。
「そ、そうですっ、その虫ケラを見るような冷たく蔑んだ視線でっ、もっと俺を罵ってくださいっ!」
ハァハァっ! と変態の息が荒くなる。
「駄犬を躾けるようにビシバシとっ! 俺に、あなたという存在を深く刻み込んでくださいっ!」
「誰がするかっ!?」
なんてことを、人の往来している校舎前で痛恨のやらかしをしてしまい――――
学園中で噂されることになった。
最悪だよっ!?
クソガキ……もとい、変態の家から、再度お見合いの席をという打診があったが、無論断った。
そして、中等部を無事? に卒業。
噂については知らん振りをして――――
高等部に進学した。
「どうか俺と結婚してくださいっ!!」
今日も跪いてわたしの登校を出迎える変態の存在を、まるっと無視して教室へ向かうと……
「あらあら、今日もドM犬がS嬢に華麗にスルーされて悦んでいますことよ」
「あの方、ようやくご自分の気持ちに素直になったと思ったら、随分とはっちゃけましたのね」
「うふふ、あのお二人。以前とは全く違う様相を呈していますのね。本当に面白いですわ」
『ドM犬』だなんて、そう呼ばれて悦びそうな変態は兎も角っ……なぜかわたしまで『S嬢』などという大層不名誉なあだ名で呼ばれ、クラスメイトのお嬢さん達に楽しげにヒソヒソされている!
変態は、わたしがどんなにその存在を無視し続けても嬉しそうだし、蔑みの視線を向けても楽しげだし、なにか言葉を掛けるとキラキラと満面の笑みを向ける。そして、頬を染めながらうっとりとした表情で自分を『罵倒してくれ』や『詰れ』、『殴れ』、『踏んでくれ』だとか言う。
付き合いきれん。わたしに嗜虐趣味は無い。
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