おっす、わしロマ爺。ぴっちぴちの新米教皇~もう辞めさせとくれっ!?~

月白ヤトヒコ

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しかーしっ、わしはこんなことくらいじゃ聖剣と魔剣を諦めないのじゃ!

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「くっ……世話になったのは事実だが、たかがチョコや飴だろ!」
「なんてこと言うんじゃっ!? 言うておくがの、その聖剣と魔剣は最高級品の砂糖と、カカオ九十九%のチョコレートという、とんでもない値段の材料費がキロ単位で掛かっておるのじゃぞっ!? 普通に、そこらの二流の剣など束で買えるわ!」
「はあっ!?」

 驚愕の表情で砕け散った『レイズ・クリスタル』キャンディーを見下ろすトマス。

 なんせ、ジークハルトがブラウニーを催促がてらに寄越した、国内……いや、世界でも随一の製菓材料をちょいと流用して作った逸品じゃ。

「貴様に損害賠償を請求するでな! 普通に金貨が何枚も吹っ飛ぶでの、楽しみに待っておれ!」
「そんなに高いのかよっ!?」
「当然じゃ。王族が外国から輸入させた最高級品の製菓材料じゃぞ! あと、『ビター・スクリーム』チョコレート・・・・・・は返してもらうからの!」

 ふん、と鼻を鳴らし、トマスから無事じゃった魔剣『ビター・スクリーム』チョコレートを奪い返す。と、

「なんじゃー、犯人はやはりトマス殿であったかのー」

 やれやれと言うような声がした。

「グレゴリーよ、すまぬ。魔剣は無事じゃったが、聖剣は・・・」
「あ~あ、仕方ないのー。つか、聖騎士のトマス殿をもってしても飴だとは見抜けぬ程、聖剣・・であった『レイズ・クリスタル』凄くね?」
「……ふむ。確かに。つか、むしろ聖騎士が飴と剣を間違う方が恥ずかしくないかのー?」
「飴なら普通、握ったときにべたべたするもんだろ! あと、甘い匂いとか全然してなかったぞ!」
「うん? おー、そーじゃそーじゃ。シス殿が、聖剣と魔剣の保護のために神聖結界を張っておったからのー。それでじゃね?」
「ああ、鞘代わりに剣に纏わせておったでのう。それで、アホアホトマスが握っても直ぐには溶けなかったんのかの?」
「……なんて無駄にハイレベルな技術で心血を、お菓子へ注ぎ込んでいるのでしょうか……」

 と、心底疲れたような、呆れ混じりのクレメンスの呟きが落ちた。

 こうして、美しい聖剣レイズ・クリスタル(べっこう飴)と麗しい魔剣ビター・スクリーム(ビターチョコレート)の盗難事件は、聖騎士が犯人。しかも、聖剣(飴)を砕くという、騎士にあるまじき脳筋トマスの蛮行で幕を閉じたのじゃった。

 それからわしは、数日間筋肉痛で苦しんだ。

 全身が痛く、熱を持ってマジ大変じゃった。

 この年で身体強化を掛けた全力疾走なんぞ、するもんじゃないと心底実感したわ。

 あと、なぜかクレメンスの視線がめっちゃ冷たかったのじゃ。酷い・・・

 聖剣『レイズ・クリスタル』キャンディーは林で砕けたあと、精霊達に欠片すらも残さず、全て美味しく頂かれてしまったのじゃ。めっちゃ喜んで、食われてしもうたわい。

 はぁ……本当に散々な目に遭ったのじゃ! あの卑しい脳筋トマスのせいでの!

 ちなみに、魔剣『ビター・スクリーム』は無事じゃ。

 まあ、チョコレートは賞味期限が長いからのぅ。それに、強度を維持するためにカカオ成分九十九%というとんでもなく苦いチョコレートじゃからの。

 グレゴリーに言わせると、そこまでカカオが高濃度なチョコレートはもうほぼ薬なのだそうじゃ。口に入れると思わず、「苦っ!?」と言うてしまうことから苦悶の悲鳴ビター・スクリームと名付けたのじゃ。

 とりあえずは、もっと研究して安価にすることが目標じゃの。

 そして、魔剣は苦みの緩和じゃのう。砂糖を沢山入れても、強度が出るが……それはそれで健康にはあまり良くないのじゃ。難しい兼ね合いじゃのぅ。

 しかーしっ、わしはこんなことくらいじゃ聖剣と魔剣を諦めないのじゃ!

 いつしか、わしとグレゴリーの作った聖剣(飴)と魔剣|(チョコレート)で子供達に勇者と魔王ごっこをさせてあげるのじゃ!

 アホアホトマスから損害賠償として、金貨を数十枚ふんだくってやったからの。第二段の材料費はこれで確保できたのじゃ!

 早速材料のお取り寄せじゃ♪

♩*。♫.°♪*。♬꙳♩*。♫


 実はこんな感じで、無駄にちょーハイレベルな技術と魔術とでべっこう飴とチョコレートで剣を作っていました。(*ノω・*)テヘ

 チョコレートは温度管理がめっちゃシビアなので、錬金術や薬作りの得意なグレゴリーが魔剣を制作担当。

 表面を鏡のようにしたのは、ザッハトルテ(濃厚なチョコケーキ)にするみたいな艶々チョコのコーティング。本場ドイツやオーストリアでは、高級なザッサトルテは真っ黒い鏡のような表面をしているそうです。

 ロマ爺は精霊召喚で温度、湿度管理の補助をしつつ、べっこう飴を制作担当。

 デカいべっこう飴とチョコなのに気泡やすが全く入らないよう、水と地、火の上位精霊を扱き使いました。(((*≧艸≦)ププッ

 実物大の剣を模しているので、数キロの重量のべっこう飴とカカオ99%な艶々コーティングされたビターチョコ。普通に全部食おうと思ったら身体壊します。(*`艸´)

 グレゴリーとロマ爺は、チョコや飴の結晶構造に魔術を仕込んだりなどの発見をしているので、実はなにげに大発明だったりします。

 水晶や天然石、ガラスなどに魔術を籠めたり刻んだりすることは割とよくされていましたが、回復や治癒、解毒、解呪などの魔力を籠め、一旦取り出して使用する……よりは、食べちゃえばすぐ体内に作用するお菓子の方が魔力のロスが少なくて効率が良いという感じでしょうか。あと、食べれば効くのでめっちゃシンプルで判り易い。薬感覚で使えます。ꉂ(ˊᗜˋ*)


 精霊『ああっ!? にぃにとねぇねたちのちからとロマンシスのまりょくのこもったあめ、こわしたっ!?』Σ(*゜Д゜*)

 『はやいものがちー!』ε=(ノ≧▽≦)ツ

 『きゃーっ!?』♪o((〃∇〃o))((o〃∇〃))o♪

 『うまうま~♡』゜+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゜

 『ちょこれーともおいしそう……』(*´﹃`*)ジュルリ…


 書いてる奴は眼痛&片頭痛持ちなのですが、ちょっと目の調子が悪いので、次の話は書けたら更新になります。(´-ω-)人

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