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兄弟と盟約交わさない? あの近辺の周辺諸国、万単位での人命救助だと思ってさ?
しおりを挟む「最前線で女の子一人を盾にして、その背後を守る騎士団ってどうなん?」
聖女が切り込み隊長兼、タンク兼、アタッカー兼、治癒係ってヤバくね? あれ? 最近の騎士団の人達って、なにしてたっけ? えっと? ほぼ瀕死……放っておいても数分くらいで死ぬ魔獣にトドメを刺すとか? 現地に着くまでの道案内とか護衛? 魔獣素材を剥ぎ取ったりとか?
『うっわ、こんな欠食娘盾にするとかクソ共だなー』
「ハッ! 食糧調達係! ごはん大事! 騎士団の人達は神殿のクソ共に比べて、ちゃんとごはんくれたし!」
『ふびんなこ……おたべ』
『のいちごあげるー』
『いま、そこでひろってきたの。じょーかしておたべー?』
と、丸い光が集まってぽとぽととわたしの手の平に野苺を一個ずつ落とす。
「わぁ! ありがとう♪」
なんていい子達! サッと浄化してぱくりと口に入れる。うん、ちょっと酸っぱいけど食べれる。虫なんて言ってごめん、丸い玉達!
『うっわ、食い意地張ったチビ共が食い物を自発的に分けてやるとか……相当だな』
『ひとのこ、いっぱいたべないとおおきくなれない』
『とくに、にんげんのこはよわい』
『たべれないこ、ちいさいままおそらにかえっちゃう……』
『まあ、それには同意するぜ』
『はいはい、今ちょ~っと俺がアルメリアと大事なお話してるから。話戻すねー?』
『『『は~い!』』』
『おお、すまんすまん』
「ぇ~……」
『で、アルメリアが貴族だって言っただろ? 一応、傍系も傍系の下位貴族ではあるが、薄~く例の王族の血を引いている』
「は?」
『つまり、アルメリアはあのポンコツ兄弟と盟約の維持や継続を交わす権利を有してる』
「・・・マジかっ!?」
『マジだねー。つか、現状では、アルメリア以外にあのポンコツと契約を交わせる条件と魔力量を持っているのに当てはまる人間がいない』
『ぁ~……相手は、あの神罰竜さまだもんなぁ。下手な人間が契約しようと思ったら、一瞬で魔力枯渇起こして、干乾びて死ぬな! はっはっは!』
「は? それ、わたしも危険なやつじゃん!」
『大丈夫大丈夫、アルメリアはヒト種にしては魔力多いから。あと、魔力減ったら周囲から取り込むことできるでしょ? なんなら、足りなくなった魔力は俺が注いだげるからさー。兄弟と盟約交わさない? あの近辺の周辺諸国、万単位での人命救助だと思ってさ?』
困ったように、わたしを見詰めるチャラドラゴン。
「……だが、断る!」
『なんでっ!?』
「え? だって、契約だか盟約交わすなら一旦向こうの国戻れって言うんでしょ? わたし、自分からあの国出て来たの。戻れるワケないでしょ。第一、微睡む神竜のことを兄弟と称するあなたはなにもしないの? あなたも、神竜なんでしょ?」
『はっはっは、バレてんぞ。天秤さま』
『まあ、別に隠してるワケじゃないしー? そう、アルメリア。君が言う通り、俺も神竜だ。ちなみに、微睡む神竜と呼ばれている奴は別名、神罰竜や審判の竜と称されている』
審判の竜。それは……その昔。傲り高ぶり、神の怒りを買った国があった。不道徳を極めたその国があった地は酷く穢された。神はその地に審判のために竜を遣わして、穢れを祓うために大陸を砕いた。という神話があるなぁ……
つか、マジ?
「神話の、滅びた大陸の? 同一竜? 微睡む神竜が? 審判の竜?」
『そ。ぶっちゃけ、母なる神がブチ切れて怒りをぶつけようとした瞬間に、「あ、ヤバい世界壊れちゃう!」って大慌てで自身の渦巻く怒りを切り離したモノが、神罰という威を持った竜の形として生まれた存在。というワケでポンコツ兄弟は、めっちゃ力加減がド下手くそ。ちょ~っと一国滅ぼすつもりが、間違って大陸ごと砕くくらいにはなー』
うっわ、なんか神話の真相がなんとも言えないなっ!? つか、神様ブチ切れさせるって、その国なにやらかしたんだろ?
『更に言うと、兄弟が大陸砕いたの見て、「ヤバい世界壊れちゃう! どうにかしなきゃ!」という焦りと焦燥感と「世界を調えなきゃ!」という混沌とした感情から生まれたのが俺ねー? 故に、調律師とか調整係なワケよ』
「兄弟ってそういうことっ!?」
『そゆこと。生まれた瞬間に大陸砕けてマグマ吹き出してー。大地震や嵐、大津波に火山の大噴火、落雷などなど。ありとあらゆる天変地異が起こってる阿鼻叫喚地獄の光景真っ最中に、これなんとかして! って、言われて神様に丸投げされた苦労人でーす』
「まあ、うん……」
確かに。大陸砕けてマグマ吹き出して、ありとあらゆる天変地異とか……想像も付かない地獄絵図だろう。
『そういう特性で生まれた俺は、被害予測や調整、回復、鎮静化させるのは得意だけど。割とオールラウンダー気味なアルメリアとは違って、直接攻撃とかはあんまりなワケよ。OK?』
「まあ、なんとなく? つか、よくそんな地獄絵図をなんとかできたね?」
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