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ヴァンパイア編。
63.守らなきゃ、人魚が廃るってもんだわ。
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どういうことなのかしら?
小娘…アルのトラウマの原因が今回の追っ手だって、あの夢魔は言っていた。
アル曰く、幼い頃に誘拐された。
それを覚えていない。
自分になにがあったのかを、知らない。
記憶がところどころ抜け落ちているというのは、あの夢魔よね? 夢魔が、忘れさせている。
思い出すと、自我をも危うくするというアルのトラウマを・・・
その相手…犯人はアルを連れ去り、半月程連れ回した。そして、その間にアルを酷く虐待した。
だから、アルは頭上からの手が苦手・・・
そして、額に疵痕。
頭を殴られた?
酷い頭痛が後遺症として残る程の傷を、受けた?
アルを追っているのは、純血種。
純血のヴァンパイアがアルを拐った・・・?
純血種の、純血至上主義者か?
けど、それにも疑問が残る。
なぜ、アルを連れ回した?
アルは、ハーフだ。
それも、本人曰く、能力の低い…
純血至上主義なら、混血を殺すことを躊躇うことはないだろう。胸クソは悪いが・・・
政治的な問題か?
確か、アルはダイヤ商会の株主で、重役の娘。
いや、違うわね。
ダイヤができたのは最近だもの。
二百年は経っていない…と思う。
なら、エレイスか?
アルは、エレイスで育ったというし・・・
あたしが知る限り、エレイスは六百年程前からある。確か、アダマスの現当主とあのスティングという狼が創ったと聞いている。
エレイスは人外の犯罪者などの始末屋だ。
元は、アダマスの先祖の子殺しの始祖を殺す為に作られた組織だった筈。
ダイヤとエレイス。
そして、あの百合娘…人魚の金融業。
どれも、その下地にあるのはアダマスだ。
ヒューは、アルが自分で能力が低いと言うのを、疑問視していた。アルは弱くない、と。
それは、なにと比べて弱いのか?
アルは、自分となにを比べているのか?
「・・・もしかして、アルは純血の血統…なの?」
だとするなら、色々と納得が行く。
・・・アルはおそらく、アダマス系統の純血のヴァンパイアを親に持つハーフなのだろう。
アルのトラウマの原因が、活動を再開したことが、アルの政略結婚を進めるきっかけになった?
「・・・ったく、厄介極まりないことになった」
あたしは、アダマスに関わるのが嫌で今ここにいるってのに・・・
けれど、アルを放り出すという選択肢はあたしには最初っから無い。
そんなことは、絶対にしない。
人魚の掟がある。
『人魚が自分から望んでその身の一部を託したモノには、人魚の加護が与えられる。故に、その相手が海で死ぬことは、絶対に無いだろう』
それを破ることは、美しくない。
だからあたしは、アルがあたしの船、及び海にいる間は、アルを守ろう。
あの夢魔とも、約束した。
できるだけ、アルの味方でいることを。
約束を破ることは美しくない。
「守らなきゃ、人魚が廃るってもんだわ」
覚悟を、決めようじゃない。
いざとなったら・・・あの野郎共全員を降ろす。
そして・・・
小娘…アルのトラウマの原因が今回の追っ手だって、あの夢魔は言っていた。
アル曰く、幼い頃に誘拐された。
それを覚えていない。
自分になにがあったのかを、知らない。
記憶がところどころ抜け落ちているというのは、あの夢魔よね? 夢魔が、忘れさせている。
思い出すと、自我をも危うくするというアルのトラウマを・・・
その相手…犯人はアルを連れ去り、半月程連れ回した。そして、その間にアルを酷く虐待した。
だから、アルは頭上からの手が苦手・・・
そして、額に疵痕。
頭を殴られた?
酷い頭痛が後遺症として残る程の傷を、受けた?
アルを追っているのは、純血種。
純血のヴァンパイアがアルを拐った・・・?
純血種の、純血至上主義者か?
けど、それにも疑問が残る。
なぜ、アルを連れ回した?
アルは、ハーフだ。
それも、本人曰く、能力の低い…
純血至上主義なら、混血を殺すことを躊躇うことはないだろう。胸クソは悪いが・・・
政治的な問題か?
確か、アルはダイヤ商会の株主で、重役の娘。
いや、違うわね。
ダイヤができたのは最近だもの。
二百年は経っていない…と思う。
なら、エレイスか?
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あたしが知る限り、エレイスは六百年程前からある。確か、アダマスの現当主とあのスティングという狼が創ったと聞いている。
エレイスは人外の犯罪者などの始末屋だ。
元は、アダマスの先祖の子殺しの始祖を殺す為に作られた組織だった筈。
ダイヤとエレイス。
そして、あの百合娘…人魚の金融業。
どれも、その下地にあるのはアダマスだ。
ヒューは、アルが自分で能力が低いと言うのを、疑問視していた。アルは弱くない、と。
それは、なにと比べて弱いのか?
アルは、自分となにを比べているのか?
「・・・もしかして、アルは純血の血統…なの?」
だとするなら、色々と納得が行く。
・・・アルはおそらく、アダマス系統の純血のヴァンパイアを親に持つハーフなのだろう。
アルのトラウマの原因が、活動を再開したことが、アルの政略結婚を進めるきっかけになった?
「・・・ったく、厄介極まりないことになった」
あたしは、アダマスに関わるのが嫌で今ここにいるってのに・・・
けれど、アルを放り出すという選択肢はあたしには最初っから無い。
そんなことは、絶対にしない。
人魚の掟がある。
『人魚が自分から望んでその身の一部を託したモノには、人魚の加護が与えられる。故に、その相手が海で死ぬことは、絶対に無いだろう』
それを破ることは、美しくない。
だからあたしは、アルがあたしの船、及び海にいる間は、アルを守ろう。
あの夢魔とも、約束した。
できるだけ、アルの味方でいることを。
約束を破ることは美しくない。
「守らなきゃ、人魚が廃るってもんだわ」
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いざとなったら・・・あの野郎共全員を降ろす。
そして・・・
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