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しおりを挟む「・・・・・・自慢か貴様~~~っ!?!?」
いきなり怒鳴られたっ!?
「は? いや、なにが自慢?」
「つい先日、交流会に誘うパートナーの宛が無いとか、婚約者は来ないだとかほざいてたクセして、女子に誘われて困ってるだぁっ!? いいご身分だなこの裏切者がっ!?」
「は? いや、裏切者ってなに? わたしが誰を裏切ったって言うの? テッド?」
「交流会には、パートナーの宛の無いむさくるしい男だけで行こうってなったじゃねぇかっ!? あの約束を、男同士の誓いを忘れて、女子に囲まれてウハウハで交流会に参加しようというのか貴様ぁっ!?」
「いや、そもそもそんな約束した覚えないんだけど? なに妄想してんの? というか、パートナーは普通一人だけだし。むしろわたしは、誘われること自体が迷惑……って、聞いてないなぁ」
「ふむ、どうやら錯乱しているようだな」
激昂しているテッドを、いたましいという表情で見やるレザン。やっぱり、男だけで行こうというそんな約束はしていないらしい。
「ぁ~、うん。そうだね」
「・・・一発殴れば、正気に戻るだろうか? それとも、気絶させるべきか?」
自分の拳とテッドを見比べ、試案する顔。
「いや、お前がやると危険だからちょっと待て」
一発なら殴らせてもいいかな? と一瞬思ってしまったけど、レザンの拳はなかなか危険な予感がするので止めてあげることにした。後でテッドに恩に着せようと思う。
「とりあえず、正気に戻れやこのアホが!」
バシッ! と、テッドの頭を強めに叩いておくだけに留めておく。
「痛って! なにするんだハウウェル!」
「いや、お前わたしに感謝しろよ?」
「殴っといて感謝とはなにごとだ! 横暴だ横暴ー、暴力反対!」
頭を擦り、ムッとした顔で文句を言うテッド。
「じゃあ聞くけど、わたしに軽く叩かれるのと、レザンの拳を受けるのと、どっちがいい?」
「すまんハウウェル、助かった!」
「わかれば宜しい。で、正気に戻った?」
「ハッ! そうだよハウウェル! 女子に交流会誘われて迷惑とはどういう了見だこの野郎っ!?」
「え? なんか、いきなり女子生徒が寄って来て怖いんだけど。どうにかならないかな? あれ……」
「はあっ!? なに言ってんだよ? お前その顔だから、今までも女の子にモテてただろ! 今更そんなこと言ってんじゃねぇっ!?」
「いや、わたしとレザンがいたのは、騎士学校で見事に男しかいなかったから」
教職員も全員男性。騎士学校には、本当に一人も女性がいなかった。
「あ~、そう言えばそうだったな。忘れてわ。あれ? それじゃもしかして、女子に免疫無い系? でも、そんな感じはしねぇんだよな」
不思議そうにわたしを見やるテッド。
「まぁ、丸っきり免疫が無いって程じゃないよ。同年代の女の子とは、あんまり接する機会が無かっただけ」
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