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翌朝。
「なー、こんな朝っぱらからホントにいるのかよ?」
「知らん。が、朝は乗馬するのに狙い目な時間だと、セルビア副部長が教えてくれたからな。なあ、ハウウェル」
「ん……」
「つか、ハウウェル起きてんの?」
「……起きてるよ」
「わー、いつもより低い声ー。不機嫌そー」
「……別に不機嫌じゃないって」
テンションが低いだけだ。
「うむ。朝は色々と反応が鈍いだけだ。・・・やはり、隙だらけだな。そんなだと、奇襲を受けたときにすぐやられてしまうぞ? ハウウェル」
「ウルサいな……」
と、眠気を堪えて生徒のいない閑散とした馬場へ向かうと――――
厩舎の方から、ぼそぼそとした声が聞こえて来た。内容はよく聴こえない。
「おー、誰かいるみたいだな。しかも、多分女の子の声な気がする!」
「うむ。セルビア副部長だろうか?」
「……さあ? 誰かとなにか話しているみたいだけど……どうする?」
「行ってみて、邪魔そうなら出直そうぜ」
と、厩舎に入ることにした。
「馬鹿にするのも大概です。あんな酷い言い方をしなくてもいいではありませんか。あんな風に言われたら、わたしがっ……」
なにやら、怒っているような感じの声だ。
「すいませーん、副部長いますかー」
というテッドの声が、
「・・・確かに。次期伯爵家当主にならないなら、君みたいに冷徹な女性と結婚はしたくないと言われましたが。わたしだってあんな狭量な方、願い下げです。あんなっ・・・君の弟、生まれなければよかったのに。だなんて言うような奴は、わたしだって要りません! あんな、天使のように可愛くて尊いわたしの可愛いリヒャルトを、生まれなければ? 巫山戯るなっ!? しかも、わたしが弟を嫌っているだなんて酷い言いがかりまでっ!! リヒャルトに聞かれて、リヒャルトに嫌われてしまったらわたしはどうすればいいのっ!? わたしは別にリヒャルトのせいでお嫁に行けないだなんて全く思っていないのに! いえ、むしろ行きたくないわっ!? そうよ、可愛いリヒャルトを見守っていたいもの! それならいっそ、リヒャルトをサポートして生きて行く方が断然いい気がするわ。ねえ、そう思いません?」
段々とヒートアップした声に掻き消される。
「あのー、副部長?」
「っ!? ぁ……い、今の、聞いてました?」
気まずそうな顔でこちらを振り返ったセルビア嬢。ちなみに、セルビア嬢の他には、生徒はわたし達しかいない。厩舎だから、馬はたくさんいるけど・・・セルビア嬢の真正面とかにも。
「ぁ~、弟さんラブなんですね。副部長も」
__________
ケイトさんも実はブラコン属性。(笑)
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