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ボクは君を気に入ってるんだよ?
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「人間じゃないと噂されている人、教えてよ」
「・・・」
『なんで?』
「なんでって・・・その、なにかできることがあると思うから…かな?」
『なにかって、なに?』
「忠告なんかを、かな?危ないって。狙われる可能性がある人にそれを教えることができたら、君がローズさんを助けたように、その人も助かるかもしれないでしょ?」
にこりと微笑む薄味な眼鏡。
「・・・」
『なんで、アンタはオレを信じる?こんな子供の言うこと、普通は真に受けないだろ』
ライの発言は、オレの言葉を信じているという前提で成り立っている。警察に話はしたが、信用されなかったオレの話を、だ。
「君が普通じゃないから。君の言っていることは子供らしくないくらいに理路整然としていて、わかり易いしさ?なにより、君がボクの話を聞いて、ちゃんと相手をしてくれるから」
「?」
「ボクもね、色々あるってこと。余所者だし、見習いの若造。お偉方には無茶振りをされたりだとか・・・問題が起きると即行で首を切られたり、ね?」
「・・・」
『ハブられて、友達いなくて、思わず見知らぬ子供に話を聞かせてって、縋り付いたり?』
「ぅ・・・相変わらず、キツいこと言うね?君は」
『教会を首って、破門ってこと?』
「いや、一応ボクは派遣だからね。ここの支部にはそんな権限は無いよ。その代わり、期間内はここにいとかなくちゃいけないんだ。単に、ここの教会から追い出されたってだけ」
少し、安心した。オレは神なんて信じてないけど、神父になるくらいだ。
ライは神を信じているのだろう。
ローズねーちゃんやオレを助けたせいでライが破門になったとしたら、寝覚めが悪いし・・・
『なら、さっさと本部とやらに戻れば?わざわざこんな、物騒な街に居続けるよりはさ?』
「そうも行かないよ」
『なんで?』
「君が心配だから」
「?」
「全く、そんな不思議そうな顔をしないでほしいな?ボクは君を気に入ってるんだよ?」
「・・・?」
『意味がわからない』
ライがオレを気に入る要素は、全くないと思うんだが?口は悪いし、態度も無愛想。
・・・うん。命の恩人に対する態度じゃねぇな。
考えてみれば、我ながら恩知らずにも程が…
「ボクが、君が怪我をしたり、酷い目に遭ったりするのが、嫌だってこと」
『意味がわからない』
と、書いた文字を指す。
「端的に言うと君はね、ボクの好きなヒトに少し似ているんだ。だから、そんな君には、酷い目に遭ってほしくない。ボクの自己満足みたいなものだよ」
柔らかくオレを見下ろす薄味な顔。多分、ライが見ているのは、オレではない。オレを通して、その好きな人を見ているのだろう。派遣だというから、暫く会えていなくて寂しいのかもしれない。
ああ、だからやたらオレに絡むのか。納得した。
それにしても自己満足、ね・・・
「君が、ローズさんを助けたのと似た理由。君だって、彼女を助けたのは君自身が彼女を死なせたくなかったから、なんでしょ?」
確かに。ローズねーちゃんは別に、助けてほしいなんて言っていない。全部オレの独断だ。
「・・・」
『今更だけど、オレの態度、悪くない?』
「?君の、態度?」
きょとんと首を傾げるライ。
『無愛想で、よくアンタを扱き下ろしてる』
「いや、全然?なんていうかこう…醒めた眼差しと上から目線な態度が彼女に似ていて…そして更に君は、割とツッコミ入れてくれるし。まあ、彼女はツッコミというよりは天然煽り系のボケだけどね。ボクは、結構好きだよ?君のこと」
「・・・」
醒めた眼差しと上から目線な態度…で、薄味な顔の頬がうっすらと染まるのが見えてしまった。そして、天然煽り系のボケ?なんだその難解な性格は?
・・・触れないでおこう。
つか、年下の子供にそんな態度を取られて喜ぶとか、実は案外危ない奴なのか?コイツは・・・
いや、オレの態度も問題と言えば問題だが・・・オレは、そんなに上から目線なのか?
「あれ?なんか君、今ボクに引いた?」
「・・・」
『彼女って?恋人?』
「う~ん…それは無いかな。彼女はね、多分…君にとってのローズさんみたいな存在、かな?ボクの恩人で、大好きなヒトだよ」
ライの口元に浮かぶのは柔らかい笑み。本当に、その人のことが好きなのだろうと判った。
「だから…」
ライがなにか言い掛けたとき、それを遮るようにぐぅとオレのお腹が鳴った。
「もしかしなくても、お腹空いてるよね?」
そういえば、昨日の昼を食って後から、なにも食ってなかったな。家に帰って、事情を説明して、レイニーに薬塗ってもらってから爆睡。
そして、朝っぱらからステラに起こされて号泣されて、あやし疲れて二度寝。
更にその後、ホリィがあんなことしやがって、家を出て来たんだ。
そりゃ、腹も減るわ。
つか、喉痛いから食欲もそんなにねーけど。
「なにか食べたいのある?頼んで来るよ」
食べたいのは特に無い。
強いて言えば、柔らかい物だろうか?
『スープ。具が無くて飲み込み易いの』
「あ、そっか…ちょっと待ってて。まずは、はい、口開けて?喉にいい飴だよ」
ポケットから包装紙に包まれた飴玉を取り出し、包みを開いてオレへの口元へ差し出した。
「ほら、あ~んして?」
「・・・」
手を差し出すが、薄味な顔がきょとんと不思議そうに瞬くだけ。
「?どうしたの?早く口開けてよ?」
これは、素か?それとも、子供扱い?
仕方なく口を開けると、コロンと飴玉が口に放り込まれる。喉に効きそうなハーブの風味と蜂蜜の味がする。多分、高価な飴だ。
『ありがとう』
「どう致しまして。じゃあ、なにか頼んで来るから少し待っててね?」
にこりと微笑んだライが部屋を出て行く。
よくわからない奴だ。調子が狂う。
少しして、ライが湯気の立ったスープを持って来た。かぼちゃのポタージュと柔らかいパン。
飴を舐め切ってから、食べる。
パンをスープに浸して、柔らかい状態に。更にそれを、ゆっくりとよく噛んで飲み込む。
病院でもこんな感じの食事だった。
リゾットかオートミールのお粥、またはどろどろのパン粥、ポタージュスープなど。
「っ…」
やっぱり少し、喉が痛む。
味は美味しいのに、食事が楽しくない。
「…口に合わなかった?」
薄味の顔が少ししょんぼりしたように聞いたので、首を振って喉を指す。
「喉が痛い?美味しくないワケじゃない?」
頷くと、嬉しそうな笑顔。
「よかった」
あ…れ?食べて行くうちに、なんだか…段々眠く、なって…?とろりとした、眠気が…
カラン、と力の抜けた手から、スプーンが滑り落ちる音が遠くに響いた・・・
「眠そうだね?少し寝てもいいよ」
テノールの、声が・・・
「おやすみなさい。コルド君」
※※※※※※※※※※※※※※※
ふらりと傾ぐ小さな身体を支え、被っていた帽子と靴を脱がせ、その軽い身体を抱き上げてベッドへそっと寝かせる。
「さて、妖精の取り換え子を一人確保…と」
ライは、くすんだ金髪の子供を見下ろす。
「ごめんね?少し、調べたんだ。君自身に、人間じゃないという噂があったんだね」
白い肌に、今は閉じられた物憂げなアイスブルーの瞳。長い睫毛に高くもなく、低くもない通った鼻筋。ふっくらとした赤い唇に細い顎。
妖精の取り換え子だと噂されるのも、納得ができてしまうような見目麗しい子供。
子供らしくない知識を持ち、どこか悟ったような雰囲気も、それに輪を掛けたのかもしれない。
「ボク自身が君を好きなのは本当なんだけど・・・君をどうするのか決めるのは、ボクじゃないんだ。できれば君を・・・」
コルドの髪を撫で、言いかけた言葉を切って溜息を吐いたライは、軽く首を振る。
「いや、決めるのは、ボクじゃない」
迷いを断ち切らなくてはいけない、と。
「さあ、異端者をどうにかしないと」
「・・・」
『なんで?』
「なんでって・・・その、なにかできることがあると思うから…かな?」
『なにかって、なに?』
「忠告なんかを、かな?危ないって。狙われる可能性がある人にそれを教えることができたら、君がローズさんを助けたように、その人も助かるかもしれないでしょ?」
にこりと微笑む薄味な眼鏡。
「・・・」
『なんで、アンタはオレを信じる?こんな子供の言うこと、普通は真に受けないだろ』
ライの発言は、オレの言葉を信じているという前提で成り立っている。警察に話はしたが、信用されなかったオレの話を、だ。
「君が普通じゃないから。君の言っていることは子供らしくないくらいに理路整然としていて、わかり易いしさ?なにより、君がボクの話を聞いて、ちゃんと相手をしてくれるから」
「?」
「ボクもね、色々あるってこと。余所者だし、見習いの若造。お偉方には無茶振りをされたりだとか・・・問題が起きると即行で首を切られたり、ね?」
「・・・」
『ハブられて、友達いなくて、思わず見知らぬ子供に話を聞かせてって、縋り付いたり?』
「ぅ・・・相変わらず、キツいこと言うね?君は」
『教会を首って、破門ってこと?』
「いや、一応ボクは派遣だからね。ここの支部にはそんな権限は無いよ。その代わり、期間内はここにいとかなくちゃいけないんだ。単に、ここの教会から追い出されたってだけ」
少し、安心した。オレは神なんて信じてないけど、神父になるくらいだ。
ライは神を信じているのだろう。
ローズねーちゃんやオレを助けたせいでライが破門になったとしたら、寝覚めが悪いし・・・
『なら、さっさと本部とやらに戻れば?わざわざこんな、物騒な街に居続けるよりはさ?』
「そうも行かないよ」
『なんで?』
「君が心配だから」
「?」
「全く、そんな不思議そうな顔をしないでほしいな?ボクは君を気に入ってるんだよ?」
「・・・?」
『意味がわからない』
ライがオレを気に入る要素は、全くないと思うんだが?口は悪いし、態度も無愛想。
・・・うん。命の恩人に対する態度じゃねぇな。
考えてみれば、我ながら恩知らずにも程が…
「ボクが、君が怪我をしたり、酷い目に遭ったりするのが、嫌だってこと」
『意味がわからない』
と、書いた文字を指す。
「端的に言うと君はね、ボクの好きなヒトに少し似ているんだ。だから、そんな君には、酷い目に遭ってほしくない。ボクの自己満足みたいなものだよ」
柔らかくオレを見下ろす薄味な顔。多分、ライが見ているのは、オレではない。オレを通して、その好きな人を見ているのだろう。派遣だというから、暫く会えていなくて寂しいのかもしれない。
ああ、だからやたらオレに絡むのか。納得した。
それにしても自己満足、ね・・・
「君が、ローズさんを助けたのと似た理由。君だって、彼女を助けたのは君自身が彼女を死なせたくなかったから、なんでしょ?」
確かに。ローズねーちゃんは別に、助けてほしいなんて言っていない。全部オレの独断だ。
「・・・」
『今更だけど、オレの態度、悪くない?』
「?君の、態度?」
きょとんと首を傾げるライ。
『無愛想で、よくアンタを扱き下ろしてる』
「いや、全然?なんていうかこう…醒めた眼差しと上から目線な態度が彼女に似ていて…そして更に君は、割とツッコミ入れてくれるし。まあ、彼女はツッコミというよりは天然煽り系のボケだけどね。ボクは、結構好きだよ?君のこと」
「・・・」
醒めた眼差しと上から目線な態度…で、薄味な顔の頬がうっすらと染まるのが見えてしまった。そして、天然煽り系のボケ?なんだその難解な性格は?
・・・触れないでおこう。
つか、年下の子供にそんな態度を取られて喜ぶとか、実は案外危ない奴なのか?コイツは・・・
いや、オレの態度も問題と言えば問題だが・・・オレは、そんなに上から目線なのか?
「あれ?なんか君、今ボクに引いた?」
「・・・」
『彼女って?恋人?』
「う~ん…それは無いかな。彼女はね、多分…君にとってのローズさんみたいな存在、かな?ボクの恩人で、大好きなヒトだよ」
ライの口元に浮かぶのは柔らかい笑み。本当に、その人のことが好きなのだろうと判った。
「だから…」
ライがなにか言い掛けたとき、それを遮るようにぐぅとオレのお腹が鳴った。
「もしかしなくても、お腹空いてるよね?」
そういえば、昨日の昼を食って後から、なにも食ってなかったな。家に帰って、事情を説明して、レイニーに薬塗ってもらってから爆睡。
そして、朝っぱらからステラに起こされて号泣されて、あやし疲れて二度寝。
更にその後、ホリィがあんなことしやがって、家を出て来たんだ。
そりゃ、腹も減るわ。
つか、喉痛いから食欲もそんなにねーけど。
「なにか食べたいのある?頼んで来るよ」
食べたいのは特に無い。
強いて言えば、柔らかい物だろうか?
『スープ。具が無くて飲み込み易いの』
「あ、そっか…ちょっと待ってて。まずは、はい、口開けて?喉にいい飴だよ」
ポケットから包装紙に包まれた飴玉を取り出し、包みを開いてオレへの口元へ差し出した。
「ほら、あ~んして?」
「・・・」
手を差し出すが、薄味な顔がきょとんと不思議そうに瞬くだけ。
「?どうしたの?早く口開けてよ?」
これは、素か?それとも、子供扱い?
仕方なく口を開けると、コロンと飴玉が口に放り込まれる。喉に効きそうなハーブの風味と蜂蜜の味がする。多分、高価な飴だ。
『ありがとう』
「どう致しまして。じゃあ、なにか頼んで来るから少し待っててね?」
にこりと微笑んだライが部屋を出て行く。
よくわからない奴だ。調子が狂う。
少しして、ライが湯気の立ったスープを持って来た。かぼちゃのポタージュと柔らかいパン。
飴を舐め切ってから、食べる。
パンをスープに浸して、柔らかい状態に。更にそれを、ゆっくりとよく噛んで飲み込む。
病院でもこんな感じの食事だった。
リゾットかオートミールのお粥、またはどろどろのパン粥、ポタージュスープなど。
「っ…」
やっぱり少し、喉が痛む。
味は美味しいのに、食事が楽しくない。
「…口に合わなかった?」
薄味の顔が少ししょんぼりしたように聞いたので、首を振って喉を指す。
「喉が痛い?美味しくないワケじゃない?」
頷くと、嬉しそうな笑顔。
「よかった」
あ…れ?食べて行くうちに、なんだか…段々眠く、なって…?とろりとした、眠気が…
カラン、と力の抜けた手から、スプーンが滑り落ちる音が遠くに響いた・・・
「眠そうだね?少し寝てもいいよ」
テノールの、声が・・・
「おやすみなさい。コルド君」
※※※※※※※※※※※※※※※
ふらりと傾ぐ小さな身体を支え、被っていた帽子と靴を脱がせ、その軽い身体を抱き上げてベッドへそっと寝かせる。
「さて、妖精の取り換え子を一人確保…と」
ライは、くすんだ金髪の子供を見下ろす。
「ごめんね?少し、調べたんだ。君自身に、人間じゃないという噂があったんだね」
白い肌に、今は閉じられた物憂げなアイスブルーの瞳。長い睫毛に高くもなく、低くもない通った鼻筋。ふっくらとした赤い唇に細い顎。
妖精の取り換え子だと噂されるのも、納得ができてしまうような見目麗しい子供。
子供らしくない知識を持ち、どこか悟ったような雰囲気も、それに輪を掛けたのかもしれない。
「ボク自身が君を好きなのは本当なんだけど・・・君をどうするのか決めるのは、ボクじゃないんだ。できれば君を・・・」
コルドの髪を撫で、言いかけた言葉を切って溜息を吐いたライは、軽く首を振る。
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