黒き天の御使いの厳戒と救済。~『イエス、ショタコンノータッチ! イエス、ロリコンノータッチ!』~

月白ヤトヒコ

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 『イエス、ショタコンノータッチ! イエス、ロリコンノータッチ!』の言葉の解釈としては・・・

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 『イエス、ショタコンノータッチ! イエス、ロリコンノータッチ!』の言葉の解釈としては・・・

 幼児、幼女趣味自体は罪ではない。幼い彼ら彼女らに恋し、愛すること自体は罪ではない。しかし、彼ら彼女らを傷付けることが罪である。

 彼ら彼女らへ恋し、愛するのであれば、彼ら彼女らの心身や尊厳を傷付けてはならない。害してはならない。彼ら彼女らの嫌がることをしてはならない。

 彼ら彼女らを心から愛するのであれば、彼ら彼女らの健やかな成長を見守り、祈り、喜ぶことこそが真のショタコンとロリコンであると心得よ。

 成長によって大きくなった彼ら彼女らへの熱意が冷めるのであれば、それは愛ではない。単なる性癖で、彼ら彼女らを性欲の対象にしているだけだ。恋や愛を性欲の言い訳にするな。

 幼児や幼女へ恋し、愛すること自体は罪ではない。彼ら彼女らの心身や尊厳を傷付けること、自身の性欲や快楽に溺れ、自制や自重を忘れることこそが大罪だと心得よ。

 ショタコン、ロリコンの者共よ。貴様ら一人一人が騎士足る心を持て。騎士は弱者を守る者。故に、貴様らの性欲という悪魔から、愛らしいショタやロリを守れ。

 という、非常に趣深い解釈がされている。

 なんでも、この言葉と解釈は黒の皇帝陛下直々のお言葉だそうだ。

 かつて、帝国がまだ王国で皇帝陛下が王子のうちの一人だった頃。王国を震撼させる……児童買春を目的とした人身売買組織の摘発という大事件があったそうだ。犯行組織の中には神殿で司祭の位を戴いていた者までいたという。

 彼ら一味が拿捕されてから、罪を詳らかにするために年単位の長い時間を要したという。その年月の間に、王国は黒の王子が戴冠し、やがて周辺諸国を属国として帝国へと至った。

 年若い……少年皇帝は、かつての神官であった者を含めた人身売買組織の者と対峙し、くだんの『イエス、ショタコンノータッチ! イエス、ロリコンノータッチ!』の言葉とその解釈を説いたそうだ。

 神官を含めた、小児性愛者達は涙を流して感動し、号泣しながら悔い改めたのだという。

 なんでも、自身の性癖が悪であるという認識と、その性癖に対しての罪の意識があり、年若い頃には葛藤があったそうだが、いつの間にか自身の性癖を認めない社会が悪いのだと開き直り、自身の慾望に負けてしまってからは、背徳感や快楽に溺れて罪を重ねて行き、同じような同志(クソ過ぎる同志もいたものだな?)と、子供達を狙った人身売買組織が出来上がってしまったのだとか。

 そんな罪深い自分に、『イエス、ショタコンノータッチ! イエス、ロリコンノータッチ!』という言葉。幼い少年や幼女に恋して、愛してしまうこと自体が罪ではない。彼ら彼女らを傷付け、その尊厳を踏み躙ること自体が罪である。貴様らは自身が彼ら彼女らを守る騎士足る心構えを持て。その素晴らしい言葉で救われた、と。

 その言葉を、自身の性癖で苦悩し、懊悩しているときに掛けてもらっていれば、年若い少年少女達へとこのような無体を働くことはなかったかもしれない。死刑執行までの時間、自身が犯した罪と向き合い、被害者達へ贖罪とその安寧を祈って過ごします……とまで、言わしめたらしい。

 『イエス、ショタコンノータッチ! イエス、ロリコンノータッチ!』は……前世では、割とギャグ扱いだった言葉だと思っていたのだが。自身の性癖に真剣に悩んでいる人達からすれば、ある意味。愛や恋への肯定となる救済と、彼ら彼女らを傷付けてはならないという厳戒の言葉となるようだ。

 一部の人達の間では、黒髪に紫紺の瞳を持つ皇帝陛下は黒の御使いや黒い天使と称され、為政者としてではなく、教祖の如く崇められているらしい。

 の言葉に感動し、帝国へ移住する者もいるのだとか。

 宣誓を書き取りするための紙とインク代くらいで、国内での性犯罪や人身売買などが減るのであれば、安いものだろう。

 益々、麗しき黒の少年皇帝に興味が湧いた。一度、じっくりお話をしてみたいものだ。

 まあ、そのためにも……まずは、帝国の学院への編入試験を突破せねばならんな。

 ――おしまい――

✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧


 読んでくださり、ありがとうございました。

 短編。『親同士の再婚で義兄弟姉妹となった相手に心惹かれる理由……の、考察。~わたくし、婚約を再考することにします~』に出てたディーの話。

  某帝国の入国管理模様を……誘惑に負けて書いてしまった。悔いはない。( ・`д・´)

 でも、なぜか思ったより……タイトルはギャグっぽいのに、シュールというかシリアスっぽい話になってしまった謎。(੭ ᐕ))?

 まあ、実際にそういう少数派で社会的に悪とされたり、顔を顰められるような性癖持っちゃってる人は、性癖や自分自身が悪いという罪悪感とか持ってたりして、キツいだろうなぁ……とかも、思ってしまった。

 書いてる奴も百合スキーだし。同性愛作品を好き、というだけで異常者扱いや気色悪い、気持ち悪いとか言われたり、無暗に嫌われたりするのは少々悲しいですからね。周囲が異性愛しか認めねぇ! という環境だと大変そう……(´・д・`)

 かと言って、自分の慾望を満たすための犯罪行為や、それを正当化するのは絶対駄目ですけどね! 『イエス、ショタコンノータッチ! イエス、ロリコンノータッチ!』は厳守。そして、愛や恋という名目で誰かを傷付けたり、誰かの尊厳を踏み躙るのも絶対厳禁!( ・`д・´)

 ちなみに、『親同士の~』でディーが帝国留学中に一時帰国しておうち帰って来てたのは、データ収集のため。( ◜◡◝ )

 この話の派生元。某黒の少年皇帝がはっちゃけてる話は、『腐ったお姉ちゃん、【ヤンデレBLゲームの世界】で本気を出すことにした!』です。(*>∀<*)

 感想を頂けるのでしたら、お手柔らかにお願いします。

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