文字サイズ
小
中
大
特大
57 / 57
亡国の残響
記憶の中の呼び声
夜が明けても、王城の緊張は続いていた。
西の城壁では損傷の確認が進められ、飛行艇団は上空の警戒を維持している。縮小された障壁も王都を覆ったままで、城内では騎士や伝令が慌ただしく行き交っていた。
その王城の一室で、レクサス、イスト、ノアの三人は、エリシオン侯国から亡命してきた男と向かい合っていた。
ミストラ・ウィングロード。
額には包帯が巻かれ、負傷した肩も固定されている。墜落からまだ幾らも経っていないが、事情聴取を申し出たのは本人だった。
イストは手元の書類に目を落とした。
「確認します。エリシオン侯国技術局所属、ミストラ・ウィングロード技師。侯国からの亡命を希望し、竜の制御装置について情報提供の意思がある。相違ありませんか」
「ありません」
掠れた声ながら、返答は明瞭だった。
イストが次の項目へ移ろうとしたところで、レクサスが口を開いた。
「……ウィングロード?」
その姓を確かめるような呟きに、ミストラが顔を上げる。
「はい。何か?」
「創世神話を編纂した、アヴァンシア・ウィングロードと同じ一族ですか」
ミストラの目がわずかに見開かれた。
「……ご存じなのですね」
「ストーリアでは有名な名前ですから」
ノアもその名を知っていた。創世神イースと、金の竜セレナ、銀の竜セレス。幼い頃から親しんできた創世神話には、編纂者としてアヴァンシア・ウィングロードの名が記されている。
「家に残る系図によれば、私はアヴァンシアの弟の子孫にあたります。彼女の著作も、代々受け継がれてきました」
「そうでしたか。それは興味深いですね」
「ですが、その話は後でも構いません。今は、あの竜たちのことを」
「……アルピーヌのことを教えてください」
ノアの言葉に頷くと、ミストラは鞄から数枚の紙を取り出して机に広げた。
その一枚を見た瞬間、ノアの視線が止まった。アルピーヌの顔を覆っていたものと、よく似た黒い仮面だった。
「これは?」
「初期型の設計図です。私は、この制御装置の開発に関わりました」
「最初から、竜を兵器として使うために?」
「少なくとも、私たちはそう説明されていませんでした」
ミストラは図面に視線を落とした。
「エリシオンでは、竜は危険な生物だと教えられます。制御されていない竜は、いずれ人へ牙を剥く。その根拠として語られるのが、レガリアの存在でした」
「……レガリア?」
「かつてエリシオンを守護しながら、最後には王国を焼き滅ぼした竜。侯国では、そう教えられています」
「その後、レガリアは封印されたはずですね」
レクサスの言葉に、ミストラは頷いた。
「はい。ただ、誰がどのように封じたのか、詳しい記録は残されていません。いずれ封印が解け、旧エリシオンに連なる者たちへ再び牙を剥くと伝えられてきました」
「それが、侯国を障壁で閉ざした理由ですか?」
「はい。外の世界も竜によって荒廃していると教えられていました。障壁の外へ出ることは原則として禁じられ、無許可で越えれば重罪です」
ミストラは窓の外へ目を向けた。
朝日を受けた王都には家々の屋根が連なり、通りには荷馬車が行き交っている。
「……こんなふうに街が続いているとは、思っていませんでした」
「アヴァンシアの記録が家に残っていても?」
「何度も読みました。ですが、あれは遠い昔の記録です。今の竜は当時とは違うのだと教えられていましたから」
ミストラは膝の上で手を組み直した。
「疑おうとも思いませんでした。外の世界を知る手段も、ありませんでしたから」
イストが記録用紙に筆を走らせる中、ミストラは少し間を置いて言葉を継いだ。
「状況が変わったのは、レガリアが死んだという報告が入ってからです」
その名に、ノアの肩がわずかに動いた。
「その情報は、エリシオンにも届いていたんですね」
「はい。それを機に障壁外への調査が再開され、調査隊が竜を連れ帰りました」
「……アルピーヌ」
「私が初めて見た外の竜でした。広い格納区画の奥で拘束され、白い毛並みは汚れ、首には床へ固定された拘束具がつけられていました」
「暴れていましたか?」
「いいえ。それが最初の違和感でした。資料には『捕獲された危険生物』とありましたが、あの竜は周囲を見渡しているだけでした。誰かが区画へ入るたびに顔を上げていたんです」
ノアは昨日のアルピーヌを思い出した。黒い仮面の下に隠されていた瞳が、脳裏によみがえる。
「……誰かを探していたのかもしれませんね」
「今なら、そう思います」
ミストラは図面を引き寄せた。
「その後、暴走を防ぐという名目で装着試験が始まりました。ですが、任務に出るたび、アルピーヌは何度制御しても同じ方角へ向かおうとしたんです」
「帰ろうとしていたんでしょうか」
「それを確かめたくて、無断で記憶の解析記録を閲覧しました」
「記憶……?」
「装置には、竜の視覚や聴覚、それに記憶の一部を読み取る機能があります。行動予測のためですが、閲覧には厳しい制限が設けられていました」
「そこで、何を見たんですか?」
イストの問いに、ミストラは窓の外へ目を向けた。
「森や山々、川の流れる街……そして、そこで暮らす人々です。水辺では水竜が人と共に過ごし、空には飛竜が舞っていました」
窓の向こうでは、朝日を受けた街が普段どおりの営みを続けている。
「最初はストーリアだけが特殊なのだと思い、閲覧できる記録を片端から調べました。ですが、調べるほど、私がこれまで信じてきたものが分からなくなっていったんです」
ミストラは図面の端を指で押さえた。
「そして、ある記録に行き着きました。その中で、アルピーヌが名前を呼ばれていたんです」
ノアが顔を上げた。
「女の人の声でしたか?」
「はい。『アルピーヌ』と。女性がそう呼びかけると、あの竜は振り返り、その方へ歩いていったんです」
「……マレアさんだ」
「お知り合いですか?」
「アルピーヌを探している方です。ずっと、帰りを待っているんです」
ミストラはしばらくノアを見つめていたが、やがて静かに目を伏せた。
「……そうでしたか」
彼の視線が、自ら開発に携わった黒い仮面の設計図へ戻る。
「記録を見たとき、あれが名前だと気づくまで時間がかかりました」
ミストラは一度唇を結んだ。
「……私たちは、ずっと管理番号で呼んでいたんです」
ノアは何も言わなかった。
マレアがどれほどアルピーヌの帰りを待ち望んでいるか、彼女は知っている。たった一度名前を呼ばれただけで振り返った竜が、どれほど長くその声を聞いていなかったのかと思うと、膝の上に置いた指が自然と握られた。
その手に、隣からレクサスの指先がそっと触れた。
「その記録を見てから、どうされたんですか?」
レクサスの問いに、ミストラは鞄へ手を伸ばした。
「その夜、家へ帰ってから、アヴァンシアの記録を開きました」
取り出されたのは、一冊の古びた本だった。
西の城壁では損傷の確認が進められ、飛行艇団は上空の警戒を維持している。縮小された障壁も王都を覆ったままで、城内では騎士や伝令が慌ただしく行き交っていた。
その王城の一室で、レクサス、イスト、ノアの三人は、エリシオン侯国から亡命してきた男と向かい合っていた。
ミストラ・ウィングロード。
額には包帯が巻かれ、負傷した肩も固定されている。墜落からまだ幾らも経っていないが、事情聴取を申し出たのは本人だった。
イストは手元の書類に目を落とした。
「確認します。エリシオン侯国技術局所属、ミストラ・ウィングロード技師。侯国からの亡命を希望し、竜の制御装置について情報提供の意思がある。相違ありませんか」
「ありません」
掠れた声ながら、返答は明瞭だった。
イストが次の項目へ移ろうとしたところで、レクサスが口を開いた。
「……ウィングロード?」
その姓を確かめるような呟きに、ミストラが顔を上げる。
「はい。何か?」
「創世神話を編纂した、アヴァンシア・ウィングロードと同じ一族ですか」
ミストラの目がわずかに見開かれた。
「……ご存じなのですね」
「ストーリアでは有名な名前ですから」
ノアもその名を知っていた。創世神イースと、金の竜セレナ、銀の竜セレス。幼い頃から親しんできた創世神話には、編纂者としてアヴァンシア・ウィングロードの名が記されている。
「家に残る系図によれば、私はアヴァンシアの弟の子孫にあたります。彼女の著作も、代々受け継がれてきました」
「そうでしたか。それは興味深いですね」
「ですが、その話は後でも構いません。今は、あの竜たちのことを」
「……アルピーヌのことを教えてください」
ノアの言葉に頷くと、ミストラは鞄から数枚の紙を取り出して机に広げた。
その一枚を見た瞬間、ノアの視線が止まった。アルピーヌの顔を覆っていたものと、よく似た黒い仮面だった。
「これは?」
「初期型の設計図です。私は、この制御装置の開発に関わりました」
「最初から、竜を兵器として使うために?」
「少なくとも、私たちはそう説明されていませんでした」
ミストラは図面に視線を落とした。
「エリシオンでは、竜は危険な生物だと教えられます。制御されていない竜は、いずれ人へ牙を剥く。その根拠として語られるのが、レガリアの存在でした」
「……レガリア?」
「かつてエリシオンを守護しながら、最後には王国を焼き滅ぼした竜。侯国では、そう教えられています」
「その後、レガリアは封印されたはずですね」
レクサスの言葉に、ミストラは頷いた。
「はい。ただ、誰がどのように封じたのか、詳しい記録は残されていません。いずれ封印が解け、旧エリシオンに連なる者たちへ再び牙を剥くと伝えられてきました」
「それが、侯国を障壁で閉ざした理由ですか?」
「はい。外の世界も竜によって荒廃していると教えられていました。障壁の外へ出ることは原則として禁じられ、無許可で越えれば重罪です」
ミストラは窓の外へ目を向けた。
朝日を受けた王都には家々の屋根が連なり、通りには荷馬車が行き交っている。
「……こんなふうに街が続いているとは、思っていませんでした」
「アヴァンシアの記録が家に残っていても?」
「何度も読みました。ですが、あれは遠い昔の記録です。今の竜は当時とは違うのだと教えられていましたから」
ミストラは膝の上で手を組み直した。
「疑おうとも思いませんでした。外の世界を知る手段も、ありませんでしたから」
イストが記録用紙に筆を走らせる中、ミストラは少し間を置いて言葉を継いだ。
「状況が変わったのは、レガリアが死んだという報告が入ってからです」
その名に、ノアの肩がわずかに動いた。
「その情報は、エリシオンにも届いていたんですね」
「はい。それを機に障壁外への調査が再開され、調査隊が竜を連れ帰りました」
「……アルピーヌ」
「私が初めて見た外の竜でした。広い格納区画の奥で拘束され、白い毛並みは汚れ、首には床へ固定された拘束具がつけられていました」
「暴れていましたか?」
「いいえ。それが最初の違和感でした。資料には『捕獲された危険生物』とありましたが、あの竜は周囲を見渡しているだけでした。誰かが区画へ入るたびに顔を上げていたんです」
ノアは昨日のアルピーヌを思い出した。黒い仮面の下に隠されていた瞳が、脳裏によみがえる。
「……誰かを探していたのかもしれませんね」
「今なら、そう思います」
ミストラは図面を引き寄せた。
「その後、暴走を防ぐという名目で装着試験が始まりました。ですが、任務に出るたび、アルピーヌは何度制御しても同じ方角へ向かおうとしたんです」
「帰ろうとしていたんでしょうか」
「それを確かめたくて、無断で記憶の解析記録を閲覧しました」
「記憶……?」
「装置には、竜の視覚や聴覚、それに記憶の一部を読み取る機能があります。行動予測のためですが、閲覧には厳しい制限が設けられていました」
「そこで、何を見たんですか?」
イストの問いに、ミストラは窓の外へ目を向けた。
「森や山々、川の流れる街……そして、そこで暮らす人々です。水辺では水竜が人と共に過ごし、空には飛竜が舞っていました」
窓の向こうでは、朝日を受けた街が普段どおりの営みを続けている。
「最初はストーリアだけが特殊なのだと思い、閲覧できる記録を片端から調べました。ですが、調べるほど、私がこれまで信じてきたものが分からなくなっていったんです」
ミストラは図面の端を指で押さえた。
「そして、ある記録に行き着きました。その中で、アルピーヌが名前を呼ばれていたんです」
ノアが顔を上げた。
「女の人の声でしたか?」
「はい。『アルピーヌ』と。女性がそう呼びかけると、あの竜は振り返り、その方へ歩いていったんです」
「……マレアさんだ」
「お知り合いですか?」
「アルピーヌを探している方です。ずっと、帰りを待っているんです」
ミストラはしばらくノアを見つめていたが、やがて静かに目を伏せた。
「……そうでしたか」
彼の視線が、自ら開発に携わった黒い仮面の設計図へ戻る。
「記録を見たとき、あれが名前だと気づくまで時間がかかりました」
ミストラは一度唇を結んだ。
「……私たちは、ずっと管理番号で呼んでいたんです」
ノアは何も言わなかった。
マレアがどれほどアルピーヌの帰りを待ち望んでいるか、彼女は知っている。たった一度名前を呼ばれただけで振り返った竜が、どれほど長くその声を聞いていなかったのかと思うと、膝の上に置いた指が自然と握られた。
その手に、隣からレクサスの指先がそっと触れた。
「その記録を見てから、どうされたんですか?」
レクサスの問いに、ミストラは鞄へ手を伸ばした。
「その夜、家へ帰ってから、アヴァンシアの記録を開きました」
取り出されたのは、一冊の古びた本だった。
感想 0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します
「子供っぽい嫉妬はやめろ」私が命懸けで出産した日、夫のヴィンセント侯爵は初恋の人の所へ行ってしまった。理由を説明して欲しいと言うと、子供っぽい嫉妬をやめろと厳しい声で言われてしまう。しかも初恋の相手がいきなりやってきて「侯爵様は昔から私を命懸けで助けてくれるんです」と悪びれもせずに言い放った。妻よりも初恋相手を優先する夫は必要ないので私は夫を初恋相手へ返品した。すると生まれてから一度も人に頭を下げたことのないヴィンセントが、ボロボロになって私に頭を下げてきて⋯⋯。
「君を愛している」と言った公爵様には、奥様がいました
「君を愛している」
そう言って、公爵様は私に微笑んだ。
男爵家の庶子だった私には、その言葉だけで十分だった。
王都に用意された小さな家も、初めて身に纏う美しいドレスも、優しく私の名を呼んでくれる公爵様も。
そして、彼との間に授かったお腹の子どもさえ。
全部、夢のような幸せだった。
だから私は、何も知らなかった。
どうして公爵様は、一度も私を夜会へ連れて行ってくれなかったのか。
どうして使用人達が、時折、言葉を飲み込むような顔をしていたのか。
知ろうともしなかった。
幸せな夢から目を逸らさないために。
これは、夢から目覚めた一人の少女が、自らの無知と向き合う物語。
そして、祈ることしかできなかった、私の物語。
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
去りし令嬢の、その後の静けさ
声を荒げることも、言い返すこともなく、
彼女はただ静かに、その家を去った。
残された者が気づくのは、いつも後になってから。
——彼女が毎日していた、名もない献身の重さに。
婚約者の、夫の、家族の「当たり前」を支えていた手が消えたとき、
失われたものの輪郭が、ようやく見えてくる。
ざまぁを声高に描かない。すれ違いと、後悔と、再会の余韻で読ませる。
静かな情がじんわり効く、一話完結の短編集。
※S01「捨てられ令嬢」のアルファポリス最適化分割。
※アルファ読者向け:関係性・感情の機微・余韻を最優先。
【完結】捨てられた侯爵夫人の日記
十五歳で侯爵家に嫁いだイベリス。
夫ハイドランジアは、愛人と別邸に住み、三年の月日が経った。
白い結婚による婚姻不履行が間近に迫る中、イベリスは、高熱を出して記憶を失う。
戻ってきた夫は、妻に仕える侍女アリッサムから、いない月日の間書き綴られた日記を手渡される。
そこには、出会った日から自分を恋しいと思ってくれていた少女の思いの丈が詰まっていた。
十八歳になり、美しく成長した妻を前に、ハイドランジアは、心が揺らぐ。
自分への恋心を忘れてしまったとしても、これ程までに思ってくれていたのなら、また、愛を育めるのではないのか?
様々な人間の思いが交錯し、物語は、思わぬ方向へと進んでいく。
【完結】毎夜、幼馴染の元へ通う夫へ。完璧な妻の仮面は返上いたします
【祝】HOTランキングランクイン!たくさんの応援ありがとうございます!
社交界で「理想の夫婦」と称えられるグランヴェル伯爵夫妻。だが実態は、毎夜幼馴染の愛人の元へ通う夫レオナルドと、一人冷たいベッドで眠るアメリアの「白い結婚」だった。
愛人に金品を貢ぎ、妻を「冷たい飾り」と見下す夫。しかし彼は知らなかった。己が誇る「優秀な領地経営」を担っていたのが、アメリアの頭脳だったことを――。
限界を迎えたアメリアの知的な罠が弾ける時、偽りの夫と愛人に完膚なきまでの絶望が襲いかかる!
※ハッピーエンド保障
※全5話完結しました
3歳で捨てられた件
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
【完結】番なんて信じません!と逃げ出した侍女ですが、氷の黒豹辺境伯様が離してくれません
番なんて、人間から自由を奪う言い訳だ。
母を「番」として奪われた侍女ミレイは、匂いを隠して北の辺境伯邸で働いていた。
けれど薬草が切れた夜、屋敷の主「氷の黒豹」ゼルキウスに見つかってしまう。
「見つけた。……もう、二度と離さない」
逃げても逃げても、静かに、甘く追い詰めてくる黒豹辺境伯。
それでも彼は、決して無理に奪わない。「選ぶのは、お前だ」
番を信じない侍女が、自分の意思で愛を選ぶまでの溺愛ロマンス。
全17話、完結済み。
※この作品は、外部サイトでも掲載しております。