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【ちょいバカくん 灰田勉(1)】
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・【ちょいバカくん 灰田勉(1)】
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僕と啓太で朝、登校していくと、校門の前に灰田勉くんことハイくんが立っていた。片足立ちだった。
「いや何で片足立ちなんだよ」
と啓太がシンプルにツッコむと、ハイくんは得意げに、
「鍛えていました」
それに対して啓太は、
「何の運動になるんだよ」
「それは分からない。でも全部に効いていると思う」
「科学的根拠が示されたヤツをやれよ」
そう言いながら啓太と僕は通り過ぎようとすると、ハイくんはガッと僕の肩を掴んで、
「待ってよ! こっから楽しいトークでしょ!」
と叫んだので、僕は、
「それをやるなら啓太の肩を掴むべきだよ」
するとハイくんは少し恥ずかしそうに照れながら、
「どっちかまだ判別しきれなくてゴメンねっ」
と言って笑った。
ここで啓太が一歩踏み込んで、
「いや判別はできるだろ! 全然顔も背格好も違うだろ!」
ハイくんは小首を傾げながら、
「啓太はガッチリとした体型に坊主で背が高くて野球部みたい。親友くんは細身でスポーツ刈りで背は普通で陸上部みたい。そしてオレは細マッチョでなびく髪に背は高めでサッカー部風のイケメンだ!」
そこに啓太が強めにツッコむ。
「いや最後全部自分に持っていった!」
ついでに僕も言う。
「僕の名前は駿ね」
「えっ? はやおっ? 陸上部ではやおっ? 親の期待に応えるといいぞ!」
啓太が手でハイくんの肩を叩きながら、
「いや陸上部はオマエの想像だろ! 駿は別に何もしていないから!」
それに対してハイくんは、
「あぁ、想像が世界を変えたパターンね」
「いや駿はオマエの想像で陸上部を開始したりしないから」
「でも未来を変えた一歩にはなる!」
そう言って拳を天に掲げたハイくん。
いや全然人の話を聞かないほうの子だ……。
ハイくんはかなり自分が思った方向を曲げない子らしい。
僕と啓太がそのまま玄関に行こうとすると、ハイくんもついてきて、こう言った。
「オレの魅力はすぐに分かるだろうから、一緒にいるのは昼休みだけでいいぞ。啓太も駿も忙しいだろうからな!」
まあ正直そんなに忙しくないけども、それに対して啓太も何も言わなかったので、僕も言わないほうがいいのだろう。
その後、僕・啓太とハイくんはクラスが違うので別れるとすぐさま啓太は大きな溜息をついてこう言った。
「いや結構疲れるな……ほぼ初めての人だから、どこまで突っ込んでいいか分からないし」
確かに。
気心知れた仲なら、ちょっとキツイツッコミをしても大丈夫だけども、初めての人は急にキレるかもしれない。
その辺を探るには時間が短すぎるし、だからって向こうはバンバンボケてくるし。
正直ハイくんのボケはわざとボケているのか、本気でボケているのか分からないところがある。
もしかしたら半分以上は天然なのかもしれない。
「駿、オマエもツッコミたい瞬間があったらバンバンツッコんでいいからな」
「いやそこはもう啓太に任せるよ」
そんな会話をしていると、唯一のクラス内での相方候補である菜乃ちゃんが話し掛けてきた。
「なのー、お疲れの時は菜乃が癒すのー」
この最初に言った”なのー”は菜乃ちゃんの口癖だ。
台詞にリズムを生ませるテクニックと菜乃ちゃんが自らそう言っていた。
リズムというか、ぬるいスタートを生んでいるような気がしないでもないが、菜乃ちゃん的にはかなりいい感じらしい。
啓太はそんな菜乃ちゃんの台詞に対して、
「いやオマエがいると疲れるんだよ、ボケまくるから大変なんだよ」
「全然ボケてないの、じゃあ早速肩から足湯いくの」
「肩なら揉むんだよ、この状況で肩に足湯はもう露天風呂なんだよ」
そうツッコまれて、キャッキャッと喜んでいる菜乃ちゃん。
菜乃ちゃんは本当に啓太のツッコミが好きだな、とか思って見ていると、菜乃ちゃんは普通に啓太の肩を揉みだして、
「おかゆいところはないのー」
「それは美容師な、あとマジで肩を揉まなくていいから。嫌だろ、小五が小五に肩を揉む光景」
「菜乃のホスピタリティなのー」
急に献身性という言葉を英語で言ったなぁ、と思った。
覚えたてなのかな、と思った。
そんなことを考えていると啓太が僕のほうを見てきて、
「何か思いついたんだったらマジで駿がツッコんでいいんだぞ」
いや
「僕の考えたことなんて全然面白くないから大丈夫だよ」
と返すと、そこに菜乃ちゃんがカットインしてきて、
「なのー、面白くない人なんていないから大丈夫なのー、むしろ駿くんはずっと啓太くんの近くにいて面白オーラ浴びちゃってるから、もう面白いのー」
と言われたので、僕は思ったことをそのまま
「そんな啓太を滝のマイナスイオンみたいに言われても」
それに対して菜乃ちゃんは、
「良いツッコミなの! 菜乃は二人の人からツッコまれると二倍嬉しいの! いやもう相乗効果で三倍なの!」
そう言って手を叩いて喜んだ。
すると啓太が、
「いや俺の耳元で手を叩くな、肩の流れで耳元で叩くな」
菜乃ちゃんは少しビックリした顔をしながら、
「菜乃がボケだと思っていないことにもツッコんでくるのー! さすが啓太くんなのー!」
と言ってから、啓太の耳の近くで大きく一回手を叩いた。
それに対して啓太は、
「いやわざとのそれはただの悪意だろ」
「なのー……叱られちゃったの……」
と言いながら菜乃ちゃんは肩をすぼめて、シュンとしながら自分の席に戻っていった。
啓太はそれを目で追いながら、
「あれはポーズですぐに元気になるからな」
と言うと案の定、菜乃ちゃんは席に着くなり、隣の席の子と楽しそうに会話し始めた。
まあそれは僕も知っているけども。
菜乃ちゃんが本気で落ち込むことなんて無いけども。
そんなこんなでホームルームが始まって、授業が始まって、給食もあって、あれよあれよと昼休みになった。
・【ちょいバカくん 灰田勉(1)】
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僕と啓太で朝、登校していくと、校門の前に灰田勉くんことハイくんが立っていた。片足立ちだった。
「いや何で片足立ちなんだよ」
と啓太がシンプルにツッコむと、ハイくんは得意げに、
「鍛えていました」
それに対して啓太は、
「何の運動になるんだよ」
「それは分からない。でも全部に効いていると思う」
「科学的根拠が示されたヤツをやれよ」
そう言いながら啓太と僕は通り過ぎようとすると、ハイくんはガッと僕の肩を掴んで、
「待ってよ! こっから楽しいトークでしょ!」
と叫んだので、僕は、
「それをやるなら啓太の肩を掴むべきだよ」
するとハイくんは少し恥ずかしそうに照れながら、
「どっちかまだ判別しきれなくてゴメンねっ」
と言って笑った。
ここで啓太が一歩踏み込んで、
「いや判別はできるだろ! 全然顔も背格好も違うだろ!」
ハイくんは小首を傾げながら、
「啓太はガッチリとした体型に坊主で背が高くて野球部みたい。親友くんは細身でスポーツ刈りで背は普通で陸上部みたい。そしてオレは細マッチョでなびく髪に背は高めでサッカー部風のイケメンだ!」
そこに啓太が強めにツッコむ。
「いや最後全部自分に持っていった!」
ついでに僕も言う。
「僕の名前は駿ね」
「えっ? はやおっ? 陸上部ではやおっ? 親の期待に応えるといいぞ!」
啓太が手でハイくんの肩を叩きながら、
「いや陸上部はオマエの想像だろ! 駿は別に何もしていないから!」
それに対してハイくんは、
「あぁ、想像が世界を変えたパターンね」
「いや駿はオマエの想像で陸上部を開始したりしないから」
「でも未来を変えた一歩にはなる!」
そう言って拳を天に掲げたハイくん。
いや全然人の話を聞かないほうの子だ……。
ハイくんはかなり自分が思った方向を曲げない子らしい。
僕と啓太がそのまま玄関に行こうとすると、ハイくんもついてきて、こう言った。
「オレの魅力はすぐに分かるだろうから、一緒にいるのは昼休みだけでいいぞ。啓太も駿も忙しいだろうからな!」
まあ正直そんなに忙しくないけども、それに対して啓太も何も言わなかったので、僕も言わないほうがいいのだろう。
その後、僕・啓太とハイくんはクラスが違うので別れるとすぐさま啓太は大きな溜息をついてこう言った。
「いや結構疲れるな……ほぼ初めての人だから、どこまで突っ込んでいいか分からないし」
確かに。
気心知れた仲なら、ちょっとキツイツッコミをしても大丈夫だけども、初めての人は急にキレるかもしれない。
その辺を探るには時間が短すぎるし、だからって向こうはバンバンボケてくるし。
正直ハイくんのボケはわざとボケているのか、本気でボケているのか分からないところがある。
もしかしたら半分以上は天然なのかもしれない。
「駿、オマエもツッコミたい瞬間があったらバンバンツッコんでいいからな」
「いやそこはもう啓太に任せるよ」
そんな会話をしていると、唯一のクラス内での相方候補である菜乃ちゃんが話し掛けてきた。
「なのー、お疲れの時は菜乃が癒すのー」
この最初に言った”なのー”は菜乃ちゃんの口癖だ。
台詞にリズムを生ませるテクニックと菜乃ちゃんが自らそう言っていた。
リズムというか、ぬるいスタートを生んでいるような気がしないでもないが、菜乃ちゃん的にはかなりいい感じらしい。
啓太はそんな菜乃ちゃんの台詞に対して、
「いやオマエがいると疲れるんだよ、ボケまくるから大変なんだよ」
「全然ボケてないの、じゃあ早速肩から足湯いくの」
「肩なら揉むんだよ、この状況で肩に足湯はもう露天風呂なんだよ」
そうツッコまれて、キャッキャッと喜んでいる菜乃ちゃん。
菜乃ちゃんは本当に啓太のツッコミが好きだな、とか思って見ていると、菜乃ちゃんは普通に啓太の肩を揉みだして、
「おかゆいところはないのー」
「それは美容師な、あとマジで肩を揉まなくていいから。嫌だろ、小五が小五に肩を揉む光景」
「菜乃のホスピタリティなのー」
急に献身性という言葉を英語で言ったなぁ、と思った。
覚えたてなのかな、と思った。
そんなことを考えていると啓太が僕のほうを見てきて、
「何か思いついたんだったらマジで駿がツッコんでいいんだぞ」
いや
「僕の考えたことなんて全然面白くないから大丈夫だよ」
と返すと、そこに菜乃ちゃんがカットインしてきて、
「なのー、面白くない人なんていないから大丈夫なのー、むしろ駿くんはずっと啓太くんの近くにいて面白オーラ浴びちゃってるから、もう面白いのー」
と言われたので、僕は思ったことをそのまま
「そんな啓太を滝のマイナスイオンみたいに言われても」
それに対して菜乃ちゃんは、
「良いツッコミなの! 菜乃は二人の人からツッコまれると二倍嬉しいの! いやもう相乗効果で三倍なの!」
そう言って手を叩いて喜んだ。
すると啓太が、
「いや俺の耳元で手を叩くな、肩の流れで耳元で叩くな」
菜乃ちゃんは少しビックリした顔をしながら、
「菜乃がボケだと思っていないことにもツッコんでくるのー! さすが啓太くんなのー!」
と言ってから、啓太の耳の近くで大きく一回手を叩いた。
それに対して啓太は、
「いやわざとのそれはただの悪意だろ」
「なのー……叱られちゃったの……」
と言いながら菜乃ちゃんは肩をすぼめて、シュンとしながら自分の席に戻っていった。
啓太はそれを目で追いながら、
「あれはポーズですぐに元気になるからな」
と言うと案の定、菜乃ちゃんは席に着くなり、隣の席の子と楽しそうに会話し始めた。
まあそれは僕も知っているけども。
菜乃ちゃんが本気で落ち込むことなんて無いけども。
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