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4.違うの
しおりを挟む「僕との約束を破ったね」
えっ!?
驚いて見開いた赤ずきんの目いっぱいに、上から覗きこむ狩人が映っています。
「狩人さん!? えっ、あっ、いや、ちがうの、これ」
「何が違うんだい? 今も狼と繋がってるじゃないか」
「え、ああ、いや、離れて」
赤ずきんが暴れても狼に押さえつけられてる腰は動きません。それどころか、狼はニヤニヤ笑いながら腰をグルリと動かして中を掻きまわしました。
「赤ずきんちゃんてばヒドイなぁ。俺をギュウギュウ咥えてイったくせに」
「あ、いや、いやぁ、ちがうの」
狼とのセックスを狩人に咎められて焦る赤ずきんは、狩人と狼が動揺もせずにいるおかしな状況にも気づけません。
「赤ずきん、狼で気持ち良くなったのかい?」
狩人は薄く微笑んで、プルンとこぼれ出た赤ずきんの大きく柔らかな胸をギュッと掴みました。そうして乳輪から乳首まで絞るように揉み上げます。
「悪い子だ」
「あ、あ、だって、やだって、言って、ぁぁん」
「嘘をついても駄目だよ。最初から見てたんだから」
「え」
そうです、狩人は最初の花畑から見ていました。離れたところから木に隠れて。
赤ずきんに別れを切り出された狩人が、狼に相談したのがすべての始まりです。
狩人が、街から追い出されて森で倒れていた狼を助け、二人は知り合いになりました。閉鎖的な村人たちは狼を嫌いましたが、森に生きる狩人は狼を助け、お礼に狼が狩りを助け、そうして親しくなったのです。
思い悩んでいた狩人から赤ずきんのことを聞いた狼は、狩人に提案しました。狩人一人で物足りないなら狼も合わせて二人で満足させよう、と。青姦で興奮するなら覗きもきっと好きだろうと。
狼の親切心でもありますが、邪な欲望も含まれていました。街を追い出されて以来、誰とも寝ていない狼は狩人から聞く淫らな赤ずきんに舌なめずりしていたのです。
執着の強い狩人にとって、狼の提案は受け入れがたいものでした。ずっと前から好きでたまらなかった赤ずきんとやっとのことで恋人になったのですから。村の男たちと仲良くやってるのを指をくわえて眺めてるあいだ、どれだけ歯ぎしりしたでしょうか。それなのに、今度は狼と?
怒りに震える狩人に、狼は安心させるよう人のよい笑みを浮かべます。
赤ずきんが本当に嫌がるならしないから、試してみようぜ。女を喜ばせるやり方も教えてやるよ。街を追い出された理由話したろ? 有力者の奥方どもと寝たからだって。女のほうから俺を誘ってきたのにひでぇよな。それくらい喜ばせてたってこと。なあ、このまま赤ずきんに逃げられたくないだろ?
散々逡巡したあとで狩人は頷きました。もし今、別れなかったとしても、もし結婚したとしても、赤ずきんはまた物足りなくなる。そのとき、人妻を喜ばせた狼のやり方が必要になるはずだから。
そうして二人を陰から覗いていたのです。狩人の唇は、噛み締めたせいで血がにじみ、陰茎は先走りが今までになく溢れるせいでドロドロに汚れ、胸の中がグラグラと煮え立っています。
「狼を呼びながら自分で弄っていたことも、狼に入れられてすぐに達したのも、子種を中に出されると聞いて自分から腰を振っていたのも」
狩人の声は冷たい怒りを含み、それでいて興奮に上擦っていました。狼に触れられて喘ぐ赤ずきんを見て感じたのは怒り、苛立ち、でもそれだけではありません。自分ではまだ何かわからない、腹の底から燃えるような何かが体の中で渦を巻いていました。
狩人の手はいつもより強く、赤ずきんの胸を執拗に責め続けます。手で掬い上げた乳房の真ん中でコリコリに硬くなった乳首に指を突き立てて潰しました。グリグリと指で押し回しながら、情欲の火を宿した目で赤ずきんを見下ろします。
「あ、でもでも、ダメって、言ったわ」
「言ったね。抵抗もせずに口だけで。淫乱な君が蜜をこぼしながらでも言ったのを褒めるべきかな。口だけの抵抗が、狼と楽しむためのスパイスだったとしても?」
「ああ、やっ、ちが、ちがうのぉ、ああっ」
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