いつの間にか魔王の花嫁にされてしまいました

えりー

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ジオンの暴走

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まゆは朝早く目を覚まし台所に行った。
朝食の用意の為だ。
・・・といっても簡単な物しか作れない。
踏み台に乗りパンと目玉焼きとウインナーを焼くくらいだ。
最近ではジオンの方が料理が上手になってきている。
本で勉強しているようだった。
「任せきりはよくないよね」
そう言いながらまゆは目玉焼きとウインナーを綺麗に焼いた。
「よかった、今日は焦げなかった」
ふぅと一息つき料理と後片付けをした。
そしてジオンを起こしに行った。
まゆとジオンは毎晩一緒のベッドで眠る。
ジオンがベッドにもぐりこんでくるのだ。
特に何かされるわけではなくただ抱きしめられるのだ。
たまにきわどい所に触れられるがすぐに止めてくれる。
だからまゆも気にしないようにしている。
しかし、恥ずかしさはあった。
(アレってそういう事がしたいって事だよね・・・)
まゆは昨夜触られた感触を思い出し頬を染めた。
学校の授業で習ったので知識だけはある。
「ジオン。朝ごはんできたよ」
ジオンに触れようとした瞬間、布団から手がにゅっと出てきてあっという間に布団に引き込まれた。
ジオンはまゆを抱きしめ離そうとしない。
まだ膨らみのない胸に触れてきた。
「きゃぁ!」
まゆは驚き小さな悲鳴を上げた。
ジオンはまだ寝ぼけているようだった。
「・・・!」
ジオンはまゆの声を聞き我に返った。
自分が組み敷いた小さな体をしげしげと眺めた。
そして、まゆから体を離した。
「頭を冷やしてくる」
そう言うと自室へ戻っていった。
ジオンが何をしようとしたのかはまゆにとってイイコトではないようだ。
「・・・ご飯冷めちゃうよ・・・」
そう言い1人食事を済ませた。
ジオンの食事の分にはラップをかけた。
学校に行く時間になってもジオンは部屋から出てこなかった。
玄関で小さな声でまゆは呟いた。
「行ってきます」
いつもならジオンが隣にいてくれるのに今日は独りぼっち・・・。
その事が悲しかった。
今までこんな事一度もなかったのにー・・・。
(いきなりどうしたっていうのよ)
「私の起こし方が悪かったのかな・・・」
よく分からないまま、まゆは反省した。
(私はジオンの事どう思っているんだろう・・・)
「本当に好きなのかな?」
いきなり花嫁になってしまったのでまだジオンをどう思っているか自分でもよくわからない。
ただジオンに触れられたりキスされるのは嫌ではなかった。
ただ今日はいつもと違って直に触れられたので驚いた。
「あれは寝ぼけていただけだよ」
まゆは自分にそう言い聞かせた。
家に帰ればきっといつものジオンに戻っているはず・・・。
まゆはそう願うしかなかった。

「・・・危なかった」
自室に戻ったジオンは1人呟いた。
もう少しでまゆに手を出してしまう所だったのだ。
あんな小さな体では俺を受け入れるなんて無理だろう。
そんな事は分かっている。
しかし、魔族は花嫁を強く求めてしまう傾向にある。
魔力が強ければ強いほど求める力も強い。
ましてや魔王のジオンは必死で今までも抑えてきた。
まゆが学校へ行くのを確認してから一階に降りた。
すると書置きとまゆが作った朝食が置いてあった。
書置きにはこう記されていた。
”私の起こし方がわるかったのかな?ごめんね”
その言葉を見た瞬間自分がやらかしてしまった事を再認識させられた。
頭を抱えその場にへなへなと座り込んだ。
まゆは自分に非があると思う癖がある。
ジオンは否定しに冷えた朝食を食べ、まゆの元へ向うことにした。
せっかくまゆが自分の為に作ってくれた朝食を食べないことは悪い事のように感じたのだ。
(まゆはもう俺の事嫌いになってしまっただろうか)
あんな事するつもりなかったのに・・・
(俺はまゆを傷つけた)
そう思うと胸が苦しくなってきた。
最近、ようやく笑顔を少しずつ見せてくれるようになったのにー・・・
(何やってんだよ俺は)
ジオンは顔を洗いに洗面所へ向かった。
すると黒くなりかかっていた目が美しい赤に戻ってしまっていた。
・・・その光景を見てジオンは納得した。
「まゆの本当の望みー・・・」
(それはきっと・・・)
魔界からその様子を水晶を通して見ていたジンは呟いた。
「ようやく気が付いたかな?」

ジオンは学校につき、まゆの姿を探した。
まゆは科学の授業中だった。
すぐにまゆはジオンの姿を見つけた。
まゆはジオンに微笑みかけた。
ジオンはその笑顔を見て不覚にもときめいてしまった。
アルコールランプの炎が揺らめいている。
(子供にあのランプは危ないんじゃないのか?)
そう思いながらも授業が終わるのを大人しく待つことにした。
授業の途中で連れ出すわけにはいけない。
その時だった。
他の班のアルコールランプが床に落ちわれ、火が床に燃え移ったのだ。
ジオンは魔術を使いすぐに火を消してやった。
その事が後々面倒ごとに発展するなんてこの時は何も思わなかった。

授業が終わり、屋上にまゆを連れ出した。
「まゆ、今朝はその・・・怖い思いをさせて悪かった」
「私の起こし方が気に障ったの?」
「違う!魔族は・・・花嫁になった女を強く求めるように出来ているんだ」
「?」
幼いまゆには何のことかさっぱりわからなかった。
「じゃぁ、私は悪くないの?」
不安そうにまゆは聞いてきた。
「ああ、悪いのは全て俺だ」
「こ、怖かったけど嫌じゃなかったからね?」
そう言い残しまゆは教室へ戻っていった。
その言葉が嬉しくてジオンは真っ赤になった。
「まゆの奴・・・そんなに無防備だから俺みたいのに襲われるんだよ」
ジオンは一度家へ戻り、学校が終わる頃まゆを迎えに行くことにした。

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