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博文への話

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1ヵ月後、博文は退院した。
博文は病室で荷物を纏めていた。
するとノックの音が聞こえた。
「はい」
返事をするとドアが開き、杏が姿を現した。
「杏、今日は平日だぞ?学校は?」
「サボっちゃった」
愛らしい笑みを浮かべながら杏はそう答えた。
(うっ、可愛い・・・)
家に帰りづらいなぁっと思いつつ荷物を鞄に詰めていた。
家族は杏との事を応援してくれている。
それは嬉しいが・・・恥ずかしくもある。
「杏、俺に話があるんだよな?」
「・・・うん」
杏は頬を染めながらそう答えた。
「どうした?顔が赤いぞ?」
そう言いながら杏に手を伸ばすと杏は避けずに大人しく触れさせてくれた。
「もう男嫌いは治ったのか?」
「ううん、まだ怖いよ」
(それならどうして俺に触れられても怖がらないんだろう)
「そうか。そう簡単には治らないよな」
「・・・荷物の準備は出来た?退院の手続きは終わらせてきたよ」
「よし、じゃあ家に帰ろうか」
「うん」
家に帰っている時も杏は顔を赤くして俯いているだけだった。
(一体どうしたんだろう?)
玄関を開け、家に入るとようやく杏が口を開いた。
「荷物、片付けたら私の部屋に来てくれない?」
「分かった。ちょっと時間がかかるけどいいか?」
「うん、大丈夫。じゃあ部屋で待ってるね」
そう言い2人は別れた。
それから30分後杏の部屋に博文がやってきた。
(話って何だろう)
トントンっとノックをすると中から少し緊張した杏の声が聞こえた。
「どうぞ」
「入っていいのか?」
「うん、博文君は特別だから」
その言葉に引っかかりを感じた博文は杏に訊ねた。
「”弟”だからか?」
少しむっとした顔でそう言うと杏は急いで否定してきた。
「違うの!そういう特別なんじゃなくて・・・」
「じゃあ、どういう意味だ?」
杏は真っ赤になりながら言った。
「私、博文君が好きなの」
「え?」
意外な言葉に博文は戸惑った。
杏は動揺している博文の唇にキスをした。
博文は一体何が起こったのか頭が付いていかなかった。
「杏?」
「今日は母さん達帰ってこないの。遠方の法事で出かけてるの」
杏の声は少し震えていた。
「・・・杏に・・・触れていいのか?」
そう博文が問うと杏は赤みがっかった顔をさらに赤くして頷いた。
博文はベッドに杏を押し倒した。
そして、キスをした。
初めは触れるだけのキスだったが徐々に深いものになっていった。
杏はされるままになっている。
特に抵抗もせずじっとしている。
「ん、んぅ、ふぅ・・・」
少し息苦しそうに声を上げて喘いでいる。
「抵抗しないと最後までするぞ」
「・・・っ、いいよ。博文君の好きにして?」
博文が頭をガリガリ掻きながら言った。
「あんまり煽るなよ。自制が利かなくなる」
杏の服に手をかけ脱がせていく。
下着姿にされ、杏は羞恥心から身を捩って体を隠そうとした。
博文は自分の服を脱ぎ捨て下着姿の杏に覆いかぶさった。
杏を見ると自分で下着を脱ぎ始めていた。
下着を脱ぎ終えた杏は博文に抱きついた。
そして傷口にそっと触れた。
「痛かったよね・・・ゴメンね」
「大したことない」
「んっ」
口腔内を犯すようなキスを繰り返し杏にした。
杏は酸素が足りず、蕩けるような顔になった。
(色っぽい)
胸に手を伸ばし両方の手で揉みほぐしていく。
初めはくすぐったそうにしていたが徐々に気持ちが良くなってきたようで甘い声を漏らすようになった。
濡れているか確認するために秘所へ触れてみると、薄ら湿り気を帯びとろっとした何かで濡れていた。
胸を揉みながら花芯を探り当て円を描くように擦り始めた。
「ぅうん、はぁん、あっん!」
身をよじらせながら喘いでいる杏を見ると愛おしさがこみあげてきた。
自分の愛撫に反応てくれていることが嬉しかった。
「あ・・・ぅ、も、やめてぇ!何か来ちゃう」
必死に縋りつく杏は可愛らしい。
「・・・イケばいい・・・」
そう言うと杏は呆気なく達した。
「あぁぁぁん!」
体を引くつかせながら恥ずかしそうにしている。
蜜口は充分に濡れていた。
指を1本入れてみると杏は体を逸らせた。
博文の指を咥え込みきゅうきゅうと締め付けてくる。
「やっぱりきついな・・・」
博文も杏も初めて同士なので知識はあっても未知の出来事だ。
「指を増やすぞ」
「う・・・うん」
そういいながら指をもう1本増やした。
すんなり蜜口に飲み込まれていった。
2本の指で中をかき混ぜながら蜜口を広げていく。
指3本ようやく入るようになってから博文は自身のモノを杏の蜜口へ押し挿れていった。
「う、痛い・・・!!」
「痛むのか?」
慌てて抜こうとすると杏が言った。
「お願い。一思いに挿れてぇ!」
「・・・わかった」
そう言い杏の言う通りにした。
すると杏は小さく悲鳴を上げ、瞳からは涙がこぼれていた。
「大丈夫なのか?」
(気持ちいい・・・)
杏は頷いた。
「動くぞ」
そう言うと腰をゆっくり動かし始めた。
杏の中はイッたばかりだったので博文のモノをぎゅぎゅうと締め付け、何かを搾り取るような動きを見せる。
それでも博文は腰の動きをより早くしていった。
「あん、あっあぅ、んぅ」
杏も気持ちがいいのか甘い声を上げ続けている。
「も、俺も・・・イクっ」
そう言うと白濁した液を杏の腹の上に出した。
そしてティッシュで慌ててふき取った。
暫く2人とも動けず、ベッドに横になった。
「杏、俺の恋人になってくれるのか?」
「恋人とじゃないとあんなことしない」
杏は真っ赤になりそっぽを向いてしまった。
2人は眠気に襲われ、そのまま眠ってしまった。
気が付いた時は夜中の1時だった。
それから杏が目玉焼きとトーストを持ってきた。
「ゴメン、これ位しか作れないの」
「それより動いて大丈夫なのか?」
「少し痛いけど大丈夫」
博文はそれを聞いて安心した。
2人で目玉焼きとトーストを食べた。
「この事は・・・お母さんたちに内緒にしておこうね」
「あの2人勘が良いから怖いなぁ」
そう言うと杏は笑った。

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