俺の妹が悪役令嬢?そんなの兄の俺が許さない!

ねこ沢ふたよ

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アスナ、恐ろしい子!

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 俺たちは、放課後、寮室でフランネにアスナの考えを聞いてみる。

「それが、具体的にいつ何をしようとしているかは、まだよく分からないんだ」
フランネが、ため息をつく。

「フランネ、少しでもいいので、教えてもらえませんか?」

 リンネの言葉に、フランネがチラリと俺をみる。
 え、俺に関連しているってこと? 俺のやらかしが、またシロノの足を引っ張っている感じ?

「実は、冬休みにリオスがセシル様に怪我を負わせただろう? その件の黒幕が、シロノだって言いふらしているんだ」

「は? シロノは、学校にもいなかったんだぞ? そのことは、フランネだってアスナだって知っているだろう?」

「俺は、分かっている。シロノが何の関係もないことぐらい。ただリオスがポンコツで、セシル様が、ポンコツなリオスを放っておけなくて、こんな事態になってしまったことも」

「ポンコツで悪かったな。だが、その通りだ! ううっ……」

 なんでそんなことになるんだ。
 なんで、俺のささやかなポンコツが、こんな風に最悪のルートに繋がっていくのか。
 俺は自分のベッドで倒れ込んで、枕を抱きしめる。

「とにかく、アスナとその取り巻きの話によれば、シロノは、自分が正妃になるために、リオスを操っているのだと。そして、うまくいかないから、いっそセシル様に重大な怪我を負わせて、セシル様の失脚を狙っているんだと」

「それはまた、大きく出たな。セシル様の失脚なんて狙ってどうするんだよ?」

 マキノが、眉間に皺を寄せる。そりゃそうだ。だって、セシル様が失脚したら、国が成り立たなくなる。

「全ては、父の悪役宰相グスタフの差し金。女王アレーナ様を傀儡にしているグスタフが、立派に成長したセシル王太子を煙たがらない訳がない。娘シロノが正妃になって王家を手に入れられないなら、セシル王太子を失脚させて、ゆくゆくは自分が玉座に就く計画なのだと」

 親父の日ごろの評判の悪さが、最大限に裏目に出ている。
 俺のポンコツ具合を知らないで、アスナが正統派ヒロインだと信じて疑わないなら、そんな荒唐無稽な話も、真実のように聞こえないこともないこともない……たぶん。

「アスナの取り巻き、もう洗脳されたように、アスナを信じ切っているからな。俺、何人かにそれとなく手帳の話をしてみたんだぜ。誰も全く信じないんだ」

 フランネが、あ~あ、と言いながら、仰向けに俺のベッドに倒れ込んでくる。

 わ、わわっ!

 フランネに抱き枕にされて、もがく俺。こんな時に何をふざけているんだ。

「フランネ! てめぇ! どさくさ紛れに何しやがる!」

マキノが、助け出してくれる。

「そういうの、今いいんで!」

リンネが鋭くツッコミを入れる。
 俺も、そう思うんだよ!

「困りましたね。脚立から落ちたリンネを助けようとセシル様が打撲した話が、そんなに問題が大きくなっているとは」

 俺も、そう思うんだよ!!
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