6 / 7
6.自業自得な結末 ベルヴェ
しおりを挟む「……あぁ、もう!本当に、腹が立つわっ!!」
ベルヴェは不機嫌な表情浮かべながら、ドスドスと音を立てて家中を歩き回っていた。
「あのままいけば、今よりもいい暮らしが出来る予定だったのに!!」
全てが順調な筈だった。
私の家よりも上の位であるルージュ伯爵令嬢、カメリアからノイズィー子爵令息…レリックを略奪するまでは良かった。
公爵家主催のパーティーで、レリックがカメリアとの婚約を破棄すると宣言した時は、嬉しさと同時に彼女に勝ったという優越感から、思わず口元に笑みを浮かべてしまった。
彼の隣まで歩いて行ってカメリアの顔をよく観察してみると、レリックに振られたのがよほどショックだったのか、悲し気に顔を俯かせている。
彼女のその姿に、更に気分を良くした私は、早速レリックと一緒に婚約パーティーや新しいドレス、スーツのことばかりを考えいた。
周りが向けてくる冷たい目線に、気付かないまま。
◆
それから少しして、私宛に1通のお茶会への招待状が届いた。主催はあのルージュ伯爵で、爵位の高い令嬢達も多く参加すると記されている。
私の事をアピールする絶好の機会、早速参加する旨を返信しその日が来るのを待ち侘びた。
そしてお茶会当日…高級なお菓子や美味しいお茶に気を良くした私は、カメリアに向かって失礼な言葉を、何度も彼女に投げかけてしまった。
その時の発言を令嬢達に聞かれ、噂が広がっていくのはあっという間のことだった。
後日…
公爵家主催のパーティーでの婚約破棄騒ぎや、お茶会での噂がサンバー家にも届いた。
噂を聞いた母は真っ青な顔をしてその場に座り込んでしまい、それを慌てて支える父は怒りとも蔑みとも言える表情をして私を睨みつけて来た。
「ベルヴェ…貴女、なんてことをしてくれたの…!このままでは、私達は……。」
「あぁ…このままではサンバー家は終わってしまう。とにかく両家に謝罪に行かなければならない。我が家に対する罰もじきに決まるだろう…。全く、とんでもないことをしてくれたな。この愚か者が。」
子爵令息との婚約なら喜んでくれると思っていたのに、両親が予想外の反応したから私は思わず怯んでしまった。
おかしいな、こんなに両親が同様や怒りを露わにすることは今まで無かったのに…。
呆然と佇む私のことが見えていないのか、両親は使用人に指示をしながらあたふたと身支度を整え、あっという間に家から飛び出して行ってしまった。
私は不機嫌な表情をした使用人に無理矢理自室に押し込められて、軟禁されてしまった。
「ねぇ!私にこんなことしてどういうつもり!?解雇でもされたいの!?」
扉の向こうにいるであろう、使用人にドアを叩きながら怒鳴りつけると呆れた果てたような声が聞こえてきた。
「旦那様から貴女を部屋に閉じ込めるよう指示されています。これから旦那様達がこの屋敷に帰られるまで、部屋の外に出るのを一切禁じます。貴女の罪は旦那様が戻られた時、分かるでしょう。」
◆
その後、日が沈みかけた頃にようやく屋敷に戻って来た両親から、男爵家存続の条件として私を男爵家から追放し、平民落ちさせることに了承したと告げられた。
流石に夜が迫るこの時間に、屋敷から追放するのは気の毒だと今晩だけは屋敷にいていい事になった。
ベッドに座ってぼんやりしていると、使用人が私用の鞄に、飾り気の少ない服や日用品、幾らかのお金を詰めて明日の準備をしているのが目に入った。
「…もう、パーティーもお茶会もこりごりよっ!」
誰にも聞こえないくらい小さな声で、私はポツリと憎まれ口を叩いた。
41
あなたにおすすめの小説
【完結】離縁されたので実家には戻らずに自由にさせて貰います!
山葵
恋愛
「キリア、俺と離縁してくれ。ライラの御腹には俺の子が居る。産まれてくる子を庶子としたくない。お前に子供が授からなかったのも悪いのだ。慰謝料は払うから、離婚届にサインをして出て行ってくれ!」
夫のカイロは、自分の横にライラさんを座らせ、向かいに座る私に離婚届を差し出した。
【完結】ちょっと待ってくれー!!彼女は俺の婚約者だ
山葵
恋愛
「まったくお前はいつも小言ばかり…男の俺を立てる事を知らないのか?俺がミスしそうなら黙ってフォローするのが婚約者のお前の務めだろう!?伯爵令嬢ごときが次期公爵の俺に嫁げるんだぞ!?ああーもう良い、お前との婚約は解消だ!」
「婚約破棄という事で宜しいですか?承りました」
学園の食堂で俺は婚約者シャロン・リバンナに婚約を解消すると言った。
シャロンは、困り俺に許しを請うだろうと思っての発言だった。
まさか了承するなんて…!!
【完結】私の小さな復讐~愛し合う幼馴染みを婚約させてあげましょう~
山葵
恋愛
突然、幼馴染みのハリーとシルビアが屋敷を訪ねて来た。
2人とは距離を取っていたから、こうして会うのは久し振りだ。
「先触れも無く、突然訪問してくるなんて、そんなに急用なの?」
相変わらずベッタリとくっ付きソファに座る2人を見ても早急な用事が有るとは思えない。
「キャロル。俺達、良い事を思い付いたんだよ!お前にも悪い話ではない事だ」
ハリーの思い付いた事で私に良かった事なんて合ったかしら?
もう悪い話にしか思えないけれど、取り合えずハリーの話を聞いてみる事にした。
【完結】私の事は気にせずに、そのままイチャイチャお続け下さいませ ~私も婚約解消を目指して頑張りますから~
山葵
恋愛
ガルス侯爵家の令嬢である わたくしミモルザには、婚約者がいる。
この国の宰相である父を持つ、リブルート侯爵家嫡男レイライン様。
父同様、優秀…と期待されたが、顔は良いが頭はイマイチだった。
顔が良いから、女性にモテる。
わたくしはと言えば、頭は、まぁ優秀な方になるけれど、顔は中の上位!?
自分に釣り合わないと思っているレイラインは、ミモルザの見ているのを知っていて今日も美しい顔の令嬢とイチャイチャする。
*沢山の方に読んで頂き、ありがとうございます。m(_ _)m
【完結】誕生日に花束を抱えた貴方が私にプレゼントしてくれたのは婚約解消届でした。
山葵
恋愛
誕生日パーティーの会場に現れた婚約者のレオナルド様は、大きな花束を抱えていた。
会場に居る人達は、レオナルド様が皆の前で婚約者であるカトリーヌにプレゼントするのだと思っていた。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
お姉様から婚約者を奪い取ってみたかったの♪そう言って妹は笑っているけれど笑っていられるのも今のうちです
山葵
恋愛
お父様から執務室に呼ばれた。
「ミシェル…ビルダー侯爵家からご子息の婚約者をミシェルからリシェルに換えたいと言ってきた」
「まぁそれは本当ですか?」
「すまないがミシェルではなくリシェルをビルダー侯爵家に嫁がせる」
「畏まりました」
部屋を出ると妹のリシェルが意地悪い笑顔をして待っていた。
「いつもチヤホヤされるお姉様から何かを奪ってみたかったの。だから婚約者のスタイン様を奪う事にしたのよ。スタイン様と結婚できなくて残念ね♪」
残念?いえいえスタイン様なんて熨斗付けてリシェルにあげるわ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる