師匠と森を出た天才魔法使いの私、実力差がありすぎて毎日が退屈です

闇堕ち編

14 レミ…？

部屋について部屋の中を見渡すと全員そろっていた。
誰も一言も発しない沈黙が続く部屋に私はいつもの場所に座った。

座った後も、メイドたちが料理を出してきて机に置かれる。
今日はお魚がメインの料理みたいだ。私は静かにフォークとナイフを持ち食べようとした。
けれども、誰も他の人は料理に手を付けない。

なのに私だけ、料理に手を付けるのはなんだかおかしい気がしたので父やバサお兄ちゃんが手を付けるまで料理に手を付けなかった。

手を付けたかと思えばだれも言葉を発さずに部屋にはフォークとナイフが初期にあたる音だけが部屋中に響き渡っていた。

そんな中食べる料理はおいしくはなかった。

時間が経ち食事を食べ終えてみんなが部屋に戻っていく。
なんだか今日一日でみんながおかしくなった気がした。すると、口を拭いていた父が言った。

「今日の料理はおいしかったか？」

「おいしかったです」

「そうかそうか…それはよかった」

父はそう言い立ち上がり部屋を出て行こうとしている。そんな父に私は言った。

「今日皆さんおかしくないですか？」

「おかしいとは？」

「みんな、一言も話さずに料理に手を出していたもんですから…」

「あぁ…」

父はため息を交えながら言った。今日は何か特別なことがあったのだろうか…

「今日は、私の妻であるアリサが亡くなったんだ…」

私は父の言いかけた言葉で何となく察した。今日はルナやバサお兄ちゃんのお母さんの命日だった。
だから、みんな俯きながら食事をしていた。それは、気分も下がるな私は思った。

「なんだか、すみません」

私は謝ると父は笑顔で言った。

「気にするな！こっちに事情だからな！」

そういい父は部屋を出て言った。私は椅子から立ち上がり部屋を出ようとしたが…

「シズク様、どちらに？」

「どこって…部屋だけど？」

「今部屋にはいかないほうが…」

「なんでよ？」

「それは…」

レミが言いずらそうにしていたので私は魔法で自分の部屋を探知した。すると、確かに何かの反応があった。なんでレミが私の部屋に何かいるとわかったのか不思議だった。

私は急いで部屋に向かった。
侵入者が私の部屋で何か物色しているかもしれない。荒らされたらもっと私の怒りが大きくなる。そう思った。

私は自分の部屋の扉を勢い良く開けた。
そこにいたのはルナだった。

「ルナ…？」

私は思わず彼女の名前を呼んでしまった。
すると次の瞬間…

「死んでしまえばいいのに…！！」

そんな言葉と共に私の目の前に禍々しいうろ委球体が飛んできた。
私は反射的に魔力壁を出して防いだ。

そして、私が反撃に出ようとすると…

「シズク様！」

後ろからレミの声があった。私は攻撃をやめてレミのほうを見るがレミの手の平には炎の球体が生成されていた。
私は驚きを隠しながらも…

「しゃがんでください！」

レミの言う通りしゃがんだ。
しゃがんだ瞬間火に油を注いだ時の勢いの良い炎の音が私の上を通過した。
私は思わず炎の球を目で追ってしまう。

そして、ルナに炎の球が当たった。
私はハッと我に戻りルナについた火を消そうとするが、その時にはもうルナの姿はなかった。

「逃げられたか…」

レミはそう言いながら私の方に近づいてくる。
私は思わず言う。

「レミ…あなたは何者なの？」

「ただの一般メイドですが…」

「絶対違うよね？」

「あなたには嘘はつけないですか…」

そういいながらメイドの服を脱いで私服になったレミ。
そんな彼女は暗い電気のつていない月の明かりが差し込んでくる私の部屋。
大きいバルコニーが付いている大きな窓の前に立って言った。

「私はこの家のルナ様を殺しに来た暗殺者です」

私は言われた瞬間…脳の処理が全く追いつかなかった。
そんな私は呆然としながら言う。

「暗殺者…？」と。