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闇堕ち編
17 中庭
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部屋に入ると、レミがメイド服姿で待っていた。
私はそんなレミに冷たい目線を送りながら言った。
「なんですか…どっかいったんじゃないんですか?」
私がそう言うとレミは一歩前に出ていった。
「確かに、さっきどこかに行きました。なぜでしょうか?」
「なぜって…体勢を整えるためじゃないの?」
「違います…私の本当に行った場所わからないんですね…シズク様」
なんだか馬鹿にされた気がしたが私はそれを無視していった。
「あなたは、ルナが半人半魔と知っていたの?」
レミは暗くてよくわからなかったがドヤ顔で言っているのだろう。
「えぇ…知っていたわ…だってねぇ?」
「なんですか…?」
私が聞くと、部屋に沈黙が続き誰も話さなくなった。
そんな静かな部屋に鳥は入り込んでくる。私はその鳥に近づいて言った。
「どうしたの?こんなところに…」
私は言いかけた。なぜなら、鳥の足に紙が付いていた。
これは伝書鳩だと私は思った。その紙を広げるとそこに書いてあったのは…
「師匠からだ」
私は思わず言ってしまう。そのあとは黙読で手紙を読んだ。
内容は、レミに気をつけろと言う注意書きが書かれた紙だった。
師匠…もう遅いよ…と私は心の中で思った。
紙を読み終わりレミの方を向くと…
「ヒィ!」
そんな声を出してしまった。
私のすぐ裏にレミはいて手紙を読んでいたからだ。
私は急いで紙を隠すが…
「師匠からですか…私に気をつけろ…もう遅い忠告ですね」
少し笑いを含めながら言った。
そんなレミを見て私は言った。
「あなたって師匠に教わったのよね?」
「そうだけど?」
レミは椅子に座り足を組みながら言った。
そんなレミが少しウザく感じた。
「じゃぁさ、今から勝負しない?」
私が言うと、レミはあははと笑って言った。
「私に勝てると思っているの?」
「えぇ…」
私は自信に満ち溢れていた。
そして、レミは立ち上がり言った。
「それでは…中庭で勝負をしましょうか」
レミは颯爽と中庭へと消えていってしまった。
中庭…普段ならメイドくらいしか立ち寄らない場所。
お花がいっぱいあり、そこでは勝負をしたくない場所だったが…相手が指定して来たなら仕方がない。
実際私も中庭をじっくりと持たことがなかった。
私はゆっくりとした歩みで中庭に向かった。
向かう最中の廊下の電気の光が弱く廊下の床を照らしていた。
そして、月の明かりが窓から差し込んでくる。
なんだか幻想的な廊下だった。
そして、中庭についた。
中庭に入るにはドアがありそのドアを開けると中庭に行ける。
私はその扉を開けた。
すると、そこには中庭の中央にへと続く通路があった。
左右には色とりどりなお花たちが咲き誇っていた。
私は、そんな花に見惚れながら中央に歩いていく。
中央にはレミがポツリと立っていた。レミは準備体操みたいなことをしていた。
中央を中心として十字に通路が広がっていた。
私は中央に近づくにつれてなんだか緊張が増していった。
レミは私の方を見て言った。
「随分遅かったじゃない?」
「そう?それはごめんなさいね…歩くのが趣味なもんで…」
「何その趣味…なんだかお年寄りくさい…」
「人の趣味に口出すなんていい度胸してますね?」
「そうかしら…毎回人の趣味や不幸には口を出す趣味でね…」
「あら~気持ち悪い趣味をしているようで~」
「さぁ始めましょうか」
「待って…その前に…」
私は花が咲いている方に体を向けてしゃがんだ。
それを見たレミは言った。
「何?死ぬ前にお花触りたかったんですか?」
「まぁそれもあるけど…ここには一回も来たことないから一回くらいここのお花触りたいじゃん?」
「へぇ~」
レミは興味なさそうに言った。
そんなレミお構いなしに私はお花を触った。
お花はいい香りがして…美しい。
こんな存在に私もなりたかったなぁと私は見ながら思った。
私はやがて立ち上がりレミの方を見ていった。
「さぁ…やりましょうか!」
その声と共に私たちは直線上に離れた。
中央から離れるように…そしてお互い位置が決まり睨み合う。
私が言う。
「始め!」
その声と共にレミは動き出したのだった。
私はそんなレミに冷たい目線を送りながら言った。
「なんですか…どっかいったんじゃないんですか?」
私がそう言うとレミは一歩前に出ていった。
「確かに、さっきどこかに行きました。なぜでしょうか?」
「なぜって…体勢を整えるためじゃないの?」
「違います…私の本当に行った場所わからないんですね…シズク様」
なんだか馬鹿にされた気がしたが私はそれを無視していった。
「あなたは、ルナが半人半魔と知っていたの?」
レミは暗くてよくわからなかったがドヤ顔で言っているのだろう。
「えぇ…知っていたわ…だってねぇ?」
「なんですか…?」
私が聞くと、部屋に沈黙が続き誰も話さなくなった。
そんな静かな部屋に鳥は入り込んでくる。私はその鳥に近づいて言った。
「どうしたの?こんなところに…」
私は言いかけた。なぜなら、鳥の足に紙が付いていた。
これは伝書鳩だと私は思った。その紙を広げるとそこに書いてあったのは…
「師匠からだ」
私は思わず言ってしまう。そのあとは黙読で手紙を読んだ。
内容は、レミに気をつけろと言う注意書きが書かれた紙だった。
師匠…もう遅いよ…と私は心の中で思った。
紙を読み終わりレミの方を向くと…
「ヒィ!」
そんな声を出してしまった。
私のすぐ裏にレミはいて手紙を読んでいたからだ。
私は急いで紙を隠すが…
「師匠からですか…私に気をつけろ…もう遅い忠告ですね」
少し笑いを含めながら言った。
そんなレミを見て私は言った。
「あなたって師匠に教わったのよね?」
「そうだけど?」
レミは椅子に座り足を組みながら言った。
そんなレミが少しウザく感じた。
「じゃぁさ、今から勝負しない?」
私が言うと、レミはあははと笑って言った。
「私に勝てると思っているの?」
「えぇ…」
私は自信に満ち溢れていた。
そして、レミは立ち上がり言った。
「それでは…中庭で勝負をしましょうか」
レミは颯爽と中庭へと消えていってしまった。
中庭…普段ならメイドくらいしか立ち寄らない場所。
お花がいっぱいあり、そこでは勝負をしたくない場所だったが…相手が指定して来たなら仕方がない。
実際私も中庭をじっくりと持たことがなかった。
私はゆっくりとした歩みで中庭に向かった。
向かう最中の廊下の電気の光が弱く廊下の床を照らしていた。
そして、月の明かりが窓から差し込んでくる。
なんだか幻想的な廊下だった。
そして、中庭についた。
中庭に入るにはドアがありそのドアを開けると中庭に行ける。
私はその扉を開けた。
すると、そこには中庭の中央にへと続く通路があった。
左右には色とりどりなお花たちが咲き誇っていた。
私は、そんな花に見惚れながら中央に歩いていく。
中央にはレミがポツリと立っていた。レミは準備体操みたいなことをしていた。
中央を中心として十字に通路が広がっていた。
私は中央に近づくにつれてなんだか緊張が増していった。
レミは私の方を見て言った。
「随分遅かったじゃない?」
「そう?それはごめんなさいね…歩くのが趣味なもんで…」
「何その趣味…なんだかお年寄りくさい…」
「人の趣味に口出すなんていい度胸してますね?」
「そうかしら…毎回人の趣味や不幸には口を出す趣味でね…」
「あら~気持ち悪い趣味をしているようで~」
「さぁ始めましょうか」
「待って…その前に…」
私は花が咲いている方に体を向けてしゃがんだ。
それを見たレミは言った。
「何?死ぬ前にお花触りたかったんですか?」
「まぁそれもあるけど…ここには一回も来たことないから一回くらいここのお花触りたいじゃん?」
「へぇ~」
レミは興味なさそうに言った。
そんなレミお構いなしに私はお花を触った。
お花はいい香りがして…美しい。
こんな存在に私もなりたかったなぁと私は見ながら思った。
私はやがて立ち上がりレミの方を見ていった。
「さぁ…やりましょうか!」
その声と共に私たちは直線上に離れた。
中央から離れるように…そしてお互い位置が決まり睨み合う。
私が言う。
「始め!」
その声と共にレミは動き出したのだった。
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