師匠と森を出た天才魔法使いの私、実力差がありすぎて毎日が退屈です

mikadozero

文字の大きさ
21 / 29
国の危機

22 育成の経過

しおりを挟む
時間が経ち、父とバサお兄ちゃんたちにルナが魔物だと伝えてから一週間の月日が経った。
私は久々に育成所を見に行こうと向かった。
すると、師匠は建物に入ろうとしていた。私は師匠の肩を叩いたすると師匠は私の方を見て言った。

「おっ…シズクか」

師匠は少し疲れて顔をしていた。私はなぜだろうと思っていると、師匠は目を大きく開いていった。

「お前が昨日レミを傷つけたから癒すの大変だったんだぞ!」

「ごめんね~」

私は頭の裏を触りながら言った。すると、師匠は頰を膨らませてそっぽ向いていた。
なんだか可愛いなぁと思いながら言った。

「そんなに怒らなくていいじゃん~」

師匠の横腹をツンツンと触りながら言った。すると師匠は怒ることはなくルナの方を見て言った。

「ルナを完璧に扱っているな」

そう言うと、ルナは師匠に対して威嚇していた。私はルナの頭を撫で撫でしながら言った。

「そうかな?私もいまいちわかっていないけど人間の時とは違って動物みたいになったのが私の中では不思議」

「そうか、そうか。ワシも半人半魔の人間は初めて見たが、いつか獣かするんじゃないかな?」

師匠は少し笑いながら言った。それに対して私は言った。

「そんな冗談やめてよ~」

だが、私は心の中ではいつかなるかもと言う不安が一つ増えてしまった。
私はそんな不安を抱えながら言った。

「今日は、師匠の成果を見ようかなって思ってね?」

「なんで、そんな上から目線なんだ?」

「えへへ…」

私は笑って誤魔化した。すると、師匠も微笑んだ。なんだか師匠の微笑みが少し怖かった。
建物の中に入り、前に行った場所に行く。私は一週間前から師匠に任せっきりであった。

だから、私はどのくらい成長しているのかわからなかったのだった。
そして、暗い通路を通り光が届く場所までつく。そこが育成所だった。

私は入って思ったのが、なんだか部屋の形状が変わった?と思った。
師匠は慣れた歩き方で台の上に行く。私もそれについて行った。

前に来た人が久しぶりに来るとざわつくものだった。
師匠が喋り私の番がくる。私は目の前にいるたくさんの生徒に対して言った。

「今日はみなさんの成果を見に来ました」

私は一言言って台から降りた。師匠も続けて降りて来て師匠は言った。

「みんな結構成長しているぞ?」

「へぇ~そうなんだ」

私は興味なさそうに言った。師匠は表情を変えたが気にしないことにした。
生徒たちが魔法を打ち始めて私は驚いた。

前まで全く汚かった魔法が綺麗に一直線上に出ている。
威力はそこまでだが初級魔法は全て習得していた。

私は師匠に言った。

「師匠何をしたの!?」

「…ただ教えただけだ。この結果は彼らなりの努力の結果だ」

私はそう言われて、黙るしか返答がなかった。
魔法を見ていると、一人の生徒が言った。

「シズクさん、あの勝負しませんか?」

私はどうしようかな迷ったが師匠の方を見ると…

「やってやりな、本気でな」

私は言われて驚いた。本気でやったらここが消える可能性があるのに…師匠は遠回しに限度を考えろと言っているのだと私は読み取った。

そして、私はその生徒に「いいよ」と言うと生徒は喜んでいた。
師匠は私の耳で言った。

「その生徒はこの中では一番成長率が高い…余計なことをしたらすぐに覚えられてしまうだろう」

それを聞いて私は少し怖かった。私は鑑定魔法で彼の生まれつきのスキルを鑑定した。
すると、見えたのは…

【見様見真似】

【火の精霊】

この二つだった。ゴッドスキルでこの二つを持っているのは珍しい。
見様見真似を持っているのは100人に一人くらいだが生まれつき火の精霊の加護を受けている人はいないと思っていた。

けれども、今目の前にいた。私は驚きを隠しながらも師匠に言った。

「気をつけるよ…これは厄介そうだからね」

そう言うと、師匠は小さく頷いた。
私は少し別の場所に移動して生徒と戦うことになった。

この場所は初めて来た。天井はガラス張り。壁は白い壁で綺麗だった。床はレンガタイル。
珍しい組み合わせだった。私は、生徒に言った。

「死んでも知らないからね?」

生徒は自信満々な顔で言った。

「はい。それは承知の上です」

私たちは睨み合いお互いにプレッシャーをかけるのだった。

ーーーーーーーー
次の投稿は土曜日にします。
お楽しみにしててください。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます

七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。 「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」 そう言われて、ミュゼは城を追い出された。 しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。 そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……

悪役令嬢が処刑されたあとの世界で

重田いの
ファンタジー
悪役令嬢が処刑されたあとの世界で、人々の間に静かな困惑が広がる。 魔術師は事態を把握するため使用人に聞き取りを始める。 案外、普段踏まれている側の人々の方が真実を理解しているものである。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです

ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」 宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。 聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。 しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。 冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。

悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。

向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。 それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない! しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。 ……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。 魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。 木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~

白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。 王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。 彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。 #表紙絵は、もふ様に描いていただきました。 #エブリスタにて連載しました。

処理中です...