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No.23 もはや別人
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数ヶ月間、様々な場所を探して漸く見つける事の出来たアルス様。しかし、見つけたアルス様の豹変ぶりに俺とティナは困惑した。
「ねぇねぇ~。リオちゃん、今日は何食べたい?あ、屋台とかの出来物は無しね。ちょっと小腹が空いた時に食べるなら未だしも、朝昼晩の食事で俺の手作り以外食べるなんてあり得ないから」
「ア、アルスさん…色んな意味で重い…です」
10代後半程の少女に覆い被さる様に抱きつき、ニコニコと笑うアルス様を見て俺は思った。
(誰だ、この人?)
ダグラス達の知るアランは、孤高の存在だった。
強く、賢く、何にも動じず、冷徹。
自身の目的の為ならば、躊躇いもせずに子供さえ殺す。だが、一度価値があると認めたら最高の教育と環境を用意する。そんなアルスの周りには、彼に魅了された様々な人間が集まった。
ある者は、その強さに。
ある者は、その賢さに。
ある者は、その冷徹さに。
そして集まった者達は、アルスを中心として組織を作り上げた。時には国からの依頼を受けるほどの、何処にも属さない独立組織ナイトレイド。アルス本人は、自身にとって都合がいいから何も言わずに組織のリーダーとして皆の望み通りに君臨していた。
そんな彼等のリーダーの突然の失踪。
組織の者達は大いに焦った。
様々な依頼をこなしてきた彼等には敵が多い。特に、リーダーのアルスの命を狙う者が。つい数日前にも、数人の暗殺者が送り込まれて来た。アルスは、アッサリと返り討ちにしていた。
そんなアルスが、息抜きに出たきり戻って来ない。
考えられる事は二つ。
多勢に無勢でアルスが襲われたか、アルス自身の意思によって何も言わずに消えたのか。
前者ならまだ良い。何故なら、アルスが簡単に死ぬ訳が無いと皆が理解していたからだ。例え怪我をしていても、決して致命傷などを負わずに何処かで部下達が探しにか来るのを待っているか、反撃のチャンスを窺っているだろう。皆にそう確信させる、それ程までにアルスは強かった。
問題は、後者だった場合だ。
アルスが組織のリーダーをしているのは、アルスにとって都合が良いからだ。確かに、アルスは自身を慕う部下達を可愛がっていた。だが、それは懐いてくる野良猫を可愛がる様なものだ。アルスが組織より優先度の高い何かを見つけたならば、簡単に捨てられる様な関係だ。勿論、アルスがその様な人間だと知っていて皆が彼を慕い尊敬していた。だが、黙って捨てられるのを良しとするかは話が別だ。
部下達は、すぐさまアルスの足取りを追った。
そうして、アルスが自分達組織を捨てたと分かった。
『アルス様を、必ず見つけて組織に連れ戻す』
それが、組織の人間全員に命じられた任務だった。元々、アルスを慕い尊敬する者達が集まった組織だ。皆が我先にとアルスを探しに大陸中に散った。
ダグラスとティナも、一緒に請け負っていた任務を予定より早く終わらせてアルスを探しに色々な所を探した。そうして漸く見つけた自分達の絶対的リーダー。
ーーだが、一体誰が想像した?
まさか、あのアルスが一人の少女に夢中になっているなど。恐らく、誰も信じないだろう。実際に己の目で見たダグラス自身、未だ信じられ無いのだから。
「リオちゃん~。今日、一緒に寝ない?」
「ね、ねません!」
(…まさか、アルス様が一人の人間に執着するとは思わなかったな)
ダグラスとティナが本気で掛かっても、アルスを組織に連れ戻す事は不可能だ。何より、アルスが執着する少女と離れる事を拒否している。ーーだが、やっと見つけたアルスの側を離れる気は二人には無かった。
「ーー分かりました。アルス様は、組織にお戻りにならないのですね」
「さっきから、何度もそう言ってるだろ」
不機嫌そうに眉間に皺を寄せるアルス。そんな彼を見てから、ダグラスはダンテの方に向き直る。そうして、ダグラスは徐に口を開いた。
「お願いがあるのですがーー」
「ねぇねぇ~。リオちゃん、今日は何食べたい?あ、屋台とかの出来物は無しね。ちょっと小腹が空いた時に食べるなら未だしも、朝昼晩の食事で俺の手作り以外食べるなんてあり得ないから」
「ア、アルスさん…色んな意味で重い…です」
10代後半程の少女に覆い被さる様に抱きつき、ニコニコと笑うアルス様を見て俺は思った。
(誰だ、この人?)
ダグラス達の知るアランは、孤高の存在だった。
強く、賢く、何にも動じず、冷徹。
自身の目的の為ならば、躊躇いもせずに子供さえ殺す。だが、一度価値があると認めたら最高の教育と環境を用意する。そんなアルスの周りには、彼に魅了された様々な人間が集まった。
ある者は、その強さに。
ある者は、その賢さに。
ある者は、その冷徹さに。
そして集まった者達は、アルスを中心として組織を作り上げた。時には国からの依頼を受けるほどの、何処にも属さない独立組織ナイトレイド。アルス本人は、自身にとって都合がいいから何も言わずに組織のリーダーとして皆の望み通りに君臨していた。
そんな彼等のリーダーの突然の失踪。
組織の者達は大いに焦った。
様々な依頼をこなしてきた彼等には敵が多い。特に、リーダーのアルスの命を狙う者が。つい数日前にも、数人の暗殺者が送り込まれて来た。アルスは、アッサリと返り討ちにしていた。
そんなアルスが、息抜きに出たきり戻って来ない。
考えられる事は二つ。
多勢に無勢でアルスが襲われたか、アルス自身の意思によって何も言わずに消えたのか。
前者ならまだ良い。何故なら、アルスが簡単に死ぬ訳が無いと皆が理解していたからだ。例え怪我をしていても、決して致命傷などを負わずに何処かで部下達が探しにか来るのを待っているか、反撃のチャンスを窺っているだろう。皆にそう確信させる、それ程までにアルスは強かった。
問題は、後者だった場合だ。
アルスが組織のリーダーをしているのは、アルスにとって都合が良いからだ。確かに、アルスは自身を慕う部下達を可愛がっていた。だが、それは懐いてくる野良猫を可愛がる様なものだ。アルスが組織より優先度の高い何かを見つけたならば、簡単に捨てられる様な関係だ。勿論、アルスがその様な人間だと知っていて皆が彼を慕い尊敬していた。だが、黙って捨てられるのを良しとするかは話が別だ。
部下達は、すぐさまアルスの足取りを追った。
そうして、アルスが自分達組織を捨てたと分かった。
『アルス様を、必ず見つけて組織に連れ戻す』
それが、組織の人間全員に命じられた任務だった。元々、アルスを慕い尊敬する者達が集まった組織だ。皆が我先にとアルスを探しに大陸中に散った。
ダグラスとティナも、一緒に請け負っていた任務を予定より早く終わらせてアルスを探しに色々な所を探した。そうして漸く見つけた自分達の絶対的リーダー。
ーーだが、一体誰が想像した?
まさか、あのアルスが一人の少女に夢中になっているなど。恐らく、誰も信じないだろう。実際に己の目で見たダグラス自身、未だ信じられ無いのだから。
「リオちゃん~。今日、一緒に寝ない?」
「ね、ねません!」
(…まさか、アルス様が一人の人間に執着するとは思わなかったな)
ダグラスとティナが本気で掛かっても、アルスを組織に連れ戻す事は不可能だ。何より、アルスが執着する少女と離れる事を拒否している。ーーだが、やっと見つけたアルスの側を離れる気は二人には無かった。
「ーー分かりました。アルス様は、組織にお戻りにならないのですね」
「さっきから、何度もそう言ってるだろ」
不機嫌そうに眉間に皺を寄せるアルス。そんな彼を見てから、ダグラスはダンテの方に向き直る。そうして、ダグラスは徐に口を開いた。
「お願いがあるのですがーー」
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