魔女転生〜転生したらご主人様になりました!?〜

ハルン

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No.24 これが噂のツンデレ?

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「いらっしゃいませ~」

昼間の食堂に、妖艶な女性の声が響く。
金の髪を緩やかに結い上げた美女は、簡素な服に白い腰エプロンを身に纏って食堂内を食事片手に軽やかに動き回っていた。

「ティナさーん!今日も素敵です!」

そんな彼女に、鼻の下を伸ばした若い男性客が声をかける。その声に、ティナは艶やかな流し目を向ける。ティナに流し目を向けられ、男性客はデレデレとだらしない顔をする。

「あっ!お前っ、狡いぞ!」
「抜け駆けすんな!」
「ティナさん!こっち向いてください!」

それに反応した他の男性客達が、我先にとティナに声をかける。ーーだが、不思議な事に誰一人としてティナに近付く者はいなかった。

(ティナさん、凄い人気だなぁ…)

だが、それも当然だろう。
ティナは滅多に見ない程に美人なだけでは無く、身のこなしも何処か品があり、何処ぞの貴族の淑女の様な女性だった。この町に住む女性は、殆どが逞しく日々を生き抜く女性達ばかりだ。男性達は、か弱い庇護欲を誘う女性に飢えていた。そんな中に、ティナの様な女性が現れたのだ。

ティナは、直ぐ様男性達のマドンナ的存在になった。

当初、ティナに手を出そうとした男性が何人も居た。しかし、ティナの側には護衛の様にダグラスがいる。ダグラスは、ティナに言い寄る男性達を片っ端から蹴散らした。その為、男性達はティナに手を出すことは無く今の見守る体制に落ち着いたのだ。

「リオさん、此方をお願いします」

ティナに見惚れていた莉緒は、突然自身にかかった声に慌てて振り向く。そこには、両手に料理を持ったダグラスが立っていた。妊娠中のミラが厨房に立つ事に文句を言い出し始めたジェフ。その為、厨房に立つ事が難しくなったミラの代わりに、現在はミラの指導を受け合格したダグラスが厨房に立っていた。

「3番テーブルと5番テーブルです」
「あっ、はい!」

慌ててダグラスから料理を受け取り、客の待つテーブルに向かう。

「あっ…!」

その途中、脚が縺れてしまい倒れそうになった。

(転ぶ…っ!)

襲い来る痛みと料理を台無しにしてしまう恐怖に、莉緒はギュッと目を瞑る。

その時、誰かが倒れそうな莉緒を支えた。

「ちょっと、気を付けなさいよ」
「ティ、ティナさん…」

莉緒を支えてくれたのは、不満そうな顔をしたティナだった。

「あ、ありがとうございます…」
「ふんっ!ダグラスの作った料理を台無しにする訳には行かないでしょ!それに、認めて無いけど…認めたく無いけど!一応、アルス様が大切にしている方だから仕方なく、そう仕方無く!助けてあげただけよ!」

全く鈍臭いんだから!と言いながら、莉緒から料理を奪い運んで行く。その時、さり気無く莉緒が怪我していないか確認して。

(ティナさん、言い方はアレだけど優しい人だよね…)

ダグラスとティナと共に働き始めて丁度1ヶ月。
二人が働く事になった時は、大変な騒ぎがあった事を莉緒は思い出していた。
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