21 / 50
第1章
子供特有の「何で、どうして?」
しおりを挟む
マリオン達が孤児院の前に着くと、そこには見たこともない様な豪華な馬車ーーでは無く、平民が使うには高い、商人達が使う様な馬車が止まっていた。
(王子様の迎えかな…?)
マリオンは、その馬車を見て咄嗟にそう思った。
だが、王族の迎えの馬車にしては、言い方がアレだがショボすぎる。
「何だこの馬車?」
「オレ、こんな近くで馬見るの初めてだ」
「わぁ~!お馬さん、カッコいい!」
「何でこんな馬車があるの?」
子供達が口々に話していると、孤児院からガスが出て来た。背後には、アルミンと片目に傷のある男性が一緒だった。ガスが、馬車の側にいるマリオン達に気付く。
「おや、お帰り。ちゃんと勉強してきたかい?」
「バッチリだせ!それより、院長先生!この馬車何だよ!それに、後ろの奴がサラの言ってた王子様か?何だよ、全然問題ねーじゃんか」
テイルの「王子様」と言う言葉に、ガスの背後の二人がピクッと反応した。そうして、片目に傷のある男性が警戒しながら口を開く。
「………王子様?」
その言葉に、サラが反応する。
「あ、マズい」と思い、サラの口を塞ごうとしたが一歩遅かった。
「そう!絵本に書いてあったキラキラした頭をしてるから王子様!王子様って、皆んな頭がキラキラしてるんでしょ?」
「ブッ!」
ガスが思わず吹き出す。
マリオンも思わず吹き出しそうになったが、何とか堪えた。その間にも、サラは言葉を続ける。
「近所のマリーお婆ちゃんが言ってたの!『じょーりゅーかいきゅう』の偉い人は、将来はキラキラからピカピカの頭になるって!それが偉い人の特徴なんだって!」
「キラキラ、ピカピカ……」
「っ……、ゴホンッ!!」
当の本人は引き攣った笑顔で固まり、傷のある男性は何とか吹き出しかけたのを咳で誤魔化した。どうやら、サラの言葉をテイルと同じくハゲの方で捉えた様だ。
(………って言うか、マリー婆さん!何、サラに変な事を教えてるんだよ!)
近所に住む、『自称』永遠の18歳の年齢不詳の若々しい婆さんを思い浮かべる。あの婆さん、昔何かあったのか特に権力者を毛嫌いしているのだ。その為、近所の子供達にある事ない事教える為、困っている。
(それがなければ、若くて良い男を狙うだけの気の良い婆さん何だけどな……)
まぁ、それはそれで若い男性にトラウマを与えているが…。因みに、そんな婆さんのあだ名は「飢えた女豹」である。
「………いいかい、サラ?それは、間違いだよ。人は、偉い偉くない関係無く誰でも歳をとったら髪が無くなるんだよ」
笑いが収まったガスが、サラに言い聞かせる。
だが、それに対して子供特有の「何で、どうして?」攻撃が始まった。
「それなら、院長先生の頭がピカピカしてないのはどうして?」
「私は、まだそんな歳じゃ無いよ」
「でも、魚屋のオジさんは院長先生より歳下なのに、頭の後ろピカピカしてるよ?何で?」
「それは……」
「それに、ピカピカの仕方が頭の前の人と後ろからの人がいるのは何で?どうして皆んな同じじゃ無いの?」
とても答えづらい質問に、ガスは何で答えればいいのか分からず途方に暮れる。困って、マリオン達を見るが誰もが視線を合わせない。
(院長先生、頑張れ)
未だ「何で、どうして?」攻撃を受けるガスに対する皆の心は一つになった。
暫くして、ガスは持っていた小さな飴をサラにあげる事で気を逸らし、「何で、どうして?」攻撃を終わりにする事が出来たのであった。
(王子様の迎えかな…?)
マリオンは、その馬車を見て咄嗟にそう思った。
だが、王族の迎えの馬車にしては、言い方がアレだがショボすぎる。
「何だこの馬車?」
「オレ、こんな近くで馬見るの初めてだ」
「わぁ~!お馬さん、カッコいい!」
「何でこんな馬車があるの?」
子供達が口々に話していると、孤児院からガスが出て来た。背後には、アルミンと片目に傷のある男性が一緒だった。ガスが、馬車の側にいるマリオン達に気付く。
「おや、お帰り。ちゃんと勉強してきたかい?」
「バッチリだせ!それより、院長先生!この馬車何だよ!それに、後ろの奴がサラの言ってた王子様か?何だよ、全然問題ねーじゃんか」
テイルの「王子様」と言う言葉に、ガスの背後の二人がピクッと反応した。そうして、片目に傷のある男性が警戒しながら口を開く。
「………王子様?」
その言葉に、サラが反応する。
「あ、マズい」と思い、サラの口を塞ごうとしたが一歩遅かった。
「そう!絵本に書いてあったキラキラした頭をしてるから王子様!王子様って、皆んな頭がキラキラしてるんでしょ?」
「ブッ!」
ガスが思わず吹き出す。
マリオンも思わず吹き出しそうになったが、何とか堪えた。その間にも、サラは言葉を続ける。
「近所のマリーお婆ちゃんが言ってたの!『じょーりゅーかいきゅう』の偉い人は、将来はキラキラからピカピカの頭になるって!それが偉い人の特徴なんだって!」
「キラキラ、ピカピカ……」
「っ……、ゴホンッ!!」
当の本人は引き攣った笑顔で固まり、傷のある男性は何とか吹き出しかけたのを咳で誤魔化した。どうやら、サラの言葉をテイルと同じくハゲの方で捉えた様だ。
(………って言うか、マリー婆さん!何、サラに変な事を教えてるんだよ!)
近所に住む、『自称』永遠の18歳の年齢不詳の若々しい婆さんを思い浮かべる。あの婆さん、昔何かあったのか特に権力者を毛嫌いしているのだ。その為、近所の子供達にある事ない事教える為、困っている。
(それがなければ、若くて良い男を狙うだけの気の良い婆さん何だけどな……)
まぁ、それはそれで若い男性にトラウマを与えているが…。因みに、そんな婆さんのあだ名は「飢えた女豹」である。
「………いいかい、サラ?それは、間違いだよ。人は、偉い偉くない関係無く誰でも歳をとったら髪が無くなるんだよ」
笑いが収まったガスが、サラに言い聞かせる。
だが、それに対して子供特有の「何で、どうして?」攻撃が始まった。
「それなら、院長先生の頭がピカピカしてないのはどうして?」
「私は、まだそんな歳じゃ無いよ」
「でも、魚屋のオジさんは院長先生より歳下なのに、頭の後ろピカピカしてるよ?何で?」
「それは……」
「それに、ピカピカの仕方が頭の前の人と後ろからの人がいるのは何で?どうして皆んな同じじゃ無いの?」
とても答えづらい質問に、ガスは何で答えればいいのか分からず途方に暮れる。困って、マリオン達を見るが誰もが視線を合わせない。
(院長先生、頑張れ)
未だ「何で、どうして?」攻撃を受けるガスに対する皆の心は一つになった。
暫くして、ガスは持っていた小さな飴をサラにあげる事で気を逸らし、「何で、どうして?」攻撃を終わりにする事が出来たのであった。
8
あなたにおすすめの小説
醜いと蔑まれている令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます
ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。
そして前世の私は…
ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。
とある侯爵家で出会った令嬢は、まるで前世のとあるホラー映画に出てくる貞◯のような風貌だった。
髪で顔を全て隠し、ゆらりと立つ姿は…
悲鳴を上げないと、逆に失礼では?というほどのホラーっぷり。
そしてこの髪の奥のお顔は…。。。
さぁ、お嬢様。
私のゴットハンドで世界を変えますよ?
**********************
『おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』の続編です。
続編ですが、これだけでも楽しんでいただけます。
前作も読んでいただけるともっと嬉しいです!
転生侍女シリーズ第二弾です。
短編全4話で、投稿予約済みです。
よろしくお願いします。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』
透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。
「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」
そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが!
突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!?
気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態!
けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で――
「なんて可憐な子なんだ……!」
……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!?
これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!?
ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆
皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
幼い頃から天の声が聞こえるシラク公爵の娘であるミレーヌ。
この天の声にはいろいろと助けられていた。父親の命を救ってくれたのもこの天の声。
そして、進学に向けて騎士科か魔導科を選択しなければならなくなったとき、助言をしてくれたのも天の声。
ミレーヌはこの天の声に従い、騎士科を選ぶことにした。
なぜなら、魔導科を選ぶと、皇子の婚約者という立派な役割がもれなくついてきてしまうからだ。
※完結しました。新年早々、クスっとしていただけたら幸いです。軽くお読みください。
【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜+おまけSS
himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。
えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。
ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ!
アルファポリス恋愛ランキング入りしました!
読んでくれた皆様ありがとうございます。
*他サイトでも公開中
なろう日間総合ランキング2位に入りました!
どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~
涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる