29 / 50
第1章
来客があるようです
しおりを挟む
「お~い、マリオン!何一人でブツブツ話してんだよ!」
そう言って、トックが籠いっぱいに入ったシーツを持って走り寄って来た。
「あれ?これって、来客用のシーツだよな?」
「うん。院長先生が、これも干しといてって」
「ふ~ん。わかった」
(近いうちに、誰か来客があるのかな?)
「じゃあ、よろしくな!オレは、食堂の掃除があるから!」
そう言って、シーツの入った籠をマリオンの側に置いてトックは孤児院に戻って行く。
「よし、やるか」
『頑張れよ』
戦神の声援を受けながら、マリオンは来客用のシーツを干して行く。
「………よしっ、終わり」
青空の下、干した白いシーツが風に靡く様はとても気持ちの良い光景だった。その光景を暫く眺めてから、空になった籠を持ち孤児院に戻る。その後ろをガンダルが付いて来る。
「………何で、オレの後を着いてくるんだよ」
『だってよ、俺の話し相手はお前しか居ないんだから着いてくのは突然だろ?』
「いや、他の知り合いの所に行けばいいだろ」
『そんなつれない事言うなよ。そんなんじゃ、男にモテないぞ?』
「なぁなぁ」と、マリオンの周りを飛び回るガンダルを無視しながらガスの元へ向かった。ガスは、孤児院の前を掃除していた。
「院長先生」
「おや、マリオン。洗濯は終わったんですか?」
「はい。追加のシーツも全部干し終わりました」
「ありがとうございます」
「来客用のシーツって、この前洗ったばかりですよね。それなのに、今日も洗ったって事は誰か来るんですか?」
「えぇ。先程連絡がありまして、明後日のお昼頃に大切なお客様が来るんですよ」
「何人ですか?それに、泊まりですか?」
泊まりならば、来客用の部屋を掃除しなければ。来客用の二人部屋が一つしかなく、二人以上だった場合は街の宿に泊まって貰わなければならない。
「来客は五人ですが、二人はこちらに泊まり残りの三人は宿に泊まるそうですよ」
「わかりました」
「食事はこちらで食べるそうです。食材は彼方の方が大量に用意してくれるそうですよ」
「本当ですか!」
ガスの言葉に、マリオンは喜びの声を上げる。孤児院には食べ盛りの子供がいる為、食材がタダで大量に貰えるのは凄く嬉しい。
(皆んなに、色んな料理を食べさせてあげられるな)
何より、子供達を優先してあまり食べないガスに沢山食べさせる事が出来る。
「栄養のある美味しい物を、腕に寄りをかけて沢山作りますね!」
「本当ですか?それは、とても嬉しいです。マリオンの作るご飯は美味しいですからね。一体、何処で学んだのやら。やっぱり、マリオンもしっかりと女の子ですね」
(まぁ、中身は前世と合わせて40前の女ですからね)
元々、前世でも一人暮らしで自炊はしていた。だから、料理の腕には少し自信があるのだ。
「何の食材が貰えるんだろう?アレがあったら、アレを作って…」
まだ見ぬ食材を夢見ながら、料理を考え出したマリオンをガスは微笑ましげに眺めていた。
(良かった、元気になりましたね)
この三日間、何処か疲れたように宙を見つめるマリオンの楽しげな様子にガスはホッと安心したのだった。
そう言って、トックが籠いっぱいに入ったシーツを持って走り寄って来た。
「あれ?これって、来客用のシーツだよな?」
「うん。院長先生が、これも干しといてって」
「ふ~ん。わかった」
(近いうちに、誰か来客があるのかな?)
「じゃあ、よろしくな!オレは、食堂の掃除があるから!」
そう言って、シーツの入った籠をマリオンの側に置いてトックは孤児院に戻って行く。
「よし、やるか」
『頑張れよ』
戦神の声援を受けながら、マリオンは来客用のシーツを干して行く。
「………よしっ、終わり」
青空の下、干した白いシーツが風に靡く様はとても気持ちの良い光景だった。その光景を暫く眺めてから、空になった籠を持ち孤児院に戻る。その後ろをガンダルが付いて来る。
「………何で、オレの後を着いてくるんだよ」
『だってよ、俺の話し相手はお前しか居ないんだから着いてくのは突然だろ?』
「いや、他の知り合いの所に行けばいいだろ」
『そんなつれない事言うなよ。そんなんじゃ、男にモテないぞ?』
「なぁなぁ」と、マリオンの周りを飛び回るガンダルを無視しながらガスの元へ向かった。ガスは、孤児院の前を掃除していた。
「院長先生」
「おや、マリオン。洗濯は終わったんですか?」
「はい。追加のシーツも全部干し終わりました」
「ありがとうございます」
「来客用のシーツって、この前洗ったばかりですよね。それなのに、今日も洗ったって事は誰か来るんですか?」
「えぇ。先程連絡がありまして、明後日のお昼頃に大切なお客様が来るんですよ」
「何人ですか?それに、泊まりですか?」
泊まりならば、来客用の部屋を掃除しなければ。来客用の二人部屋が一つしかなく、二人以上だった場合は街の宿に泊まって貰わなければならない。
「来客は五人ですが、二人はこちらに泊まり残りの三人は宿に泊まるそうですよ」
「わかりました」
「食事はこちらで食べるそうです。食材は彼方の方が大量に用意してくれるそうですよ」
「本当ですか!」
ガスの言葉に、マリオンは喜びの声を上げる。孤児院には食べ盛りの子供がいる為、食材がタダで大量に貰えるのは凄く嬉しい。
(皆んなに、色んな料理を食べさせてあげられるな)
何より、子供達を優先してあまり食べないガスに沢山食べさせる事が出来る。
「栄養のある美味しい物を、腕に寄りをかけて沢山作りますね!」
「本当ですか?それは、とても嬉しいです。マリオンの作るご飯は美味しいですからね。一体、何処で学んだのやら。やっぱり、マリオンもしっかりと女の子ですね」
(まぁ、中身は前世と合わせて40前の女ですからね)
元々、前世でも一人暮らしで自炊はしていた。だから、料理の腕には少し自信があるのだ。
「何の食材が貰えるんだろう?アレがあったら、アレを作って…」
まだ見ぬ食材を夢見ながら、料理を考え出したマリオンをガスは微笑ましげに眺めていた。
(良かった、元気になりましたね)
この三日間、何処か疲れたように宙を見つめるマリオンの楽しげな様子にガスはホッと安心したのだった。
7
あなたにおすすめの小説
混血の私が純血主義の竜人王子の番なわけない
三国つかさ
恋愛
竜人たちが通う学園で、竜人の王子であるレクスをひと目見た瞬間から恋に落ちてしまった混血の少女エステル。好き過ぎて狂ってしまいそうだけど、分不相応なので必死に隠すことにした。一方のレクスは涼しい顔をしているが、純血なので実は番に対する感情は混血のエステルより何倍も深いのだった。
醜いと蔑まれている令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます
ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。
そして前世の私は…
ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。
とある侯爵家で出会った令嬢は、まるで前世のとあるホラー映画に出てくる貞◯のような風貌だった。
髪で顔を全て隠し、ゆらりと立つ姿は…
悲鳴を上げないと、逆に失礼では?というほどのホラーっぷり。
そしてこの髪の奥のお顔は…。。。
さぁ、お嬢様。
私のゴットハンドで世界を変えますよ?
**********************
『おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』の続編です。
続編ですが、これだけでも楽しんでいただけます。
前作も読んでいただけるともっと嬉しいです!
転生侍女シリーズ第二弾です。
短編全4話で、投稿予約済みです。
よろしくお願いします。
どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~
涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!
ストーカー婚約者でしたが、転生者だったので経歴を身綺麗にしておく
犬野きらり
恋愛
リディア・ガルドニ(14)、本日誕生日で転生者として気付きました。私がつい先程までやっていた行動…それは、自分の婚約者に対して重い愛ではなく、ストーカー行為。
「絶対駄目ーー」
と前世の私が気づかせてくれ、そもそも何故こんな男にこだわっていたのかと目が覚めました。
何の物語かも乙女ゲームの中の人になったのかもわかりませんが、私の黒歴史は証拠隠滅、慰謝料ガッポリ、新たな出会い新たな人生に進みます。
募集 婿入り希望者
対象外は、嫡男、後継者、王族
目指せハッピーエンド(?)!!
全23話で完結です。
この作品を気に留めて下さりありがとうございます。感謝を込めて、その後(直後)2話追加しました。25話になりました。
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜+おまけSS
himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。
えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。
ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ!
アルファポリス恋愛ランキング入りしました!
読んでくれた皆様ありがとうございます。
*他サイトでも公開中
なろう日間総合ランキング2位に入りました!
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる