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第1章

No.73

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*城のメイド達*

「ねぇ、聞いた?」
「聞いた聞いた!!まさか、あのアルフォンス様がねぇ~」
「でも、噂が本当なら私もアルフォンス様のお相手をしたいわ!!」
「無理無理。あんたレベルじゃ声もかけて貰えないわよ」
「そうよね。アーロン公爵家のユリアナ様くらいの美貌がないとねぇ~」
「いいじゃない!少しくらい夢を見させてよ」

「こらっ!!貴女達、何サボってるの!直ぐに仕事に戻りなさい!」

「やばいっ!」
「はいっ!」
「すみません!」


*騎士達*

「なぁ、聞いたか?」
「あぁ、あの噂だろ?ガセじゃねえの?」
「それが本当らしいぜ?昨日、団長の屋敷から女性の絶叫を聞いた奴いるらしいぜ」
「マジか…!」
「流石団長!!あの色気のある顔にはどんな女もイチコロだな」
「でも、団長が女にダラシなかったのってもう何十年も前の事だろ?」
「………確かにな」
「やっぱりガセかぁ~」

「おい~!そろそろ訓練始まるぞー」 

「おっ!そろそろか」
「早く行こうぜ」
「だな。今日は、ハロルド副隊長が担当だぜ」


*サザーランド公爵邸*

「どう思う?」
「勿論、ヤったわよ」
「遂に?」
「ワシもヤったと思うぞ?」
「もうっ!ミゲルさん!!そんな優しいお爺ちゃんって見た目でヤったなんて言わないで下さい!」
「おいおい、それって差別じゃないか?それに、俺たちの前でヤったとか言っといて……」
「そうだそうだ!!それに、男の前でそんな事を言って恥ずかしく無いのかよ」
「はぁ?今更何言ってるのよ」
「そうよ!私達は、家族みたいなもんでしょ?」

「………あなた達は、『親しき仲にも』という言葉を知らないのかしら?」
「全く、いくら休憩中だからと言って話す内容では無いですよ」

「あっ!リディアさん!」
「メイド長!!」
「ルドルフさんっ!」
「すみません!」
「これからは、気を付けて下さい。何より、己の主人のあれやこれやを詮索するのは二流のする事ですよ」
「………すみません」
「俺たちが間違ってました」
「ほっほ!」
「………貴方もですよ、ミゲルさん。若者を揶揄わないで下さい」
「ルドルフさんや。年寄の楽しみを奪わないでくれんかのぉ~。最近、暇で暇で仕方ないんじゃよ」
「そんなに暇なら、裏庭の木の剪定をお願いします。貴方には、庭師としての仕事があるでしょう」


ーーパンパン!!


「ほらほらっ!もう、休憩は終わりよ。皆んな、持ち場に戻って」

「「「「「はいっ!!」」」」」
「やれやれ。もう少し、老人を労って欲しいの~」




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