JKは元女帝⁉︎

ハルン

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あのお方が亡くなった日。
その日はまるで世界も悲しんでいるように雨が降り続いていた。

(…どうして。どうして私はまだ生きているのだろう?守るべきあのお方はもう何処にもいないのに…。)

あの方の葬儀の日。
その日も雨が降り続いていたが、貴族どころか国民全てが葬儀の列にいた。その光景を見て自分の主人はこんなにも人々に愛された偉大な王だったのだと誇らしく思った。だが。

(あの方がいないこの世界をどう生きればいいのだろう?息の仕方すら忘れてしまったように苦しい…。)

本当は直ぐにでもあのお方の後を追いたかった。だがあのお方は自分の後を追うことを許さなかった。

『私の後を追うような真似はするな。お前には感謝してる。こんな我儘な私に忠誠を誓い、今まで側にいてくれた。本当にありがとう。最後に我儘な私のお願いを聞いて。どうかこの国が持ち直すまで見守ってあげて。その後は、好きな人と結婚して子供を産んで幸せな人生を送って欲しい。』

その言葉通りに、王を失い悲しみに暮れている国が持ち直すまで支え続けた。だが、家庭を築く。それだけはしなかった。

(私の心は全てあの時からあの方の物。)

そのまま私は国を支え続けた。
あの方が残していったモノを守る為。そして何年もの時が流れた。老いた体は満足に動かすことができず遂に己の死を悟った。周りの者は悲しんだが私は心からの笑顔を浮かべた。

『やっと…やっとあの方の元へ行ける。随分遅くなってしまったが必ずあの方の元へ辿り着く。』

そうして彼は多くの者に惜しまれこの世を去った。

(待っていて下さい。どんなに時間がかかろうとも必ず貴女の元へ辿り着いてみせます。そして変わらぬ永遠の忠誠を。)

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