JKは元女帝⁉︎

女帝、降臨する。

私の声に反応して皆がこちらを向いた。

「だっ誰よアンタ！」
「邪魔すんなよ。俺らはコイツに謝罪をしてもらうんだからよ！」
「…謝罪？」
「そうよ！コイツに謝罪してもらうのよ。私達にスープをかけたんだから！」
「フフフッ。」
「っ！何笑ってんだよ！」
「いやすまない。貴方達の要求する謝罪の内容が余りにも下品だったからつい笑ってしまって。土下座して床を舐めろなんて…。貴方達の家は随分と下品な謝罪を要求するよう貴方達に教育をして来たんですね。」
「なっ！」

私の言葉に彼等は皆、顔を真っ赤にしてこちらを睨んで来た。

「馬鹿にしてるの⁉︎」
「俺が誰だか分かってんのか！テメーの家なんか親父に言えば直ぐに潰せるんだぞ！」
「だから？」
「は？聞いてなかったのかよ。だからテメーの家なんか親父に言えば直ぐに…。」
「それは貴方の両親の力であって貴方自身の力ではないでしょう？親の権力に頼り威張り散らす。貴方みたいな人にピッタリの言葉があるよ。知ってる？虎の威を借る狐…って？」

そう言うと彼は更に顔を赤くして怒りを露わにした。

「テメーっ！」
「黙れ。」

その瞬間。
食堂中の人間が動きを止めた。食堂の空気がとても重く冷たく感じた。彼女の放つ威圧。重く冷たく息がしづらい。

「確かに悪いのはそのウェイターだ。客である貴方達に料理をかけるなんて恥ずべきこと。謝罪をしろと言うのは当たり前だろう。…だが、お前達の謝罪内容はなんだ？土下座して床を舐めろ？お前達はいつから人の尊厳を奪えるほど偉くなったんだ？親の権力を盾に威張ることしか出来ない愚か者が。恥を知れ。」

彼等は顔を真っ青にして震えながらこちらを見ている。周りの人達も息を飲んで彼女を見ていた。今この場は彼女の支配下にあった。その堂々とした姿はまさに王者の風格。

「…蒼の女帝。」

1人の生徒がコバルトブルーの瞳をした彼女を見つめそう囁いた。