前世で私を嫌っていた番の彼が何故か迫って来ます!

ハルン

文字の大きさ
20 / 47
新たな出会い

ヴォーグ・アルケミオン

振り返ると1人の青年が立っていた。歳の頃は14~15歳位だろうか。青い少し長めの髪に同じ青の瞳をした優しそうな青年だ。

「何ですか?」

ローズが少し警戒した様子で聞く。

「教会の手伝いに来たんだけどこっちを手伝えって言われたんだけど」

ちらっと籠に目を向け。

「もう半分も終わってたんだね。来るのが少し遅かったかな」
「そうね。残りは私達でやるから貴方…えっと」
「自己紹介がまだだったね。俺はヴォーグ・アルケミオン。よろしく」
「私はローズ。この子は弟のリュシルでこっちは親友のレムリアよ」

紹介されて軽く頭を下げる。リュシルは無言で彼を見ていた。

「じゃぁ俺は向こうに戻って仕事を貰うよ」
「そうして頂戴」
「また後でね」

そう言って教会に戻っていくヴォーグ。その背中を見ているとローズに背中を叩かれた。

「痛!何…急に?」
「彼…どう?」
「どう…って何が?」
「何がって!気付かなかったの?あの人レムリアの事優しい目でジーっと見てたじゃ無い!」

(そうかな?)

別にそんな事は無いと思うが…。

「優しそうな人だったしね!歳上で同い年の男子には無い落ち着いた感じもいいわ!」
「ローズはああいう感じの人が好きなの?」
「やーね!私はレムリアにいいなって思ったのよ!面倒くさがりのあんたにはあんな風に落ち着いた雰囲気の面倒見てくれそうな人がお似合いよ。それに…私にはギルがいるもの」

彼氏の事を思い出したのか途端に笑顔になるローズ。そうローズは以前買った香水を付けて告白し成功したのだ。

(あの怪しい香水…侮れない)

まぁ、香水が無くとも告白は上手くいっただろう。ギル…ギルバルトはローズにベタ惚れだったから。

不意に服の裾を引っ張られる。

「どうしたの?」
「…あいつ嫌い」

ム…っとした顔のリュシルがジッと教会の方を見ながら話す。

「レムリアは歳上が好きなの?」
「別にそんな事は…」
「じゃあ歳下は?」

大きな目に涙を溜めウルウルした瞳でこちらを見上げる。

「特に何とも…」
「僕は歳上でも歳下でもレムリアが好きだよ」
「私、リュシルから見たらオバさんだよ?あっという間によぼよぼになる」
「そんな事ないよ!レムリアはすっごく可愛いよ!」

私に抱き付き笑顔で話す。

「必死ね。まるで犬みたい」
「うるさいオバさん」

おっと…何という事でしょう。舌の根も乾かないうちにローズにオバさん発言。彼は私とローズが同い年だという事をわかって言っているのだろうか?

「何ですって!!この猫被り!」
「僕…ヒステリックな女って嫌い」
「このっ!」

怒りで顔を真っ赤にするローズ。その後はローズとリュシルの追いかけっこが始まった。私はそれを眺めながら残りのジャガイモの皮を剥いていた。



感想 80

あなたにおすすめの小説

公爵令嬢 メアリの逆襲 ~魔の森に作った湯船が 王子 で溢れて困ってます~

薄味メロン
恋愛
 HOTランキング 1位 (2019.9.18)  お気に入り4000人突破しました。  次世代の王妃と言われていたメアリは、その日、すべての地位を奪われた。  だが、誰も知らなかった。 「荷物よし。魔力よし。決意、よし!」 「出発するわ! 目指すは源泉掛け流し!」  メアリが、追放の準備を整えていたことに。

【完結】8年越しの初恋に破れたら、なぜか意地悪な幼馴染が急に優しくなりました。

大森 樹
恋愛
「君だけを愛している」 「サム、もちろん私も愛しているわ」  伯爵令嬢のリリー・スティアートは八年前からずっと恋焦がれていた騎士サムの甘い言葉を聞いていた。そう……『私でない女性』に対して言っているのを。  告白もしていないのに振られた私は、ショックで泣いていると喧嘩ばかりしている大嫌いな幼馴染の魔法使いアイザックに見つかってしまう。  泣いていることを揶揄われると思いきや、なんだか急に優しくなって気持ち悪い。  リリーとアイザックの関係はどう変わっていくのか?そしてなにやら、リリーは誰かに狙われているようで……一体それは誰なのか?なぜ狙われなければならないのか。 どんな形であれハッピーエンド+完結保証します。

【完結】大好き、と告白するのはこれを最後にします!

高瀬船
恋愛
侯爵家の嫡男、レオン・アルファストと伯爵家のミュラー・ハドソンは建国から続く由緒ある家柄である。 7歳年上のレオンが大好きで、ミュラーは幼い頃から彼にべったり。ことある事に大好き!と伝え、少女へと成長してからも顔を合わせる度に結婚して!ともはや挨拶のように熱烈に求婚していた。 だけど、いつもいつもレオンはありがとう、と言うだけで承諾も拒絶もしない。 成人を控えたある日、ミュラーはこれを最後の告白にしよう、と決心しいつものようにはぐらかされたら大人しく彼を諦めよう、と決めていた。 そして、彼を諦め真剣に結婚相手を探そうと夜会に行った事をレオンに知られたミュラーは初めて彼の重いほどの愛情を知る 【お互い、モブとの絡み発生します、苦手な方はご遠慮下さい】

【完結】そう、番だったら別れなさい

堀 和三盆
恋愛
 ラシーヌは狼獣人でライフェ侯爵家の一人娘。番である両親に憧れていて、番との婚姻を完全に諦めるまでは異性との交際は控えようと思っていた。  しかし、ある日を境に母親から異性との交際をしつこく勧められるようになり、仕方なく幼馴染で猫獣人のファンゲンに恋人のふりを頼むことに。彼の方にも事情があり、お互いの利害が一致したことから二人の嘘の交際が始まった。  そして二人が成長すると、なんと偽の恋人役を頼んだ幼馴染のファンゲンから番の気配を感じるようになり、幼馴染が大好きだったラシーヌは大喜び。早速母親に、 『お付き合いしている幼馴染のファンゲンが私の番かもしれない』――と報告するのだが。 「そう、番だったら別れなさい」  母親からの返答はラシーヌには受け入れ難いものだった。  お母様どうして!?  何で運命の番と別れなくてはいけないの!?

悪役令嬢になったようなので、婚約者の為に身を引きます!!!

夕香里
恋愛
王子に婚約破棄され牢屋行き。 挙句の果てには獄中死になることを思い出した悪役令嬢のアタナシアは、家族と王子のために自分の心に蓋をして身を引くことにした。 だが、アタナシアに甦った記憶と少しずつ違う部分が出始めて……? 酷い結末を迎えるくらいなら自分から身を引こうと決めたアタナシアと王子の話。 ※小説家になろうでも投稿しています

【完結】大好きな幼馴染には愛している人がいるようです。だからわたしは頑張って仕事に生きようと思います。

たろ
恋愛
幼馴染のロード。 学校を卒業してロードは村から街へ。 街の警備隊の騎士になり、気がつけば人気者に。 ダリアは大好きなロードの近くにいたくて街に出て子爵家のメイドとして働き出した。 なかなか会うことはなくても同じ街にいるだけでも幸せだと思っていた。いつかは終わらせないといけない片思い。 ロードが恋人を作るまで、夢を見ていようと思っていたのに……何故か自分がロードの恋人になってしまった。 それも女避けのための(仮)の恋人に。 そしてとうとうロードには愛する女性が現れた。 ダリアは、静かに身を引く決意をして……… ★ 短編から長編に変更させていただきます。 すみません。いつものように話が長くなってしまいました。

婚約破棄されたトリノは、継母や姉たちや使用人からもいじめられているので、前世の記憶を思い出し、家から脱走して旅にでる!

山田 バルス
恋愛
 この屋敷は、わたしの居場所じゃない。  薄明かりの差し込む天窓の下、トリノは古びた石床に敷かれた毛布の中で、静かに目を覚ました。肌寒さに身をすくめながら、昨日と変わらぬ粗末な日常が始まる。  かつては伯爵家の令嬢として、それなりに贅沢に暮らしていたはずだった。だけど、実の母が亡くなり、父が再婚してから、すべてが変わった。 「おい、灰かぶり。いつまで寝てんのよ、あんたは召使いのつもり?」 「ごめんなさい、すぐに……」 「ふーん、また寝癖ついてる。魔獣みたいな髪。鏡って知ってる?」 「……すみません」 トリノはペコリと頭を下げる。反論なんて、とうにあきらめた。 この世界は、魔法と剣が支配する王国《エルデラン》の北方領。名門リドグレイ伯爵家の屋敷には、魔道具や召使い、そして“偽りの家族”がそろっている。 彼女――トリノ・リドグレイは、この家の“戸籍上は三女”。けれど実態は、召使い以下の扱いだった。 「キッチン、昨日の灰がそのままだったわよ? ご主人様の食事を用意する手も、まるで泥人形ね」 「今朝の朝食、あなたの分はなし。ねえ、ミレイア? “灰かぶり令嬢”には、灰でも食べさせればいいのよ」 「賛成♪ ちょうど暖炉の掃除があるし、役立ててあげる」 三人がくすくすと笑うなか、トリノはただ小さくうなずいた。  夜。屋敷が静まり、誰もいない納戸で、トリノはひとり、こっそり木箱を開いた。中には小さな布包み。亡き母の形見――古びた銀のペンダントが眠っていた。  それだけが、彼女の“世界でただ一つの宝物”。 「……お母さま。わたし、がんばってるよ。ちゃんと、ひとりでも……」  声が震える。けれど、涙は流さなかった。  屋敷の誰にも必要とされない“灰かぶり令嬢”。 だけど、彼女の心だけは、まだ折れていない。  いつか、この冷たい塔を抜け出して、空の広い場所へ行くんだ。  そう、小さく、けれど確かに誓った。

笑い方を忘れた令嬢

Blue
恋愛
 お母様が天国へと旅立ってから10年の月日が流れた。大好きなお父様と二人で過ごす日々に突然終止符が打たれる。突然やって来た新しい家族。病で倒れてしまったお父様。私を嫌な目つきで見てくる伯父様。どうしたらいいの?誰か、助けて。