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牙を剥く狂気
復讐
「先生、頼まれていた全ての薬ですけど作り終わりました」
朝一番に頼まれた薬を作り終わったのはお昼前だった。
「御苦労さん。今日はもう店を閉めるから帰っていいぞ」
外を確認するとまだ彼は来ていなかった。
「いえ、まだ時間があるので閉めるの手伝います」
「彼氏が迎えに来るのかい?」
「彼氏じゃありません」
ニマニマ笑う先生の言葉を否定する。
「それより先生。予定があるって言ってましたよね?ちゃんと店は閉めますから、行ってもらって大丈夫ですよ」
「そうかい?すまんのう。それじゃあ、よろしく頼む」
そばに置いてあったカバンを持ち先生が店を出る。
「よし。後はこれを片付けてから閉めるだけね」
置いてあった薬や器具を裏に片付ける。
カランカラン
すると店の扉の開く音がした。
「すいません。本日はもう店は終わって…」
店の方に戻るとそこにはヴォーグさんが立っていた。
「こんにちは」
「ヴォーグ…さん。こんにち…は」
最近彼の事を避けていたから少し気まずい。だが、彼はそんな事気にしてない様に私に笑いかける。
「もしかして今日は、お店終わり?」
「はい。先生が午後に予定があって出掛けていて。…薬を買いに来たんですか?それなら直ぐに売りますけど」
(早く帰って欲しい)
それが今の気持ちだった。
「これからリュシル君と待ち合わせ?」
「…そうですけど」
「じゃあ丁度良かった」
「何が…」
その時。
(あれ?)
くらりと眩暈がし身体がよろける。
「な…に?」
「やっと効いてきた」
その言葉にヴォーグさんを見上げる。その時には既に立っていられなくて床に倒れ込んでいた。
「この日をずっと待ってたんだ。ようやくアイツに復讐出来る!」
(復讐…?)
『アザミの花言葉は色々あるの。"厳格"、"満足"、"独立"、"安心"、…そして"復讐"』
「安心して。君に使ったのはかなり薄くして調合した永眠草だよ。ゆっくりと効果が現れるから直ぐには効かない。最初の頃に教えたよね?」
「で…も、匂い」
永眠草特有の甘い匂いがしなかった。
「俺があげた樹脂で固めたペンダント。持っててくれたんだね」
急にペンダントの話が始まる。
「その樹脂にはある特殊な魔法を仕掛けてあるんだ。」
(魔法?)
今の時代、魔法は殆ど廃れたと言ってもいい。
(それなのに魔法が使えるの?)
「まぁ、魔法って言っても殆ど意味の無い魔法だけど…。その魔法ってのが指定した物の匂いを感じさせないって魔法。それで指定したのは永眠草」
それはつまり、ペンダントをくれる前からこれを計画していたという事…。
朝一番に頼まれた薬を作り終わったのはお昼前だった。
「御苦労さん。今日はもう店を閉めるから帰っていいぞ」
外を確認するとまだ彼は来ていなかった。
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「彼氏じゃありません」
ニマニマ笑う先生の言葉を否定する。
「それより先生。予定があるって言ってましたよね?ちゃんと店は閉めますから、行ってもらって大丈夫ですよ」
「そうかい?すまんのう。それじゃあ、よろしく頼む」
そばに置いてあったカバンを持ち先生が店を出る。
「よし。後はこれを片付けてから閉めるだけね」
置いてあった薬や器具を裏に片付ける。
カランカラン
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「すいません。本日はもう店は終わって…」
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「こんにちは」
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最近彼の事を避けていたから少し気まずい。だが、彼はそんな事気にしてない様に私に笑いかける。
「もしかして今日は、お店終わり?」
「はい。先生が午後に予定があって出掛けていて。…薬を買いに来たんですか?それなら直ぐに売りますけど」
(早く帰って欲しい)
それが今の気持ちだった。
「これからリュシル君と待ち合わせ?」
「…そうですけど」
「じゃあ丁度良かった」
「何が…」
その時。
(あれ?)
くらりと眩暈がし身体がよろける。
「な…に?」
「やっと効いてきた」
その言葉にヴォーグさんを見上げる。その時には既に立っていられなくて床に倒れ込んでいた。
「この日をずっと待ってたんだ。ようやくアイツに復讐出来る!」
(復讐…?)
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「安心して。君に使ったのはかなり薄くして調合した永眠草だよ。ゆっくりと効果が現れるから直ぐには効かない。最初の頃に教えたよね?」
「で…も、匂い」
永眠草特有の甘い匂いがしなかった。
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(魔法?)
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(それなのに魔法が使えるの?)
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