前世で私を嫌っていた番の彼が何故か迫って来ます!

ハルン

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終幕

気持ち

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「レムリア!!」

次の日、朝早くからローズがやって来た。

「良かった!無事で本当に良かった!」
「心配掛けてごめんね」

私に抱きつき涙を流すローズを抱き締める。

「本当よ…。私に心配掛けさせるなんて!もう二度と許さないんだから!」
「うん、わかった。お詫びにローズが食べたがってたケーキ奢るよ」
「………ワンホールよ」
「ふふっ、了解」

暫くして落ち着いたローズがこちらを見る。

「まさか、ヴォーグさんがあんな事するなんて…。心当たりは何も無いの?」
「うん。…ごめんね」

前世の事を言っても信じられないだろう。だから襲われた理由は分からないと言っている。

「聞いた話だと、ヴォーグさんも理由は話さないんだって」
「…そうなんだ」
「それより、リュシルが間に合って本当に良かった。我が弟ながら良くやったわ!」
「本当にリュシルには感謝してる。あの時のリュシルは、本当にかっこよかったよ」

するとローズが、にやにやしながらこちらを見ていた。

「?」
「これはもしかすると?」
「何?」
「惚れた?」
「へ?」

惚れた?

(リュシルに?私が?)

確かにあの時のリュシルはかっこよかった。でもそれは助けてくれたからで…。

(でもあの時、リュシルに助けを求めて)

「っ!?」

そこまで考えてボッと音がしそうな勢いで顔が熱くなる。

(私…何でリュシルに助けを求めたの?)

あの瞬間、私はリュシルを求めた。
もう一度、彼に会いたいとも思った。

(つまりそれって…)

「わ…たし」

ーーリュシルが好き。

それは、違和感なく胸に落ちた。

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