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21、バルデルスの悪夢
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「あ、そこは、あん! ダメェ~! お止め下さいませバルデルス様!」
「ペチャ、クチュッ。ナンナ、お願いだ出してくれ。君が飲みたいんだ! ああ、ハア、ハア、そうすればもう悪夢を見ないんだ! お願いだ! ナンナほら、いくらでも舐めてあげるから、ああ、ここを刺激すれば出たよね? ジュル、ブチュ、ジュルジュルジュルジュル!」
「ひうっ! あなたぁ! その美しいお顔、知性あふれる光神様! お願いでございます! どうかお許し下さいぃ~!」
チョロロッ、ショワー!
「ゴクン。ジュルゴクゴク、ジュルジュルゴクゴクゴクン。ああ、ナンナ、君のおかげで今夜の私は救われたよ!」
「バルデルス様。私、あ、ああ! 申し訳ございません! あ、そんな!」
「ヂュポ! ねえ、もっと出るでしょうナンナ? チュウチュウ~」
「ひうっ! 舌が?! ああ! お止め下さいませバルデルス様!」
「ナンナ、ナンナ、僕のナンナ! 助けてくれ! 誰かが僕を殺しに来るんだ! 炎が僕を貫くんだ! そして光を失い大いなる冬がやって来る! 吹雪と戦乱が訪れるんだ! 兄達が戦い合う! この国が滅びるのだ! 血の洪水が、巨人達が、押し寄せて来るんだ!」
「フリッグ義母様、バルデルス様をお救い下さいませ。彼は夜ごと恐ろしい予知夢に苛まれております」
「何じゃと?! ナンナ、詳しく話して聞かせなさい」
「はい。 彼は夜ごとに炎の刺し貫かれ、また、光の神である彼自身の死によって、夏の来ない風と吹雪、兄弟をも殺し会う戦乱の冬が訪れると。ヴァナヘイムよりヴァン神族が攻めて来る、血の洪水で皆が死すと」
「誠にそのように言うておるのじゃな?」
「はい。とうとう昨夜は錯乱されて……。あの、私のその」
「ん? ナンナ、どうしたのじゃ? 熱があるようじゃの?! いかん、さあ休みなさい!」
「はい。お義母様、あのそれでは……。バルデルス様のことを、よろしくお願い致します」
「我が息子のことじゃ。任せるが良い」
誰が私の愛しいバルドルを狙おておるのじゃ?
これは世界中の皆に光の神である我が息子バルデルスを傷つけぬように誓わせねば。
フリッグによって世界中の全ての生物が。また無生物までもが、バルデルスを傷つけないことを約束し誓いをたてた。
ただ一つの例外を除いて。
若すぎたミスティルテインは誓いを立てることさえ出来なかったのだった。
「まあ、そなたほどに幼く、か弱いモノに私のバルドルを傷つける事は出来ぬであろうよ。もう良い下がりなさい」
「あい。めがみたま」
「さあ、これで何者も、私のバルドル、光の神、バルデルスを傷つける事は出来ぬであろう! 皆のもの祝うのじゃ!」
「やあ我が妹殿。バルドルを祝おう!」
「森の神! あなたの泉のお陰で、私のバルドルが世界中から愛される事が出来たわ。ありがとうミーミル兄様!」
「なに、私にとっても可愛い甥っ子だ。よかったな、愛の女神フリッグ!」
ふん。忌ま忌ましい。何が世界中に愛される光の神だ?!
ナンナまで手に入れて、まだ世界中からまでも愛されたいと言うのか?
どうにかしてアイツを傷つけ、殺してやろう。
ナンナに愛され、オレよりも美しく、愛される神などこのままにして置くものか!
神々がバルデルスを祝う宴に招かれざる客人がいた。
自身を、オーディンと盃を交わしあった義兄弟と名乗る悪心を持つ者。
物陰でロキは憎悪の目でバルデルスを見つめていたのだった。
「ペチャ、クチュッ。ナンナ、お願いだ出してくれ。君が飲みたいんだ! ああ、ハア、ハア、そうすればもう悪夢を見ないんだ! お願いだ! ナンナほら、いくらでも舐めてあげるから、ああ、ここを刺激すれば出たよね? ジュル、ブチュ、ジュルジュルジュルジュル!」
「ひうっ! あなたぁ! その美しいお顔、知性あふれる光神様! お願いでございます! どうかお許し下さいぃ~!」
チョロロッ、ショワー!
「ゴクン。ジュルゴクゴク、ジュルジュルゴクゴクゴクン。ああ、ナンナ、君のおかげで今夜の私は救われたよ!」
「バルデルス様。私、あ、ああ! 申し訳ございません! あ、そんな!」
「ヂュポ! ねえ、もっと出るでしょうナンナ? チュウチュウ~」
「ひうっ! 舌が?! ああ! お止め下さいませバルデルス様!」
「ナンナ、ナンナ、僕のナンナ! 助けてくれ! 誰かが僕を殺しに来るんだ! 炎が僕を貫くんだ! そして光を失い大いなる冬がやって来る! 吹雪と戦乱が訪れるんだ! 兄達が戦い合う! この国が滅びるのだ! 血の洪水が、巨人達が、押し寄せて来るんだ!」
「フリッグ義母様、バルデルス様をお救い下さいませ。彼は夜ごと恐ろしい予知夢に苛まれております」
「何じゃと?! ナンナ、詳しく話して聞かせなさい」
「はい。 彼は夜ごとに炎の刺し貫かれ、また、光の神である彼自身の死によって、夏の来ない風と吹雪、兄弟をも殺し会う戦乱の冬が訪れると。ヴァナヘイムよりヴァン神族が攻めて来る、血の洪水で皆が死すと」
「誠にそのように言うておるのじゃな?」
「はい。とうとう昨夜は錯乱されて……。あの、私のその」
「ん? ナンナ、どうしたのじゃ? 熱があるようじゃの?! いかん、さあ休みなさい!」
「はい。お義母様、あのそれでは……。バルデルス様のことを、よろしくお願い致します」
「我が息子のことじゃ。任せるが良い」
誰が私の愛しいバルドルを狙おておるのじゃ?
これは世界中の皆に光の神である我が息子バルデルスを傷つけぬように誓わせねば。
フリッグによって世界中の全ての生物が。また無生物までもが、バルデルスを傷つけないことを約束し誓いをたてた。
ただ一つの例外を除いて。
若すぎたミスティルテインは誓いを立てることさえ出来なかったのだった。
「まあ、そなたほどに幼く、か弱いモノに私のバルドルを傷つける事は出来ぬであろうよ。もう良い下がりなさい」
「あい。めがみたま」
「さあ、これで何者も、私のバルドル、光の神、バルデルスを傷つける事は出来ぬであろう! 皆のもの祝うのじゃ!」
「やあ我が妹殿。バルドルを祝おう!」
「森の神! あなたの泉のお陰で、私のバルドルが世界中から愛される事が出来たわ。ありがとうミーミル兄様!」
「なに、私にとっても可愛い甥っ子だ。よかったな、愛の女神フリッグ!」
ふん。忌ま忌ましい。何が世界中に愛される光の神だ?!
ナンナまで手に入れて、まだ世界中からまでも愛されたいと言うのか?
どうにかしてアイツを傷つけ、殺してやろう。
ナンナに愛され、オレよりも美しく、愛される神などこのままにして置くものか!
神々がバルデルスを祝う宴に招かれざる客人がいた。
自身を、オーディンと盃を交わしあった義兄弟と名乗る悪心を持つ者。
物陰でロキは憎悪の目でバルデルスを見つめていたのだった。
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