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#2:邂逅~それぞれの思い
#2-3.「小説の告白シーンのようだ」とメルなら言う……かも?
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(えーっと……これはどういう状況なのかしら?)
放課後、学院長室に呼び出されて現れた金髪の青年。
学院長が「殿下」と呼んでいた事から、何れかの国の王子殿下……恐らくマリナと同じウルバーン国。
服装はキラキラしいし、学院長にも偉そうだったし。
という訳で、マリナは盛大に戸惑っていた。
自分の記憶が確かならば、ウルバーンに王子は二人いる。
現国王の二人の嫡子の内、上の息子は既に立太子し次代の王として国政の一端を担っていると聞く。
もう一人、王太子より10歳ほど年の離れた王子が、恐らく目の前で優雅に足を組んで座っているハロルド・オーウェンズ殿下なのだろう。
(確か……お兄様より一つ上、ゲネルと同い年だったはず)
社交界を避けに避けデビュタントも領地でひっそりと行ったマリナには、今まで関わり合いのなかった人だ。
……ほんの少し前までそう思っていた。
もちろん、面識はない。初めまして、だ。
(初対面なのに……そんなに見てこないで!)
ハロルドは向かいのソファに座ったまま、何処かうっとりとした瞳でじっとマリナを見続けている。
学院長はハロルドをここへ案内したあと、そそくさと部屋を出ていってしまった。
常に付き従っているはずの従者も護衛騎士も退室させられた。
去り際に瞳が合った彼らの表情は何だったんだろうと不可思議なことこの上ないが、居心地が悪すぎる。
立場的に下の自分から声を掛けるのも憚られ、二人きりで延々無言で向き合うこと小一時間。
「………………」
「………………」
カタリとも音を立てず完璧な所作で香茶を飲む間も、ハロルドの視線はこちらを向いたまま。
マリナの香茶は、手を付けないまますっかり冷めてしまった。
「………………」
「………………」
さらに時間が経ち……。
(困った……もう不敬を覚悟で話しかけるしかないかしら。仕方ないわね)
「あの………………」
意を決して話しかけようとしたところ、向かい側のハロルドが立ち上がりこちらへやってきてマリナの隣に座る。
そして手を取って恭しく口づけを落とす。
(ななななな、何事!?)
取られた手を引っこ抜くわけにもいかず、ハロルドから心持ち距離を開けようとソファの上をじりじりと後ずさる。
下がった分距離を縮められ、なんならもっと距離を詰められ、もう後ろにはソファの背凭れしかないほど追い込まれてしまった。
(ち、近い!近い!!こういう時助けてくれる……従者も護衛騎士もいないんだったー!)
極端に他人との付き合いの少ないマリナにとって、こういった異性との接触は極めて少なく免疫など皆無。
しかも相手は王族。
声も出せないほどパニックになるのは仕方がない。
「あの……さ」
一言そう言い掛けて、ハロルドはマリナの手を握ったまま俯いて黙り込む。
心做しか身体が震えているような気もする。
「殿下……どうかされましたか?何処か苦しいのですか?」
もしかして具合が悪いのかもしれない。
あまりに様子がおかしいので、俯いた顔を覗き込むようにしてマリナから聞いてみた。
「苦しい?……ああ、そうだな苦しい」
「それは!誰か呼びに……」
「違う!そうでは無い。私は……私が苦しいのは……」
ハロルドは、もじもじとマリナの手を握ったまま何かを呟いている。
「君のせいだ」
「わたし……?」
「そうだ。私のこと、覚えていないか?10年前に会ってるのだが」
取られた手に指を絡ませ、きゅっと握られる。
いくら手袋の上からとは言え、此程の接触は危険だ。望まなくても下僕化してしまう恐れがある。
王子なんかを下僕化なんかした日には、いくらオージェ家が大貴族とは言え大問題となる。
もしかしたら『勇者』に滅せられるかもしれない。
(これは、とっとと思い出して開放していただこう)
10年前、10年前、10年前……10年前?
ちょうどマルセルがが正式にマリナの双子の弟になった頃だ。
まだ6歳のマルセル、可愛かったなあ。
あ、今ももちろん可愛いんだけども。
可愛い弟のことを思い出して脱線しそうになる思考をもとに戻し、10年前を思い出す。
そもそも、10年前も今も、領地を出ることはほぼない自分が、王子に出会う事なんてないのではないだろうか。
王子が領地に来た覚えはないし、出会うとしたら王都……?
覚えてる限り、16年間領地を出たことなんて数えるほど、王都へは孤児院と街に数回出掛けただけ、後は父とマルセルと神殿に行ったぐらいだ。
(ん?神殿で……金髪の……少年?10年前?)
「もしかして、神殿……」
「思い出したか!?」
マリナが考えている間、ずっと手を握り指を絡ませすりすりと弄っていたハロルドが、ぱっと顔を上げ嬉しそうに破顔する。
あ、見ちゃ……コンタクトしてるし大丈夫かな。
間近で瞳が合った王子は、翠寄りの綺麗な蒼い瞳をしていて、サラサラとした金髪で、そう、ユーリとよく似ている。
確か、あの日、神殿で出会った二人の少年も、兄弟かと思うほどよく似ていた。
違いは……あ、王子には瞳に金の輪がある。
(あの日会った少年……瞳を合わせたのは、もしかして殿下だった?)
「突然かと思うかもしれないが、私と……」
繋いだ手はそのままに、ハロルドが立ち上がりソファに座るマリナの前で膝を折る。
(ひ、ひえ……王子がなんて格好を!!誰かに見られたら、確実に不敬罪で捕まるのでは!?)
「私と結婚してくれないか、マリネッテ嬢」
「…………………………は?」
王子相手に失礼な返事だとは思う。
思うがしかし、ハロルドは今何と言ったのか。
マリナの耳がおかしくなっていないのであれば「結婚して」って聞こえたが、まさか。
マリナが聞いた「結婚して」が、正しく「結婚して」って意味なら、なおさら「は?」だ。
(どういうことですか?)
10年前神殿で会ったのが目の前にいるハロルドだとして、あの時が「初めまして」なら今日はまだたったの2回めだ。
結婚だのなんだの、言われるような間柄になりえない。
「聞こえなかったか?私は君にプロポーズを……」
「だ、大丈夫です、聞こえています。聞こえました……が……」
冗談……ではなさそう。
ハロルドの目は真剣だ。
だからって、受諾できるかと言えばそれはもう無理!の一択なんだけど。
「そうか、証がいるのだな。気が逸って大事な物を失念していた。私のエメラルドにしようか、君のアメジストにしようか。いや、最高級のブラックダイヤを取り寄せよう。少し時間がかかるかも知れないが納得の行く物を贈りたい」
(な、なんの話!?)
「ち、違います。そうではなくて……」
「証は後でも良いと?それなら良かった……良くはないな、勿論出来るだけ早急に用意する。それで日取りはいつにする?王族の慣例に倣えばおよそ1年後となるが、私はもっと早めてもいいと思っている。ただ君はまだ学生だし、やはり卒業して成年となる……いや、学生のうちにでも取り敢えず婚約を……」
「お、お待ち下さい!」
膝を折る姿勢を止めたはいいが、またもや隣りに座って繋いでいた手をギュッと握られる。
落ち着け王子!
どうしてわたしがプロポーズを受けた事になってるの!?
え?これって断れない?まさか、そんな事ないよね???
澱みなくこれからの予定を、あたかも決まった事かのようにツラツラと語り出すハロルドに、もう不敬だとかそんな事言っていられないほどにマリナは焦っていた。
「いきなりプロポーズなんてして驚いたか?自分でも性急だと自覚しているが10年も待ったんだ。そうだな、やはり取り敢えず婚約はしておいて直ぐにでも王城に来てもらって……」
「そ、そんな話ではなく!」
このまま流されてしまったら王子と婚約させられてしまう。
そんな事、祖父も父も許すはずはないと思いつつも、「避けるべき家」筆頭の勇者を差し置いて、王家なんてとんでもない。
ここははっきりお断りしないと!
「あの、ハロルド王子殿下?大変嬉しいお言葉な……」
「『ハロルド王子殿下』などと他人行儀な呼び方ではなく、『ルディ』と呼んでくれ。君のことは『マリナ』と呼んでも?」
(いえ、他人ですよ、王子!ああ、そんなキラキラした瞳で見られても!)
「大変嬉しいお言葉なのですが、わたしには到底ハロルド王子殿下のお相手が務まるとは思えません。申し訳ありませんが、この話はお断りさせていただきたく……」
(王家なんてお断りです!!って直球で言いたい!)
「どうして?私の何が不満?オージェ家も大貴族だけど、私は王族だよ?どんな贅沢も思いのままだよ?」
「いえ、あの、そんな事ではなく……」
(あー話が通じない!!)
贅沢なんて興味ない。
今の生活で十分だ。
仮に、思う存分贅沢できたとして、王族として今後生きていかねばならぬリスクのほうが遥かに高い。
だって、マリナは……自分は『魔王』だ。
「じゃあ、なに?どうしたら君は私と結婚するの?」
「どうしたらって言うか……」
なんで王子はこんなに自信満々なんだ。
全く私の話を聞く気のない相手をどうやって納得させればいいか。
手を握ったままぐいぐい距離を詰めてくるハロルドに、ほとほと困り果てていた時だった
「どうしたって、マリネッテ嬢はあなたと結婚などしません」
扉がバンと大きな音を立てて開き、地を這うような低い声でそう言いながら入ってきたのはユーリだった。
放課後、学院長室に呼び出されて現れた金髪の青年。
学院長が「殿下」と呼んでいた事から、何れかの国の王子殿下……恐らくマリナと同じウルバーン国。
服装はキラキラしいし、学院長にも偉そうだったし。
という訳で、マリナは盛大に戸惑っていた。
自分の記憶が確かならば、ウルバーンに王子は二人いる。
現国王の二人の嫡子の内、上の息子は既に立太子し次代の王として国政の一端を担っていると聞く。
もう一人、王太子より10歳ほど年の離れた王子が、恐らく目の前で優雅に足を組んで座っているハロルド・オーウェンズ殿下なのだろう。
(確か……お兄様より一つ上、ゲネルと同い年だったはず)
社交界を避けに避けデビュタントも領地でひっそりと行ったマリナには、今まで関わり合いのなかった人だ。
……ほんの少し前までそう思っていた。
もちろん、面識はない。初めまして、だ。
(初対面なのに……そんなに見てこないで!)
ハロルドは向かいのソファに座ったまま、何処かうっとりとした瞳でじっとマリナを見続けている。
学院長はハロルドをここへ案内したあと、そそくさと部屋を出ていってしまった。
常に付き従っているはずの従者も護衛騎士も退室させられた。
去り際に瞳が合った彼らの表情は何だったんだろうと不可思議なことこの上ないが、居心地が悪すぎる。
立場的に下の自分から声を掛けるのも憚られ、二人きりで延々無言で向き合うこと小一時間。
「………………」
「………………」
カタリとも音を立てず完璧な所作で香茶を飲む間も、ハロルドの視線はこちらを向いたまま。
マリナの香茶は、手を付けないまますっかり冷めてしまった。
「………………」
「………………」
さらに時間が経ち……。
(困った……もう不敬を覚悟で話しかけるしかないかしら。仕方ないわね)
「あの………………」
意を決して話しかけようとしたところ、向かい側のハロルドが立ち上がりこちらへやってきてマリナの隣に座る。
そして手を取って恭しく口づけを落とす。
(ななななな、何事!?)
取られた手を引っこ抜くわけにもいかず、ハロルドから心持ち距離を開けようとソファの上をじりじりと後ずさる。
下がった分距離を縮められ、なんならもっと距離を詰められ、もう後ろにはソファの背凭れしかないほど追い込まれてしまった。
(ち、近い!近い!!こういう時助けてくれる……従者も護衛騎士もいないんだったー!)
極端に他人との付き合いの少ないマリナにとって、こういった異性との接触は極めて少なく免疫など皆無。
しかも相手は王族。
声も出せないほどパニックになるのは仕方がない。
「あの……さ」
一言そう言い掛けて、ハロルドはマリナの手を握ったまま俯いて黙り込む。
心做しか身体が震えているような気もする。
「殿下……どうかされましたか?何処か苦しいのですか?」
もしかして具合が悪いのかもしれない。
あまりに様子がおかしいので、俯いた顔を覗き込むようにしてマリナから聞いてみた。
「苦しい?……ああ、そうだな苦しい」
「それは!誰か呼びに……」
「違う!そうでは無い。私は……私が苦しいのは……」
ハロルドは、もじもじとマリナの手を握ったまま何かを呟いている。
「君のせいだ」
「わたし……?」
「そうだ。私のこと、覚えていないか?10年前に会ってるのだが」
取られた手に指を絡ませ、きゅっと握られる。
いくら手袋の上からとは言え、此程の接触は危険だ。望まなくても下僕化してしまう恐れがある。
王子なんかを下僕化なんかした日には、いくらオージェ家が大貴族とは言え大問題となる。
もしかしたら『勇者』に滅せられるかもしれない。
(これは、とっとと思い出して開放していただこう)
10年前、10年前、10年前……10年前?
ちょうどマルセルがが正式にマリナの双子の弟になった頃だ。
まだ6歳のマルセル、可愛かったなあ。
あ、今ももちろん可愛いんだけども。
可愛い弟のことを思い出して脱線しそうになる思考をもとに戻し、10年前を思い出す。
そもそも、10年前も今も、領地を出ることはほぼない自分が、王子に出会う事なんてないのではないだろうか。
王子が領地に来た覚えはないし、出会うとしたら王都……?
覚えてる限り、16年間領地を出たことなんて数えるほど、王都へは孤児院と街に数回出掛けただけ、後は父とマルセルと神殿に行ったぐらいだ。
(ん?神殿で……金髪の……少年?10年前?)
「もしかして、神殿……」
「思い出したか!?」
マリナが考えている間、ずっと手を握り指を絡ませすりすりと弄っていたハロルドが、ぱっと顔を上げ嬉しそうに破顔する。
あ、見ちゃ……コンタクトしてるし大丈夫かな。
間近で瞳が合った王子は、翠寄りの綺麗な蒼い瞳をしていて、サラサラとした金髪で、そう、ユーリとよく似ている。
確か、あの日、神殿で出会った二人の少年も、兄弟かと思うほどよく似ていた。
違いは……あ、王子には瞳に金の輪がある。
(あの日会った少年……瞳を合わせたのは、もしかして殿下だった?)
「突然かと思うかもしれないが、私と……」
繋いだ手はそのままに、ハロルドが立ち上がりソファに座るマリナの前で膝を折る。
(ひ、ひえ……王子がなんて格好を!!誰かに見られたら、確実に不敬罪で捕まるのでは!?)
「私と結婚してくれないか、マリネッテ嬢」
「…………………………は?」
王子相手に失礼な返事だとは思う。
思うがしかし、ハロルドは今何と言ったのか。
マリナの耳がおかしくなっていないのであれば「結婚して」って聞こえたが、まさか。
マリナが聞いた「結婚して」が、正しく「結婚して」って意味なら、なおさら「は?」だ。
(どういうことですか?)
10年前神殿で会ったのが目の前にいるハロルドだとして、あの時が「初めまして」なら今日はまだたったの2回めだ。
結婚だのなんだの、言われるような間柄になりえない。
「聞こえなかったか?私は君にプロポーズを……」
「だ、大丈夫です、聞こえています。聞こえました……が……」
冗談……ではなさそう。
ハロルドの目は真剣だ。
だからって、受諾できるかと言えばそれはもう無理!の一択なんだけど。
「そうか、証がいるのだな。気が逸って大事な物を失念していた。私のエメラルドにしようか、君のアメジストにしようか。いや、最高級のブラックダイヤを取り寄せよう。少し時間がかかるかも知れないが納得の行く物を贈りたい」
(な、なんの話!?)
「ち、違います。そうではなくて……」
「証は後でも良いと?それなら良かった……良くはないな、勿論出来るだけ早急に用意する。それで日取りはいつにする?王族の慣例に倣えばおよそ1年後となるが、私はもっと早めてもいいと思っている。ただ君はまだ学生だし、やはり卒業して成年となる……いや、学生のうちにでも取り敢えず婚約を……」
「お、お待ち下さい!」
膝を折る姿勢を止めたはいいが、またもや隣りに座って繋いでいた手をギュッと握られる。
落ち着け王子!
どうしてわたしがプロポーズを受けた事になってるの!?
え?これって断れない?まさか、そんな事ないよね???
澱みなくこれからの予定を、あたかも決まった事かのようにツラツラと語り出すハロルドに、もう不敬だとかそんな事言っていられないほどにマリナは焦っていた。
「いきなりプロポーズなんてして驚いたか?自分でも性急だと自覚しているが10年も待ったんだ。そうだな、やはり取り敢えず婚約はしておいて直ぐにでも王城に来てもらって……」
「そ、そんな話ではなく!」
このまま流されてしまったら王子と婚約させられてしまう。
そんな事、祖父も父も許すはずはないと思いつつも、「避けるべき家」筆頭の勇者を差し置いて、王家なんてとんでもない。
ここははっきりお断りしないと!
「あの、ハロルド王子殿下?大変嬉しいお言葉な……」
「『ハロルド王子殿下』などと他人行儀な呼び方ではなく、『ルディ』と呼んでくれ。君のことは『マリナ』と呼んでも?」
(いえ、他人ですよ、王子!ああ、そんなキラキラした瞳で見られても!)
「大変嬉しいお言葉なのですが、わたしには到底ハロルド王子殿下のお相手が務まるとは思えません。申し訳ありませんが、この話はお断りさせていただきたく……」
(王家なんてお断りです!!って直球で言いたい!)
「どうして?私の何が不満?オージェ家も大貴族だけど、私は王族だよ?どんな贅沢も思いのままだよ?」
「いえ、あの、そんな事ではなく……」
(あー話が通じない!!)
贅沢なんて興味ない。
今の生活で十分だ。
仮に、思う存分贅沢できたとして、王族として今後生きていかねばならぬリスクのほうが遥かに高い。
だって、マリナは……自分は『魔王』だ。
「じゃあ、なに?どうしたら君は私と結婚するの?」
「どうしたらって言うか……」
なんで王子はこんなに自信満々なんだ。
全く私の話を聞く気のない相手をどうやって納得させればいいか。
手を握ったままぐいぐい距離を詰めてくるハロルドに、ほとほと困り果てていた時だった
「どうしたって、マリネッテ嬢はあなたと結婚などしません」
扉がバンと大きな音を立てて開き、地を這うような低い声でそう言いながら入ってきたのはユーリだった。
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