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#4:宿泊研修~準備編
#4-余談3.夜半前のランニングに加え見廻りも日課となりました
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<ケンティス視点>
────────────────────
(寝たか)
見上げた部屋の明かりが消え、2つあった気配が一つ消えるともう一つもすうっと意識が落ちていった。
追いかけていた気配の行方を探ると、途中で消えた。
(移動か、転移か、どちらにしても簡単に使えるものではない筈だが)
自分が見知った場所に飛ぶことを移動、知らない場所でも座標を指定して飛ぶことを転移と言う。
どちらも強い魔力と適性が必要で、便利だからと誰もが使えるものではない。
当然、アカデミーに通う学生ごときが使えるものでもない。
(ユーリは別格だけど)
なにせ、ユーリは勇者だ。
魔力も性質も何もかもが抜きん出ている。
恐らく殿下よりも……。
去年までアカデミーにいた、ひとつ上のハロルドを思い浮かべる。
王家特有の金環の瞳を持った継嗣。
いっそ、それだけが違うように、王子とユーリは兄弟のように似ていた。
金の髪も、翠寄りの蒼い瞳も。
現国王の妹姫がユーリの母であり、彼らが従兄弟同士であることを考えれば、似てるのも当然なのだが。
ただ、似ているのは見た目だけじゃない、剣の腕も、使える属性も。
(いや、深く考えるのはよそう。オレには関係ない)
今は彼女のことだけだ。
昨日、帰りが遅かったことが心配で、今日は影からそっと見守ろうとこっそり後をつけていた。
約束していた第一師団へは、急用で行けない旨を伝えていた。
ズル休みなど初めてのことだ。
(いや、ズルではない。オレは兄代わりとして妹に危険がないか確認しているだけだ)
午前中はドールとマシューが、午後からはマシューがずっと近くに付いていたので安心はしていたが、眠るまでが今日だとも言うし。
明日からは宿泊研修で自分の目が届かない。
今日も言ったが、明日の朝にでももう一度、くれぐれも気を付けるように弟に言い聞かせなければ。
もう一度見上げて、部屋の主が穏やかな眠りに就いているのを確認し、オレはその場を離れた。
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(寝たか)
見上げた部屋の明かりが消え、2つあった気配が一つ消えるともう一つもすうっと意識が落ちていった。
追いかけていた気配の行方を探ると、途中で消えた。
(移動か、転移か、どちらにしても簡単に使えるものではない筈だが)
自分が見知った場所に飛ぶことを移動、知らない場所でも座標を指定して飛ぶことを転移と言う。
どちらも強い魔力と適性が必要で、便利だからと誰もが使えるものではない。
当然、アカデミーに通う学生ごときが使えるものでもない。
(ユーリは別格だけど)
なにせ、ユーリは勇者だ。
魔力も性質も何もかもが抜きん出ている。
恐らく殿下よりも……。
去年までアカデミーにいた、ひとつ上のハロルドを思い浮かべる。
王家特有の金環の瞳を持った継嗣。
いっそ、それだけが違うように、王子とユーリは兄弟のように似ていた。
金の髪も、翠寄りの蒼い瞳も。
現国王の妹姫がユーリの母であり、彼らが従兄弟同士であることを考えれば、似てるのも当然なのだが。
ただ、似ているのは見た目だけじゃない、剣の腕も、使える属性も。
(いや、深く考えるのはよそう。オレには関係ない)
今は彼女のことだけだ。
昨日、帰りが遅かったことが心配で、今日は影からそっと見守ろうとこっそり後をつけていた。
約束していた第一師団へは、急用で行けない旨を伝えていた。
ズル休みなど初めてのことだ。
(いや、ズルではない。オレは兄代わりとして妹に危険がないか確認しているだけだ)
午前中はドールとマシューが、午後からはマシューがずっと近くに付いていたので安心はしていたが、眠るまでが今日だとも言うし。
明日からは宿泊研修で自分の目が届かない。
今日も言ったが、明日の朝にでももう一度、くれぐれも気を付けるように弟に言い聞かせなければ。
もう一度見上げて、部屋の主が穏やかな眠りに就いているのを確認し、オレはその場を離れた。
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