76 / 78
#4:宿泊研修~準備編
#4-余談6③.25+5歳のアラサー(泣)
しおりを挟む
お屋敷に着いてしばらくは、まだ小さいこともあり、厨房の手伝いや年の近いメルに付いて仕事を覚えていきました。
メルは私より3つ上で、私と同じ孤児院から引き取られたんですって。侍女見習いとしてゆくゆくはお嬢様付きの専属侍女を目指しているらしいです。
「メルすごーい、私もお嬢様付きの侍女になれるかなあ」
「駄目、お嬢様にはボクが付くから。シノは別の仕事探して」
「えー」
むう……いくら中身が25+5歳のアラサー(泣)だとしても、現状見た目5歳なので逆らえません。
年齢差を差し引いても、何故かメルは怖いのです。
お屋敷に来て数日経ったので、改めて自分について考えてみようと思います。
私は21世紀の日本に住む「備前志乃風」という名前の日本人でした。
よくある地方から大学進学で上京し、頑張った甲斐あって一流企業の秘書室に配属、社長付きの第二秘書として酷使される毎日を送っていました。
上司の第一秘書がクソだったんですけど、それはまあ置いておいて。
24時間対応を求められる秘書の仕事は目の回る忙しさでしたが、「影で支える」という仕事が向いていたのか、寝不足ながらも充実した日々を過ごしていました。
そんな忙しい中、心の潤いは彼氏……ではなくスマホで遊べる乙女ゲーム。
残業続きで家に寝に帰るだけの身としては、じっくり遊べる据え置きタイプのものより、手軽に隙間時間に出来るスマホゲームがプレイしやすかったんです。
その隙間時間さえとれなくて、ログボだけ貰う日が続いていたのですけど……。
(そう言えば、なんてタイトルだっけなあ……あとちょっとでクリアしそうだったんだけど。てか、新キャラ追加のお知らせ来てたのにー)
地方の弱小貴族出身のヒロインが、ワンコ系同級生やら俺様系生徒会長やら寡黙系副会長やらイケメン揃いのアカデミーに入って無双する王道ゲームだったような……新キャラは臨時教師と新理事就任の王子様と舞台の国の公子殿下だったでしょうか。
(それよりも!!!)
前世を思い出したから気付きましたけど、この世界って電気もガスもないんですよ。
だからって、水は場所によっては井戸から汲むから前時代文明かと思ったけど、厨房には水道があって蛇口を捻ればお湯も水も出るのがまあ不思議。
電気はないけど時間になればひとりでにランプに火が灯る。大広間のシャンデリアの一つ一つにさえ。
お風呂にはシャワーもジャグジーもあるし、トイレは当然ウォシュレット完備。
温泉が湧く場所もあるとか。
なにそれ、日本じゃんww
ここって何処?海外??とは朧気ながら思ってましたけど、それにしては生活様式から何もかもがおかしいですよね???
「あなたは魔力がないからねー」
って、侍女長に言われましたけど、そもそも魔力って!?
もしかして、私ってただの転生じゃなくて異世界転生でもしたの???
ここって魔法の世界!?
違う世界から来たから私には魔力がないの???
なるほど、それならば納得。
私は、どこかの世界に転生した元日本人25歳OLで、現在は魔力なしの孤児、もとい魔力なしの侍女見習いに毛が生えた程度の5歳ってわけですか。
ふむふむ、なら私に出来ることは、今の所……………………無いな!
引き取ってくださったお嬢様のために、少しでも役に立てれば、ぐらい。
つっても、5歳の幼児に大したことが出来るわけもなく、仕方ないので全力で5歳児として過ごすのみ!
幸い、お嬢様と同い年でもあるし、遊び相手ぐらいはしてあげられるかなー。
メルは私より3つ上で、私と同じ孤児院から引き取られたんですって。侍女見習いとしてゆくゆくはお嬢様付きの専属侍女を目指しているらしいです。
「メルすごーい、私もお嬢様付きの侍女になれるかなあ」
「駄目、お嬢様にはボクが付くから。シノは別の仕事探して」
「えー」
むう……いくら中身が25+5歳のアラサー(泣)だとしても、現状見た目5歳なので逆らえません。
年齢差を差し引いても、何故かメルは怖いのです。
お屋敷に来て数日経ったので、改めて自分について考えてみようと思います。
私は21世紀の日本に住む「備前志乃風」という名前の日本人でした。
よくある地方から大学進学で上京し、頑張った甲斐あって一流企業の秘書室に配属、社長付きの第二秘書として酷使される毎日を送っていました。
上司の第一秘書がクソだったんですけど、それはまあ置いておいて。
24時間対応を求められる秘書の仕事は目の回る忙しさでしたが、「影で支える」という仕事が向いていたのか、寝不足ながらも充実した日々を過ごしていました。
そんな忙しい中、心の潤いは彼氏……ではなくスマホで遊べる乙女ゲーム。
残業続きで家に寝に帰るだけの身としては、じっくり遊べる据え置きタイプのものより、手軽に隙間時間に出来るスマホゲームがプレイしやすかったんです。
その隙間時間さえとれなくて、ログボだけ貰う日が続いていたのですけど……。
(そう言えば、なんてタイトルだっけなあ……あとちょっとでクリアしそうだったんだけど。てか、新キャラ追加のお知らせ来てたのにー)
地方の弱小貴族出身のヒロインが、ワンコ系同級生やら俺様系生徒会長やら寡黙系副会長やらイケメン揃いのアカデミーに入って無双する王道ゲームだったような……新キャラは臨時教師と新理事就任の王子様と舞台の国の公子殿下だったでしょうか。
(それよりも!!!)
前世を思い出したから気付きましたけど、この世界って電気もガスもないんですよ。
だからって、水は場所によっては井戸から汲むから前時代文明かと思ったけど、厨房には水道があって蛇口を捻ればお湯も水も出るのがまあ不思議。
電気はないけど時間になればひとりでにランプに火が灯る。大広間のシャンデリアの一つ一つにさえ。
お風呂にはシャワーもジャグジーもあるし、トイレは当然ウォシュレット完備。
温泉が湧く場所もあるとか。
なにそれ、日本じゃんww
ここって何処?海外??とは朧気ながら思ってましたけど、それにしては生活様式から何もかもがおかしいですよね???
「あなたは魔力がないからねー」
って、侍女長に言われましたけど、そもそも魔力って!?
もしかして、私ってただの転生じゃなくて異世界転生でもしたの???
ここって魔法の世界!?
違う世界から来たから私には魔力がないの???
なるほど、それならば納得。
私は、どこかの世界に転生した元日本人25歳OLで、現在は魔力なしの孤児、もとい魔力なしの侍女見習いに毛が生えた程度の5歳ってわけですか。
ふむふむ、なら私に出来ることは、今の所……………………無いな!
引き取ってくださったお嬢様のために、少しでも役に立てれば、ぐらい。
つっても、5歳の幼児に大したことが出来るわけもなく、仕方ないので全力で5歳児として過ごすのみ!
幸い、お嬢様と同い年でもあるし、遊び相手ぐらいはしてあげられるかなー。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜
具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、
前世の記憶を取り戻す。
前世は日本の女子学生。
家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、
息苦しい毎日を過ごしていた。
ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。
転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。
女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。
だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、
横暴さを誇るのが「普通」だった。
けれどベアトリーチェは違う。
前世で身につけた「空気を読む力」と、
本を愛する静かな心を持っていた。
そんな彼女には二人の婚約者がいる。
――父違いの、血を分けた兄たち。
彼らは溺愛どころではなく、
「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。
ベアトリーチェは戸惑いながらも、
この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。
※表紙はAI画像です
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
猫なので、もう働きません。
具なっしー
恋愛
不老不死が実現した日本。600歳まで社畜として働き続けた私、佐々木ひまり。
やっと安楽死できると思ったら――普通に苦しいし、目が覚めたら猫になっていた!?
しかもここは女性が極端に少ない世界。
イケオジ貴族に拾われ、猫幼女として溺愛される日々が始まる。
「もう頑張らない」って決めたのに、また頑張っちゃう私……。
これは、社畜上がりの猫幼女が“だらだらしながら溺愛される”物語。
※表紙はAI画像です
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない
ラム猫
恋愛
幼い頃に、セリフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セリフィアはそれを喜んで受け入れた。
その後、十年以上彼と再会することはなかった。
三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セリフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセリフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセリフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セリフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる