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包み編み
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カーク?それが名前か?
「あい!」
セキ達と違って死んでから時間経ってたから記憶死んでるかと思ったけど、大丈夫だったのか。
「あい」
記憶全部?
「……や」首を振っている。
そう言いながら両の手を握ったり開いたりしている。頭にも触ってみている。
ああ~体の欠損が記憶にも影響しているって事か。
「……あい」
まあ食べる事も出来るし人間として生活する分には支障ないって事か。
「あい」
あとは……そうだな。普通に人間の中で生活するのに自分達スライムの同行は可能か?
「ん~ ん~」
腕を組んで体を左右に揺らしている。
この仕草はスライム達と同じだな。困った表現だ。
自分が離れてもスライムとしての活動が止まらないのはケイで確認済みだけど、あんまり離れすぎるのも心配なんだよ。
……人間カークは顔を緩めてセンの表面にいた自分を撫でた。
顔を手の平で覆われて周りが見えなくなったが手が温かかった。体は大丈夫そうだな。
カークが荷物の入っていた入れ物を持って来て中を見せてきた。
「あーさま、かばん、はいる」
センの体ごとカバンとやらに入れられる。
「人間、なか、みえない」
中から外も見えないな。と確認したら出された。
「スコラは、つれて、へーき」
……サッとセキ達が手を上げてカークの体を登ると肩の上に落ち着いた。
スコラってセキ達の体になっている生き物の事か。
「あい」
へーきってどういうことだ?
「人間、スコラ、こわくない」
見たら襲われるスライムと違って攻撃されないって事か?
「あい」
そしてスライムはカバンに入って人間の住む所まで行けばいいと?
「あい!」
こっそり観察は可能かも知れないな。
「あーさま、ぶら下げる」
ん?
「ほそいツル、ほしい」
……セキ達が手を上げて駆けていく。
すぐ蔓を引きずって戻ってきた。
「ども、な」
三匹の頭を優しく撫でて顔を崩した。
「キュッ!」
あ!スコラって鳴くのか!?
「「「キュッ!」」」
……三匹で手を上げている。
まだまだ知らない事があるんだな。
「あーさま、こっち」
カークが自分の前に手を開いて出している。
どういう事だ?
「あーさま、のる」
……それを聞いたセンが石の自分をカークの手の上に乗せて離れた。
え?
カークに渡された自分はクルクルと翻弄され、落ち着いた時には何かにぎっちり押さえられていた。
こんなに押さえなくても、もともと動けないんだが?
「できた」
カークの様子を周りで見ていた皆が興奮したように上下運動をしている。
姿見たい!川まで連れてってくれ。
……みんながおーっと手と羽根を掲げ上げて、川への移動。
自分はまだカークの手にある。
そして何故カークは石の自分の顔の向きがわかるんだ?
何故ちゃんと進行方向に向けてるんだ?
「ん~」
わかってないのか?勘なのか?
とにかく川に到着。あんまり揺れてない端の方の水面に姿を映してもらう。
ほー平たい自分の側面をぐるっと細い蔓で囲んでいる。
交差して結び目を作っているようで落ちる心配はなさそうだ。
それで、この姿にしてどうするんだ?
「こうする」
カークが石の自分の頭の上あたりに作ったらしい輪っかに残ってた蔓を通して自分の胸にぶら下げた。
え?
……視界は良好だ。
カークは小石をぶら下げる趣味が?
「……や、あーさま、だし」
「あい!」
セキ達と違って死んでから時間経ってたから記憶死んでるかと思ったけど、大丈夫だったのか。
「あい」
記憶全部?
「……や」首を振っている。
そう言いながら両の手を握ったり開いたりしている。頭にも触ってみている。
ああ~体の欠損が記憶にも影響しているって事か。
「……あい」
まあ食べる事も出来るし人間として生活する分には支障ないって事か。
「あい」
あとは……そうだな。普通に人間の中で生活するのに自分達スライムの同行は可能か?
「ん~ ん~」
腕を組んで体を左右に揺らしている。
この仕草はスライム達と同じだな。困った表現だ。
自分が離れてもスライムとしての活動が止まらないのはケイで確認済みだけど、あんまり離れすぎるのも心配なんだよ。
……人間カークは顔を緩めてセンの表面にいた自分を撫でた。
顔を手の平で覆われて周りが見えなくなったが手が温かかった。体は大丈夫そうだな。
カークが荷物の入っていた入れ物を持って来て中を見せてきた。
「あーさま、かばん、はいる」
センの体ごとカバンとやらに入れられる。
「人間、なか、みえない」
中から外も見えないな。と確認したら出された。
「スコラは、つれて、へーき」
……サッとセキ達が手を上げてカークの体を登ると肩の上に落ち着いた。
スコラってセキ達の体になっている生き物の事か。
「あい」
へーきってどういうことだ?
「人間、スコラ、こわくない」
見たら襲われるスライムと違って攻撃されないって事か?
「あい」
そしてスライムはカバンに入って人間の住む所まで行けばいいと?
「あい!」
こっそり観察は可能かも知れないな。
「あーさま、ぶら下げる」
ん?
「ほそいツル、ほしい」
……セキ達が手を上げて駆けていく。
すぐ蔓を引きずって戻ってきた。
「ども、な」
三匹の頭を優しく撫でて顔を崩した。
「キュッ!」
あ!スコラって鳴くのか!?
「「「キュッ!」」」
……三匹で手を上げている。
まだまだ知らない事があるんだな。
「あーさま、こっち」
カークが自分の前に手を開いて出している。
どういう事だ?
「あーさま、のる」
……それを聞いたセンが石の自分をカークの手の上に乗せて離れた。
え?
カークに渡された自分はクルクルと翻弄され、落ち着いた時には何かにぎっちり押さえられていた。
こんなに押さえなくても、もともと動けないんだが?
「できた」
カークの様子を周りで見ていた皆が興奮したように上下運動をしている。
姿見たい!川まで連れてってくれ。
……みんながおーっと手と羽根を掲げ上げて、川への移動。
自分はまだカークの手にある。
そして何故カークは石の自分の顔の向きがわかるんだ?
何故ちゃんと進行方向に向けてるんだ?
「ん~」
わかってないのか?勘なのか?
とにかく川に到着。あんまり揺れてない端の方の水面に姿を映してもらう。
ほー平たい自分の側面をぐるっと細い蔓で囲んでいる。
交差して結び目を作っているようで落ちる心配はなさそうだ。
それで、この姿にしてどうするんだ?
「こうする」
カークが石の自分の頭の上あたりに作ったらしい輪っかに残ってた蔓を通して自分の胸にぶら下げた。
え?
……視界は良好だ。
カークは小石をぶら下げる趣味が?
「……や、あーさま、だし」
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