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01-孤高の白雪編

何なんだ…………?

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「……………………まさか、《水蓮》……………………?」


 俺の言葉に、一瞬、反応したかのように見えたが、構わず、容赦ない一撃を繰り出した続ける

 俺が回避しつつ、スキルで新たな武器を作っては、悉く、手にした武器を器用に、その握り締めた刀で弾き飛ばしながら、的確に、急所を狙って来る。

 敵の武器を無力化し、その上で、相手の弱点を容赦無く攻め立てる戦闘スタイル。

 間違いなく、》だ。

 その証拠に、彼女が手にした龍を模した独特のつばと、刀身に刻み込まれた《常勝》の魔法刻印文字は-------------ある流派専属の魔法鍛治士が付けている事で、有名だ。

 その流派の名は-------------



 《蒼炎流》


 
 かつて、世界の半分を焼き払った悪しき炎龍を青き炎で、斬り伏せたとされる一族が起こしたとされる魔導剣術で-------------刀の刀身に炎を纏い、焼き斬るという特徴的な戦闘スタイルで、あらゆる防御を真正面から打ち砕き、毒のように相手の肉体を焼き続ける為、異界戦争では、通称《剣術殺し》なんて、揶揄される場合もある。

 何せ、刀を受け止めただけだっていうのに、剣だろうが、盾だろうが、鎧だろうが-------------何でも一瞬で、ドロドロに溶けて、相手を斬り裂いて行く。

 どんな鬼畜攻撃だよ!!?

 そう突っ込みを入れたい程の理不尽剣術だ。

 なので、こいつの剣は受け止めるのではなく、回避し続けるのが正解。

 特に、ネームドである《水蓮》の剣なら尚さ-------------


「・・・・・・・・・・・・・・っ!!!?」


 あっぶなっ!!!!

 言ってる側からっ!!?

 水蓮の刀の刃が、頬を掠めて、物凄い熱が皮膚を瞬時に焼いた。

 頬の刀傷から、ヒリヒリとした痛みが走る。

 やはり、掠っただけでも、危険だ。

 何とか、この場から離れる術を模索しないと-------------


「見つけたああああああーーーーー!!!!!」

「「っ!!?」」

 
 そんな時だった。

 空から急に何かが、俺達の間を割って、降り立ったのは-------------


「この悪者めっ!!!! この白蓮はくれん様が貴様を成敗するううううっ!!!!」

「「……………………」」

 
 何だ…………?

 このガキは…………。
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