不揃いの七勇者〜七人目の勇者は、かつて帝国を裏切った婚約者でした〜

水先 冬菜

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人間嫌いの勇者

詐欺被害

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『世界のため、私達に力を貸してください』

 仕事を終え、適当な宿舎で飯を食っていた時だった。

 いきなり、目の前に現れた光輝く幼い少女。

 十代にも満たない容姿と身長で、圧倒的な存在感のある不思議な少女で、俺は訝しげにその少女の事を睨んでいたと思う。

 そして、夢だと思い込んで、出された料理をかき込んで、すぐ様会計。

 店を出た。

 あからさまに怪しかったのもあるが、本能的に嫌な予感がした。

 だから、何も言わずに逃げ出したのだが…………。

『どうか私に力を貸してください』

「……………………」

 店を出た瞬間、目の前にその少女が立っていた。

 それを無視して、俺は逃げ続けたが、事ある毎に少女は俺の前に現れた。

『お願いします。どうか、どうか…………!』

 仕舞いには、観衆の目の前で泣き疲れて、渋々話を聞く事になった。

 何でも、この少女は女神で、魔王を倒す力を持った者。

 勇者として、俺を選んだらしい。

「断る!」

 そんな事、知った事ではない俺は彼女の要求に首を縦に振る事はせず、彼女から手渡された勇者の証たる《腕輪》を投げ捨てた。

 だが、彼女はそれも予想済みだったようで、投げ捨てた《腕輪》は、まるで意思を持ったかのように俺の右腕に装着され、外そうとしても、びくともしなかった。

 文句を言おうと、少女に詰め寄ろうとするが…………。

『どうか世界を救ってください。勇者様』

 そう言って、俺の目の前から姿を消しやがった。

 そして、今に至る----------------


------------------------------------------

「あん時は世話になったな…………」

 俺は起き抜けに彼女の顔に拳を放つ。

 だが、その拳は彼女の顔を擦り抜け、彼女は優雅に微笑む。

『無駄ですよ』

 涼しい顔して言い切りやがって…………!!

「何しに来た……?!」

 俺は怒りを隠す事なく、自称女神たる少女を睨み付けた。

『そんな怖い顔をしないで……? 私はただあなたに知らせたい事があったから来ただけ』

「…………何だ……?」

 警戒心剥き出しで、彼女に問うと、彼女は悪戯っぽい笑みを浮かべて…………。

『もうすぐ、クラウス王国に魔王軍の軍勢が攻め込んできます』

 とんでも事を口走りやがった。
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