不揃いの七勇者〜七人目の勇者は、かつて帝国を裏切った婚約者でした〜

水先 冬菜

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人間嫌いの勇者

隠れ家の外では…………

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 隠れ家で涙目になりながら、俺は魔道具越しに外の様子を窺っていた。

『私は何が何でも、彼を探すわ!?』

『駄目です、ユカリ様! まだ動ける状態ではありません!!』

 意地でも、俺の捜索に加わろうと護衛の騎士と口論を繰り返す朝香ユカリさん。

 ほんと、迷惑極まる。

 しかも、口論している場所が場所だけに、非常に困る。

 何せ、聖女様が口論しているのは、他でもない。

 隠れ家の入り口の真上だ。

 通りで声が聞こえる訳だ。

 勘だけは無駄に良いんだから…………。

『それはもう聞き飽きたわ! あなた達は今世界が置かれている状況が理解出来ているの!?』

『そんな事は分かり切っています! ですが、それとこれとでは話が違います! ユカリ様こそ、御身がどれだけ大切か理解しておられるのですか!?』

 おぉ…………!?

 この護衛の女性騎士も中々言うねぇ…………。

 というか、あいつの性格からして、多分、あの女性騎士の説得は平行線になるんだろうなぁ~…………。

 なんて、考えていたら…………。

『待ってください!』

 突然、もう一人いた護衛の男性騎士が叫んだ。

 突然の事に状況が飲み込めない二人に「動かないで!」と恐る恐る二人の足元に近付いて…………って!?

「やばっ…………」

『これは…………!?』

 この男性騎士、要注意人物に入れておこう。

 まさか、あの男、世界的にも、希少な《幻影騎士ビジョン・ナイト》だったとは…………。

 《幻影騎士ビジョン・ナイト》とは、幻術系統の魔法を先天的に効かない体質を持った騎士の名称だ。

 簡単に言うと、幻術系統の魔法を無効化する能力を持った騎士で、この手の騎士は両手の指で数えられる程の人数しか、この世界では確認されていない。

 その内の一人が、今まさに俺の目の前にいる訳でして…………。

『ユカリ様! これを見てください!』

『っ!? これは…………』

 あぁ、入り口が見つかったな…………。

 だが、まだ焦る必要はない。

 幻術魔法を破られたが、まだ結界魔法は破られていない--------

『これは、結界魔法みたいですね。大分高度な術式ですが、少し時間を頂ければ解除する事は可能かと…………』

「……………………あれ……?」

 嫌な予感…………。

『……………………』


 あぁ…………間違いない…………。

 この女性騎士も、男性騎士同様の希少な体質持ちっぽいな…………。

 この様子だと、結界魔法系の術式を読み取る《読取騎士リード・ナイト》だな…………。

 こっちはこっちで、更に少なかったような…………。

「チッ…………」

 逃げた方が良さそうだな…………。

 術式を読み取られるのも時間の問題だ。

 そこから、解除プロセスにでも入られたら、厄介だ。

 はぁ…………。

 また、別の隠れ家に避難しないとな…………。
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