不揃いの七勇者〜七人目の勇者は、かつて帝国を裏切った婚約者でした〜

水先 冬菜

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人間嫌いの勇者

時間

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「チッ…………。

 気を失いやがったか…………。

 まだ、殴りたりねぇ、ってのに…………」

 ボロ雑巾のように、貼り付けにされたこいつを殴るのはやっぱり楽しい。

 ほんと、清々しい気分だ。

 だが、これからもっと清々しい気持ちになれる。

 何せ、もうすぐ指定の時間。

 夕暮れ時だ。

 さあ、勇者様。

 町か、仲間か。

 どっちを選びますか?

 一応、町に仕掛けた爆発術式は俺独自に開発した特殊なもの。

 もし爆発術式を解除すれば、自ずと片方--------こいつの首輪の魔法が発動され、逆もまた然りだ。

 この魔法を解く方法はたった二つ。

 勇者が俺を殺すか。

 同時に二つの魔法を解除するかだ。

 だが、そんな事は不可能に近い。

 こいつがここにいる以上、当然、俺がそれを妨害するし、首輪にはもう一つ、一定時間俺から離れると首輪に内蔵された魔法が発動するように仕掛けておいた。

 こうしておけば、下手に俺の所から引き離そうとは考えないだろう。

 それに、今の勇者は手負いで、情報によればまともに聖剣を振るう事は出来ないらしい。

 なら、万全の状態の俺に相対するのは不可能に近い筈だ。

 こっちに人質がいる以上、他の者達が手出し出来る訳もない。

 さあさあ、どう致しますか?

 ゆ・う・しゃ・さ・ま!!

「ふふふっ…………あははははははははっ!!!」

 ほんと、楽しみだな…………。

 勇者様はどっちを選ぶんだろうか……?

 不思議と胸が踊って--------

「ホーリー・ソード!」

「っ!?」

 見覚えのある攻撃が俺に向かって来て、咄嗟に避ける。

「待たせたな…………!!」

 森の中から、当然、それを放った奴が現れて…………。

 俺は勝利を確信して、再び高笑う。

「選んだな! 勇者!! これがお前の選んだ選択だ!!」

 俺は見せつけるように、起爆ボタンのスイッチを押した。

 それにより、町の方から巨大な爆発が起き------------ない……?

「何……?」

 何度も起爆ボタンを押して確かめるが、反応なし。

 まさか、解除したのか……?

 だが、それだとあいつに何の変化もないのは可笑しい。

 一体、何が起きて…………。

『そうは問屋が卸さない!』

 あのクソ聖女の方へと移すと、その横に、あの駄女神同様に光輝く美女が佇んでいた。
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