不揃いの七勇者〜七人目の勇者は、かつて帝国を裏切った婚約者でした〜

水先 冬菜

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人間嫌いの勇者

女神参戦

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「まさか…………女神か!?」

「その通り!」

「なっ!?」

 女神に気を取られていると、別方向から魔法攻撃を受ける。

 何発か、食らったみたいだが、然程ダメージはない。

「テラウス様は、ユカリを!!」

 チラッと見ただけでも、水系統の魔法。

 水弾とか、呼ばれる奴か。

 となると、あの勇者に属する聖女っぽいな…………。

 そんで、あれがあの勇者の女神か。

 女神が介入したとなれば、あの解除困難な術式が破られた事にも説明が付く。

 そして、俺の術式を解除したのは目の前にいるのは恐らく--------

「まさか、女神が勇者に加担するとは…………。

 女神が世界の法則を無視しても、地上に顕現しても、よろしいのでしょうかねぇ……?」

「そこは大丈夫!! 今回は、私の勇者の根幹に関わる問題だからね! 魔王軍と戦うんじゃなければ、問題ない!」

「チッ…………」

 このテンション高めの活発系の女神は、情報にあった『魔術の女神エルネスタ』だな…………。

 基本、女神にはそれぞれ司る役割が分けられている。

 俺を選んだアルテヌスとかいう駄女神にもだ。

 そして、この魔術の女神様は、その名の通り、この世界の魔法全般に関しての管理を全て任されている。

 簡単に言えば、この世界全ての魔法を干渉出来るし、全ての魔法を解除する事すら容易に出来る。

 まず間違いなく、俺の魔法を解除したのも、この女神の仕業だ。

 その証拠に、人質の魔法が解除された。

 これで、こっちが不利な状況になった。

 人質も失い、手負いとはいえ、勇者には、女神と聖女の加勢もある。

 しかも、女神は魔法系統の魔法を全て無力化してくる始末。

「武が悪いな…………」

「大人しくお縄につきなさい!!」

 遠慮しておきます。

 俺は煙玉を地面に叩き付けて、逃走した。

 また、面倒な奴が現れた事に辟易しながら…………。
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